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「好きな食べ物は?」
「肉」
「どんな?」
「…血の滴るレアステーキ」
「おぉ、貴族っぽい」
「なんだ”ぽい”って」
「ぁー…趣味とかは有りますか?」
「……特には思いつかねぇな」
「そうなんですね。僕は遊戯(ゲーム)が趣味……かもしれません」
「お前も曖昧じゃん」
僕が質問を投げていき、それを捌いていくラグーザ。思ったよりスムーズに進めていたが、緊張からか段々と質問が上手く浮かばなくなり、会話のテンポが失速していく。
「ええと……」
ここでようやく気が付いたが、そういえば僕は私的に自己紹介をしたことがない。私的でなくとも、前神父が他界し継ぐ事になった時の街での集まりで神父として名乗った一度きり。
つまり圧倒的経験値不足。今更だけど、こういう時って何を聞くのが妥当なんだろう
「……いや、見合いかよ」
「え?」
「言わなくてもいいやつあっただろ絶対。趣味とか」
「そんなこと無いと思うんですけど……知りたかったので…?」
「なんで疑問形…?」
「すみません、僕が自己紹介を提案したものの、僕自身自己紹介のような事をしっかりとしたことが無くて……」
「よくあの状況でそんなものを提案したなお前…頭イカれてんじゃねぇの?」
「はは……」
今日は失笑や苦笑が多い気がするな。それも、自分に対してのものばかりである。