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#BL
kaede🍁
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おその★
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「ただいま。」
聞き慣れた低い声に、阿部は思わず立ち上がった。
「めめ、おかえり。」
目黒がリビングへ入ってくると、深澤は立ち上がりながら笑う。
「じゃ、俺は帰るわ。」
「え、もう?」
「今日は話したいこと話せたし。」
深澤は意味ありげに阿部へ視線を向ける。
「じゃあな。」
そう言い残して玄関を出ていった。
静かになった部屋。
目黒はジャケットを脱ぎながら、どこか晴れやかな表情を浮かべていた。
「今日、なんかいいことあった?」
阿部が尋ねると、目黒は嬉しそうに笑った。
「あった。」
「明日から、少し仕事が落ち着く。」
「え?」
「仕事が一段落したんだ。」
「だから、しばらくはちゃんと家で一緒に過ごせる。」
その笑顔を見た瞬間、阿部は昼間に深澤から聞いた話を思い出した。
胸の奥がじんわりと熱くなる。
(もう、隠さない。)
阿部は心の中で静かに決めた。
目黒には、不安も嬉しさも全部伝えよう。
一歩近づく。
「めめ。」
「ん?」
阿部はそっと目黒を抱きしめた。
突然のことに、目黒の身体が少しだけ固まる。
「あべちゃん?」
阿部は目黒の胸へ額を預けた。
「今まで、ごめん。」
「怖いって言って、いっぱい待たせちゃった。」
目黒は優しく背中へ手を添える。
「謝らなくていいよ。」
阿部は小さく首を振った。
「ううん。」
「ちゃんと伝えたい。」
少しだけ身体を離し、まっすぐ目黒を見つめる。
「もう。」
「めめとなら。」
「キスも。」
「こうして抱きしめられるのも。」
「その先だって。」
阿部は照れながら微笑んだ。
「怖くない。」
目黒は目を見開く。
「……あべちゃん。」
「めめを信じてる。」
その言葉だけで十分だった。
目黒は困ったように笑い、額へ手を当てる。
「それ……。」
「そんな顔で言われたら。」
深く息を吐く。
「俺、お預け長かったから、一回始まったら止まれる自信ないんだけど。」
耳まで赤くなっている目黒を見て、阿部は思わず笑ってしまう。
「正直だね。」
「だって、本当だから。」
二人で笑い合う。
その穏やかな空気の中、阿部はもう一度目黒の手を握った。
少し震えながら、それでもはっきりと言葉にする。
「めめ。」
「……愛してる。」
その一言を聞いた目黒は、一瞬息を止めた。
次の瞬間、そっと阿部の頬へ手を添える。
「……反則。」
かすれた声でそう呟くと、目黒はゆっくりと顔を近づけた。
唇が優しく重なる。
短く、確かめるような口づけ。
離れたあとも、お互いの額を寄せ合ったまま見つめ合う。
「俺も。」
目黒は柔らかく微笑む。
「愛してるよ、あべちゃん。」
その言葉を聞いた阿部は安心したように笑い、もう一度目黒を抱きしめた。
長かった不安な日々を越えて、ようやく二人は同じ気持ちを言葉にできたのだった。
コメント
2件
うわあ……じんわりきました。第20話、ようやく阿部さんが心を開いて「めめを信じてる」って伝えたところ、すごく胸が熱くなりました。深澤さんの「今日は話したいこと話せたし」も効いてるし、目黒さんの「反則」って呟きも、照れくさいながら嬉しそうで素敵……。お互いの「愛してる」が重なった瞬間、読んでるこっちまでほっとしました。長かった不安を越えた二人が本当に愛おしいです。次も楽しみにしてますね🌷