テラーノベル
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翌朝。
カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝日で、阿部はゆっくりと目を覚ました。
「……ん。」
身体を起こそうとして、小さく息を漏らす。
「いたた……。」
思った以上に全身が重い。
昨夜のことを思い出し、思わず布団を顔まで引き上げた。
「……。」
恥ずかしくて、熱くなる頬を隠したくなる。
その隣で、小さく寝返りを打つ気配がした。
「……あべちゃん?」
眠たそうな声。
目黒もゆっくりと目を開ける。
目が合った瞬間、昨日のことを思い出したのか、少し照れたように笑った。
「おはよう。」
「……おはよう。」
阿部が微笑み返すと、目黒は身体を起こし、そっと阿部の様子をうかがう。
「大丈夫?」
「無理して起きなくていいから。」
その優しい声に、阿部は安心したように頷いた。
「うん。」
「ちょっと身体が重いだけ。」
目黒は申し訳なさそうに眉を下げる。
「ごめん……。」
阿部は小さく笑って首を横に振った。
「謝らないで。」
「ちゃんと幸せだったから。」
その言葉に、目黒はほっと息をつき、阿部をそっと抱き寄せた。
今の阿部の身体は、以前よりずっと小柄だった。
身長差は役30㎝前後。
目黒の腕の中へすっぽりと収まってしまう。
広い胸に頬を預けると、規則正しい鼓動が聞こえた。
その温もりに包まれているだけで、不思議なくらい安心する。
「めめ、大きいね。」
阿部がくすっと笑う。
「前から大きかったけど。」
「今はもっと大きく感じる。」
目黒も笑った。
「抱きしめやすい?」
「うん。」
「すごく。」
目黒は返事の代わりに、もう一度ぎゅっと抱きしめる。
強すぎず、弱すぎず。
壊れ物を扱うような優しい力だった。
阿部は目を閉じる。
(もし。)
ふと、そんな考えが浮かぶ。
(もし、このまま男に戻れなかったら。)
最初の頃は、その未来を想像するだけで怖かった。
でも今は違う。
(めめと、一緒に生きていくのかな。)
(結婚とか……。)
そんな未来も、少しだけ現実味を帯びて思い描けるようになっていた。
子どものいる家庭。
笑い声の絶えない食卓。
忙しい毎日の中でも、「おかえり」と言い合える家。
そんな穏やかな景色が頭に浮かぶ。
もちろん、まだ何も分からない。
身体の変化の原因も、元に戻れるのかどうかも。
それでも。
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#BL
kaede🍁
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おその★
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未来を考えたとき、もう絶望しか見えないわけではなかった。
隣には目黒がいる。
支えてくれる仲間たちもいる。
そう思えるだけで、前を向く力が湧いてくる。
「どうした?」
目黒が優しく尋ねる。
阿部は穏やかに笑った。
「なんでもない。」
「ただ……。」
目黒の手をそっと握る。
「これからのこと、ちゃんと考えられるようになったなって。」
目黒は嬉しそうに微笑み、その手を優しく握り返した。
「一緒に考えよう。」
「急がなくていい。」
「どんな未来でも、俺はあべちゃんの隣にいるから。」
その言葉に、阿部は静かに頷いた。
窓の外では、新しい一日が始まっていた。
そして二人にとってもまた、新しい未来へ向かう朝が、穏やかに訪れていた。
コメント
4件
最高の🖤💚ありがとうございます🫶

尊い…素敵…🖤💚