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琳埜
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夜。
ローレンの家。
ソファでスマホを見ていたローレンの元に
玄関のチャイムが鳴る。
『……誰?』
ドアを開ける。
そこに立っていたのは葛葉。
髪はぐしゃぐしゃで、目も赤い。
ローレンは一瞬で気付く。
『……葛葉』
葛葉は何も言わない。
ただローレンを見る。
その瞬間。
ぽろっ。
涙が落ちる。
ローレンが少し目を見開く。
『……おい』
葛葉の唇が震える。
「……っ」
でも声が出ない。
涙が次々に溢れる。
ぽろぽろぽろ。
ローレンはすぐ腕を掴む。
『入りな』
家に引き入れる。
ドアが閉まる。
葛葉はその場に立ったまま。
肩が震えている。
『……どうしたの』
葛葉は口を開く。
「……っ」
声が出ない。
代わりに
ぼろっ
涙が落ちる。
次の瞬間。
葛葉の呼吸が崩れる。
「……っ…あ、…」
しゃくりあげる。
完全に泣き始める。
ローレンは少し驚きながらも
すぐに葛葉を抱き寄せる。
『ねえ』
ぎゅっと抱きしめる。
その瞬間。
葛葉がローレンの服を掴む。
ぐしゃっと。
「……っ……」
声にならない。
喋れない。
呼吸が乱れて
涙が止まらない。
ローレンは背中を撫でる。
『……いいよ』
『泣きな』
その一言で。
葛葉は完全に崩れる。
「……っ……!」
肩が大きく震える。
涙が止まらない。
ローレンの胸に顔を押し付ける。
ぐちゃぐちゃに泣く。
声にならない嗚咽。
「……っ……っ」
ローレンは何も聞かない。
ただ抱きしめる。
頭を撫でる。
『……大丈夫』
葛葉はローレンの服をさらに掴む。
離れないように。
「……ふぅっ、……、っ……」
息を吸うたびに
しゃくっ
しゃくっ
嗚咽が漏れる。
ローレンは優しく言う。
『……喋らなくていい』
『今は』
『泣いときな』
葛葉は頷くこともできない。
ただ泣く。
涙でぐちゃぐちゃになりながら。
ローレンの肩に顔を埋めて。
数分。
いや、もっと。
ずっと泣く。
ローレンはずっと抱きしめている。
背中を撫でる。
『……くずは』
小さく呼ぶ。
葛葉は少し顔を上げる。
目が真っ赤。
涙がまだ溢れている。
ローレンは額を軽く当てる。
『……よく頑張ったな』
その言葉で。
葛葉の涙がまた溢れる。
「……っ……」
声が出ない。
でも伝わる。
ローレンは優しく抱きしめ直す。
『大丈夫』
『俺いる』
葛葉は震える手でローレンの背中を掴む。
ぎゅっと。
離さないように。
ローレンはそのまま
ゆっくり背中を撫で続ける。
葛葉が落ち着くまで。
ずっと。
静かな夜。
恋人の腕の中で
葛葉はしばらくの間
声も出せないほど泣き続けていた。
コメント
1件
ああ、もうこの回泣いたわ……。葛葉が言葉にならずに泣き崩れる描写がリアルすぎて、こっちまで胸が詰まった。ローレンが何も聞かずにただ抱きしめて「よく頑張ったな」って言うところ、めちゃくちゃグッと来た。強がってた分だけ、ああやって誰かに全部預けて泣ける相手がいるって尊すぎる。2人の距離感がじんわり伝わってくるいいエピソードだった😭