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■事務所様、ご本人様、関係者様とは全く関係ございません。
■GⓉΛネタ 秘密結社lr受け
■精神を送るゲームとして扱っています。
■複数人出る時のみセリフの前に lr など表記します。
それはある日、狂った街を舞台にした仮想空間の中で突然起こった。
lr「なんだこれ?」
この世界では自分の【現在の状況】を可視化することができる。
肉体へのダメージはどうか、空腹ではないか、水分補給は必要か、ストレスは溜まっていないか…そんなことが分かる。
勿論、他の人間には見えないため弱味として握られることもない。
まぁ肉体が限界を迎えれば一旦死ぬし、餓死だってするし、ストレスで動きが鈍くなったりすることもあるしで、限界が来たことだけは相手に分かってしまう少し恥ずかしい仕様だが。
そんなステータス画面に知らないアイコンが浮かんでいるのだ。
禍々しい発光ピンクの【♧】のマーク。
lr「……?」
ステータスで何か変更点やアップデートがあったなんて聞いた覚えはない。
であれば、一体これは何を示しているのだろう。
もしかして自分が聞き逃して、見落としてしまっただけで公式から何か情報が出たりしていたのではないか。
lr「ねぇ、なるせ」
nr「ん~?」
ちょうど隣に立っていた なるせ に声をかける。
こいつが知らないなら俺が知らなくてもおかしくないだろうと変な前提を立ててステータスの話をしようとした。
その時、
今まで聞いたことのないような音が自分からも周りからも飛び出す。
なるせ も目を見開き、自分の体を探ってスマホを取り出した。
どうやら音の出所はそれのようで俺も同じようにスマホを取り出せば、緊急通知といったものが表示されている。
lr「緊急通知?」
nr「なんかバグでも起こった?とりあえず確認してみるわ。話は後で聞かせてね」
lr「了解。俺も確認するわ」
◆他の街から攻撃を受けました◆
他の街(サーバー)にいるプレイヤーが何らかの方法で当街に侵入。
内部をイジり狂気的なバグを発生させました。
このバグは現実世界に影響を及ぼす可能性があると見られています。
そのため修復作業が完了するまでログアウト不可とさせて頂きます。
皆様にはご迷惑をおかけしますが数日~の間、この街への滞在をよろしくお願いいたします。
修復作業の進捗については随時お知らせ致します。
つまり、俺たちはこの仮想空間の中に閉じ込められてしまったということになる。
そして、俺には一つの不安が頭を過っていた。
lr(ステータスのあのマークって…まさか…)
やはり なるせ に相談しておいた方が良いかもしれない。
そう思い口を開いた瞬間、再び通知が鳴った。
◆バグ対象者について◆
先程通知した狂気的なバグですが調査を進めたところ一部のプレイヤーにのみ発生していることが判明しました。
ステータス画面を開いた際にピンク色(発光タイプ)で【♧】のマークが入っている人が該当します。
あぁ、やっぱりそうだったのか。
頭を抱えたくなる気持ちを、でも人にバレるの恥ずかしいの気持ちで抑えながら続きを読んでいく。
◆バグの症状と対策について◆
【症状】
不定期に発情・感度上昇の状態になる
【処置方法】
他プレイヤーまたはNPCと性行為を最後まで行う必要がある
※ただし、バグ対象者は受け入れる側でなければならない
※今回のバグ発生によりバグ対象者のみNPCに性行為の依頼を出来るよう設定
【放置した場合】
発情状態がピークになり誰彼構わず襲ってしまうようになる
頭を抱えなかった自分を、これ程までに褒めてやりたいと思ったことはない。
表情にも顔の表面にも変化は出さないが、服で隠れた身体には冷や汗が流れている。
こんなバグが、俺を、襲っているのか。
何でこんな症状なんだよとか、怒りも溢れてくるが誰彼襲う状態になることだけは必ず避けたい。
なるせ も読み終わったのか、動揺した表情のまま声をかけてくる。
nr「…いや、普通にヤバくね?何がしたいのよ、この犯人」
lr「うん…」
nr「俺は大丈夫そうだけど…ローレンはどう?大丈夫そ?」
きっと、素直に真実を話せば なるせ は協力してくれるだろう。
そう分かっていても、
lr「いや、俺もついてないね」
nr「おぉ~!そうか~!いや、マージで良かったな!」
lr「それな?マジそれな??」
言えるわけないだろ、こんなこと。
迷惑をかける未来が見えているのに、頼ることなんてできるはずないだろ。
なるせ と離れて街の中を歩く。
どこを見ても変わらない、いつもの街だというのにピンク色に狂ってしまっているらしい。
道中、何人か顔色の悪いプレイヤーを見かけ、あぁ、俺と同じなんだろうと察してしまう。
でも、きっと、俺のように何事も無かった顔をしている奴が、隠している奴がこの街にはいるのだろう。
他の対象者に、安心して任せられる協力者が見つかればいいんだけどな。
lr「……」
NPCの隣を通る際にコマンドを表示させてみると、確かにそこには【性行為を依頼する】の選択肢が追加されていた。
やはり俺はバグ対象者なんだと、気持ちが沈んでいく。
あぁ、常に仮面を被っているスタイルで良かった。
理由が無いと外さないようなスタイルにして良かった。
安全に、誰にも見られずNPCに声をかけられる場所って何処だろう。
「ローレン?」
声をかけられて振り向けば、そこにはアマルが立っていた。
lr「おー、どしたん?」
am「いや、いたから声かけてみただけ」
lr「なんそれ!」
am「後は…」
アマルが突然黙り込む。
そして、周りをキョロキョロと見回した後に
am「空の散歩でも一緒にどう?」
そう誘われたのだった。