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絶対辰哉
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#岩本照
絶対辰哉
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同居生活、三か月半。
朝。
💜「あっ」
リビングから辰哉の声が響く。
💛「どうした」
💜「シャツにコーヒーこぼした……」
真っ白なワイシャツの胸元に、大きな茶色い染み。
💛「着替えろ」
💜「時間ない!」
💛「ある」
💜「ない!」
照は呆れながら自分の部屋へ向かった。
数秒後。
ハンガーを一本持って戻ってくる。
💛「これ着ろ」
💜「え?」
照のワイシャツだった。
💜「いいの?」
💛「サイズそんなに変わらないだろ」
💜「でも照のだよ?」
💛「洗えばいい」
辰哉は少し迷ってから受け取った。
💜「ありがと」
────────
会社。
昼休み。
同僚が辰哉を見て首を傾げる。
「深澤、そのシャツ新しい?」
💜「あ、これ?」
💜「借り物」
「へぇ」
「彼女?」
💜「違う違う」
「じゃあ誰?」
辰哉は少し笑う。
💜「同居人」
「同居人?」
「へぇ……優しい人なんだな」
辰哉は自然と頷いていた。
💜「うん」
💜「優しいよ」
その言葉を口にしてから、自分でも少し照れくさくなる。
────────
その日の夜。
照の方が少し遅く帰宅した。
ガチャ。
💛「ただいま」
💜「おかえり!」
いつものようにリビングへ向かう。
するとテーブルの上に、小さな紙袋が置いてあった。
💛「これ」
💜「照の」
💛「?」
💜「シャツ借りたお礼」
照が袋を開ける。
中にはネクタイピン。
シンプルなデザインだった。
💛「買ったのか」
💜「高いのじゃないよ」
💜「でも、ありがとうって言いたくて」
照はネクタイピンを手に取る。
💛「……ありがと」
💜「気に入った?」
💛「うん」
💜「よかった」
────────
翌朝。
照はそのネクタイピンをつけて出勤した。
会社で後輩が気付く。
「岩本さん」
💛「ん?」
「新しいネクタイピンですね」
💛「ああ」
「彼女さんからですか?」
照は一瞬言葉に詰まる。
💛「……違う」
「じゃあ、ご家族?」
照は少しだけ笑った。
💛「大事なやつをくれた人」
それだけ答えて仕事へ向かった。
────────
夜。
帰宅した照はネクタイピンを外し、大切そうにケースへしまう。
その様子を見ていた辰哉が笑う。
💜「そんな大事にしなくても」
💛「せっかくもらったから」
💜「なくしたらまた買うよ」
💛「いや」
照はケースを閉じる。
💛「これがいい」
その一言に。
辰哉の胸が少しだけ高鳴った。
理由は分からない。
でも、その日は寝るまで何度もその言葉を思い出してしまうのだった。
コメント
3件
最初の方に比べたら今めちゃめちゃ仲良しだよね
もう夫婦じゃん))))
みぅです🤍🥀 第17話、読み終わりました……。 シャツを借りたお礼にネクタイピンを贈るの、すごくいいなって思いました。二人の距離感がじわじわ縮まってる感じがして、胸が温かくなりました。 照くんが「大事なやつをくれた人」って言うところ、あれ、絶対照くんの中で辰哉くんが特別になってきてる証拠ですよね。 最後の「これがいい」って言葉に、辰哉くんがドキッとするのも分かる……。 静かだけど、確かに積み重なってる関係性が素敵でした。続きが気になります。