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#fw受け
こ う
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16
夜の配信が終わったあと、通話はそのまま繋ぎっぱなし。
「は〜、今日も疲れたわ」
マイクをオフにして、葛葉は椅子に深く座り直す。
『くっさん今日珍しくミスってたな』
「は?してねぇし。お前の見間違いだろ」
『いや普通にしてた』
軽く言い合いながらも、いつもの空気。
ふと、ローレンのカメラ越しの顔に目がいく。
「…なあローレン」
『ん?』
「お前、唇やばくね」
『は?』
ローレンは一瞬きょとんとしてから、自分の唇に軽く触れた。
『あー…乾燥してるかも』
「かも、じゃねぇだろ。めっちゃカサカサしてんじゃん」
『そんな見える?』
「見える」
即答。
ローレンは少しだけ苦笑した。
『まぁ、配信中ずっと喋ってたしな』
「ケアしろよ、普通に」
『めんどくさい』
「ガキかよ」
呆れたように言いながら、葛葉は机の上からリップを手に取る。
無意識にキャップを外して、自分の唇に軽く塗った。
『くっさん、それ自分用だろ』
「当たり前だろ」
そう言いながら、葛葉は立ち上がる。
カメラの前から一瞬消えて——
次の瞬間、ローレンの部屋のドアが軽くノックされた。
『……は?』
「開けろ」
短い一言。
ローレンがドアを開けると、そこにはさっきまで画面越しに見ていた葛葉がいた。
『いや来るの早くね?』
「近いんだよ、俺の部屋すぐそこだろ」
そう言って、ずかずかと部屋に入ってくる。
ローレンが呆れたように笑う間もなく、葛葉はそのまま距離を詰めた。
『ちょ、くっさ——』
言い切る前に、顎を軽く掴まれる。
「動くな」
低く言われて、ローレンは反射的に動きを止めた。
次の瞬間、唇が重なる。
さっき塗ったばかりのリップの感触が、そのまま移るようなキス。
軽く触れるだけじゃなく、少しだけ押し当てるように。
数秒して、ゆっくりと離れる。
『……っ、は?』
完全に思考が止まったローレンを見て、葛葉は平然とした顔で言った。
「ほら、保湿」
『いや意味わかんないんだけど』
「リップ塗るのめんどいんだろ?これでいいじゃん」
『よくねぇよ』
即ツッコミ。
けど、さっきより明らかに唇の感触が違う。
無意識に指で触れてしまう。
『…いや、確かに潤ってるけどさ』
「だろ」
どこか得意げな葛葉。
『方法がバグってんだよ』
「別に減るもんじゃねぇし」
『いや減るだろ、色々』
呆れながらも、ローレンはため息をつく。
けどその目は、少しだけ楽しそうだった。
『…くっさんさ』
「ん?」
『それ、誰にでもやってんの?』
その問いに、葛葉は一瞬だけ眉をひそめる。
「は?」
『いや、そういう距離感バグってるからさ』
少しだけ探るような声。
葛葉は短く舌打ちして、ローレンの頬を軽くつついた。
「お前だけに決まってんだろ」
『……』
一瞬、言葉が止まる。
「他にやる理由ねぇし」
ぶっきらぼうなその言い方に、ローレンは少しだけ目を細めた。
『…そっか』
「なんだよその反応」
『いや別に』
そう言いながら、ローレンは一歩だけ近づく。
『じゃあさ』
「?」
『もう一回やってよ』
少しだけ低く、いつもより柔らかい声。
葛葉は一瞬だけ黙ってから、小さく笑った。
「は、調子乗んな」
そう言いながらも——
今度は自分から、ローレンの唇に触れにいった。
コメント
1件
「保湿」読了……いやこれ、完全にやられたわ。 配信終わりのだらっとした空気感から、くっさんがリップ塗ってきて、「保湿」って言い放つ流れ、脳が追いつかんかった。あの強引さなのに相手の反応ちゃんと見てるバランス、くっさんらしさ出てるし、ローレンの「誰にでもやってんの?」からの「もう一回やってよ」って駆け引き、完全に惚れ合ってるやつじゃん。TL作品でも心理描写が丁寧で、距離感の変化がじわじわ染みたわ。甘噛みさんの空気感、本当に刺さる🔥