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???「辛いものフェス……ですか?」???「あぁ「鬼灯町」で開かれる行事なんだ」
「橙」は、「兎白」の家に招かれていた。何故かと言うと「兎白」に相談をされるため。その相談は「辛いものフェス」のことである。
橙「何ですか?その「辛いものフェス」って」
兎白「まぁ簡単に言えば、それぞれ辛いものが名物の店が商品を出し合って競うフェスのことなんだよ。」
橙「なるほど……それで私は何かするんですか?」
兎白「父さんの知り合いの人が店を出すんだが、店員が二人足りなくて、俺も手伝うことになってるんだ。それで……」
橙「欠員分を私に補って欲しい……と」
兎白「どうだろうか?無理しなくて良いんだが……」
橙「兎白さんにはいつもお世話になってますし、良いですよ!」
兎白「本当か!良かった……」
橙「でも、雨花さんや桃時さん、瑠璃人さんでも良いのでは?」
兎白「雨花は前に接客には向いてないと言っていたからやりたくないだろうし、桃時は忙しなく働くことに慣れてないだろし、瑠璃人は……失礼な言動を行うのではないかと……な……」
橙「あぁ……なるほど」
兎白「何だか差別をしているみたいで申し訳ないが、あの店の店長はかなり闘争心の強い方で、優勝目指して突っ走る人なんだ。だからそのスピードに付いていける者じゃないといけないんだ」
橙「分かりますよ。差別だなんて想いません。兎白さんもそれほど真剣ということなのでしょうし、やりましょう!」
兎白「あぁ助かる。ではこの日程で……」
果たして無事に「辛いものフェス」を終えられるのか。
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橙「ここが会場なんですね。辛い匂いがすごく漂ってます」
兎白「担当するお店はこの辺りにあるんだが……」
???「うーん!美味い!」
橙「この声は……」
???「おっちゃん!もう一杯!」
兎白「お前は……!」
「「雨花!!」」
雨花は辛いスープをごくごくと飲んでいた。
雨花「あ〜れ?二人共何でいるの?」
橙「それはこっちのセリフですよ!」
兎白「お前が自らイベント事に参加するなんて珍しいな」
雨花「ふっふっふっ!このお店結構遠くにあるお店だからこのフェス限定で近くに来たみたいだから行ってみたんだ〜」
橙「しかもこのお店……!」
兎白「俺たちが担当するお店じゃないか!」
雨花「へぇ〜お手伝いでもするの?」
橙「えぇ。このお店の手伝いを頼まれまして……」
雨花「大変だねぇ〜」
「姉ちゃん」
兎白「あっ!店長」
橙「よろしくお願いします。橙と申します」
「あぁ君たちか!よろしくな!それにしてもその黒髪に紫のインナーの姉ちゃん!」
雨花「ん?私ですか?」
「君すごいな!うちの店はこのフェスの中でもかなり辛いで有名なんだが、もう十杯以上食べてるじゃないか」
橙「確かに……」
雨花の机の上にはスープの皿がいくつも乗っかっていた。
雨花「だって美味しいので!辛いもの好きなんです!わたし!」
「よし!どんどん食ってくれ!このフェスで競うのは商品の消費数だから、お金はこっちが出そう!いくらでも食ってくれ!」
雨花「マジですか!やったぁ!食べる食べる!」
橙「じゃあ私たちも早速手伝いましょうか」
兎白「そうだな」
雨花は次から次へと辛いラーメンやスープ、炒め物、どんぶりを頼んでいった。そして……
「姉ちゃん!ありがとう!姉ちゃんのおかげでかなり上位に食い込めた!」
橙「すごいですね!雨花さん!」
兎白「ありがとう。雨花」
雨花「ううん!もう満腹だよ〜美味しかった!」
そして、とうとう結果発表
橙「私たちは休むように言われたので、結果発表の場には行きませんでしたが、大丈夫でしょうか……」
兎白「お気持ちを頂いて、とにかく今は休もう」
雨花「あぁ辛いのって何であんなに中毒性があるんだろぉ♡」
橙「私たちの中で辛さに強いのは雨花さんでしょうね」
兎白「間違いないな」
「……い〜、お〜い〜」
橙「あっ帰ってきましたね!」
兎白「どうでしたか?店長のお店は……」
「なんと……」
「「一位だってさ!!」」
橙・兎白「え」
「「えぇぇぇぇ!?!?」」
雨花「でも、競うのは商品の消費数……裏でいくらでも図ることくらいできるのでは?」
「そういう奴が毎年出るから、今年はより力を入れて会場内に私服警備員が巡回してる。だからその心配はしなくて大丈夫だ」
雨花「あぁそこはしっかりしてるんですね」
橙「ていうか雨花さん?そういう悪いことを何でそんな簡単に思い付くんです?」
雨花「あはは!ごめんね!」
兎白「でも、そうやって悪いことを考える人がいるから防止もできる。あながち悪いことを考えることが悪い方面にいくとは限らないんじゃないか?」
雨花「どやさァ」
橙「雨花さんは悪いことに使いそうですけどね……?」
雨花「えぇ〜どうだろうね〜」
橙「もう……はぁ……ふふっ」
兎白「今は素直に喜ぼう!」
「本当に君たち。ありがとう!」
こうして、「辛いものフェス」は終わりを告げた。