…別に、余命宣告だからって、絶望なんかしない。ただ死ぬだけ。それだけだから。
医者が居なくなった静かな診察室で、1人伸びをする。
溜息を吐きながら、ゆっくり病室へ帰る。
暗い、寝静まった病室の引き出しを開け、メモ帳を取り、そのまま休憩室に行く。
これは、隠し持っている日記。最初のページは使いづらくて白紙。それからのページは半分くらい使われている。
休憩室に入り、その辺に置いてある冷たい椅子を近くに引き寄せて座り、ポケットに忍ばせてあったボールペンで書く。
今日はネタが沢山あって、上半分が埋まってしまった。
「いつか、四季を…」
四季と君の事を考えるとともに、余命宣告が頭の中を過ぎる。
「余命って、そんなに怖いものなんか…?」
右手に力をぐっと入れる。
「、大丈夫やで、僕。“あの子の花”があればな」
そう自分に言い聞かせて、震える手を落ち着かせた。
「なんでやろ…僕、さっきと言ってる事、全然違うやんか…」
余命は死ぬだけ。
それだけだとさっきまで思っていた。
「いつのまにか馴れ馴れしく話してるけど大丈夫なん?」
「会ってからもう2週間も経つんで?馴れ馴れしいのは当たり前やろ!!」
…2週間って、意外と早いもんやな…
「え、2週間で馴れ馴れしくなる?」
「普通そうやろ!!しかも毎日会っとったしな!」
「普通…?」
普通…?そっか…、俺は普通を…、
「あ、今日の本題、これね」
そう言って、鞄の中から新しい花を出す。
「ごめん、家に黄色い薔薇、良いのが一本しか無かった…」
買って来れば良いのだが、クラスの奴等に会うと面倒な事になるから行きたくないだけ。
「めっちゃ綺麗やん!?リクエスト答えてくれてありがとうなぁ!!!」
「、ごめん…買って来れば沢山あるのに…」
「そんな事ないで!?この薔薇はおんりーわんが育てた薔薇やから貴重なんよ!?」
…その言葉に、心が動かされた気がした。
「…あのな、僕、…1人やなくて、おんりーわんと2人で四季を見たい!」
突然零風が言う。
「…なんで?…俺なんかいなくても…」
「…おんりーは知らんかもわからん、けどな?僕はおんりーがくれた花のお陰で早く四季を見たくなったんや!!その花を育てたのは誰なんよ?」
「…おんりーやろ?やから!おんりーと一緒に!」
「…なんだよwその理由w」
思わず笑ってしまう。
「あぁ…恥ずかしいわぁ…ほら!見舞いの時間過ぎとるで!?ほら!早く出て行って!!」
読んでいただきありがとうございます♪
作者のこゆき。と申します!!
サムネを変更しました!!
サムネの絵を描くのに10時間掛かったんで褒めてください…
いいねやコメントしてくれださると飛び跳ねます(?)
それでは!次回もお楽しみに!
コメント
3件
えッ!?このサムネ、こゆき。ちゃんが書いたの!?✨めちゃくちゃ上手いじゃん!!✨すごぉ~😳✨10時間…おつかれさまぁ、!♪ 物語も良かったよ!!続きたのしみぃ!