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『絵里ちゃん、どうしたの?』
ケンの部屋の前で固まっていた絵里に、ケンの母が話しかけてきた。
そして部屋のドアを開き、ケンに声をかけている。
『ケン、絵里ちゃん来てるわよ』
そして絵里の背中を軽く押して、絵里は少しふらつきながら部屋の中に入った。
ケンの母は絵里に『ゆっくりしていってね』と声を掛け、廊下を歩いていってしまった。
ケンと絵里は、どちらからも口を開かない。
沈黙が流れる・・・。
その様子を見兼ねたのか、明さんが口を開いた。
『え、絵里ちゃん、
メリークリスマスだねぇ。』
「・・・。そうですね。」
『あ、あのさぁ、
俺は邪魔だよね?か、帰るねー。
ケン、またな!』
立ち上がり逃げ出すように帰ろうとする明さんを、ケンが『待ってくださいよ!ちょっと!』と、止める。
そして二人は絵里を部屋に残して出ていってしまった。
それから少しして、ケンが一人で部屋に戻ってきた。 気まずそうに俯いて、タバコに火をつける。
絵里はだんだんイライラしてきた。
「何か言えば?
言うこと、たくさんあるでしょ?」
冷たく言い放った。
ケンは一度絵里の目を見て、また下を向く。
そして話し始めた。
絵里を家に残して明と女の子二人と飲んだ事、それから絵里がいなくなって必死に探した話・・・
ケンは一緒にいた女とは何もないと言った。
そして結香が見た時は、明たちが帰った後だよと絵里に話す。 『気まずいから残された女と二人で一杯飲んでただけなんだ』と。
・・・絵里は信用できなかった。
ケンはもてるし、かっこいい。 だから、いつ浮気されるか不安になっていた。
絵里は疑いの目でケンを見る。
その時、ケンがキレた―――。
『そんなに気になるならXXに問い合わせろよ!
信用できねぇって、前に別れた時と一緒だろ?!
それで、また浮気すんのかよ! おまえ、変わんねーよな!!』
「はぁ?!
逆ギレするの! 意味わかんない!!
もう帰る!!!」
絵里はバッグをつかみ、立ち上がった。
ケンが絵里の腕を掴み、『待てよ!』と言う。
もう自分が止められない―――
「嫌!!」
『だから、素直に聞けよ! 座れよ!!』
帰ろうとする絵里を無理矢理座らせようとするケン・・・
二人はもみ合いになった。
その時、絵里のお腹に激痛が走った―――
「痛っ・・・」
絵里は床に座り込んだ。
お腹がズキズキ痛い。
『だ、大丈夫か?!』
ただ事じゃない様子の絵里に、ケンはうろたえている。
「・・・き、救急車。
早く・・・早く呼んで!
赤ちゃんが―――」
『どうゆう事だよ!?
絵里?!』
「・・・」
膣から生理のように血が溢れてくる。
お腹の痛みも強くなる・・・。
それからケンの家に救急車が到着し、絵里は病院に運ばれた。
そして絵里は手術室に運ばれてゆく・・・。