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【shp side】
あれから約一週間がたった。
いまだに皆、俺の事を殴ったりしない。
shp「…チーノ、、、様…」
チーノ様の部屋に入り、チーノ様を呼ぶ。
気持ちが悪いかもしれないが、この部屋はチーノ様のにおいがして、とても落ち着く場所だ。
ci「どしたん?」
shp「え…と、」
でも俺はまだこうしてなじめずにいた。
それでも誰も、怒る事すらしなかった。
ci「どした、?しんどい、?」
ぶんぶんと首を振る、とりあえず違うと言いたい。
本当は…散歩に行きたい。
まち、と呼ばれるところがあると鬱様が教えてくれた。
でも、その一言が出ない。
また殴られたら…奴隷だと言われたら…俺なんていらない、って言われたら…
shp「ハヒュッ……ハッ、カハッ………ハァッハァ…」
かこきゅう、というものだろうか。
息が吸えなくなってさらに息を吸おうとする。
窒息してしまいそうで生理的な涙が出る。
ci「しょ、ショッピ…!?大丈夫か?」
チーノ様が俺の背中をゆっくりとさする。
その手がとても暖かい。
ci「ゆーっくり、息してな?大丈夫やからな?」
数分すると、俺の呼吸も少しずつ楽になってきた。
shp「っ……す、すみませっ…チーノ様っっ……」
「申し訳ございませ…っ」ポロッ
昔は何も思わなかった事が今になってとても怖く感じる。
殴られる事も、謝る事…土下座する事も、捨てられる事も…
何も思わなかったはずなのに、とても怖い。
shp「お願い…お願いしますっ……」ポロポロ
異様に身体が震える、全身が嫌な事を拒んでいる。
チーノ様がそっと、こちらに手を差し伸べる。
殴られるのだろうか、罵られるのだろうか、髪をつかまれるのだろうか、首を…絞められるのだろうか
とっさに目をつむる。
でもその瞬間、感じたのはいつものチーノ様の暖かさだった。
ci「大丈夫やで、何も怖い事あらへん、誰も怒らへんよ」
shp「っ…チーノ、様」ポロポロポロポロッ
そんな事をしていると部屋の扉が開き、トントン様や鬱様が現れた。
tn「ショッピくん、大丈夫か!?ぺ神呼んできたからな!!!」
どうやらさっきの間にいんかむ、というもので呼んでくれたそうだ。
sn「とりあえず一時的とはいえ、しんどかったでしょう。医務室で休もうか」
しんぺい神様に支えられ、疲れた身体を少しずつ動かす。
俺の身体はもう限界だったのか、俺の記憶はここまでで途切れていた。