誰もいない教室
風で靡くカーテン
夕日が窓から差し込み、教室はオレンジ色に染まっていた。
そんな教室で1人黄昏る彼を見て、俺は不思議と
「綺麗だ。」
と思ってしまった。
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「1.初恋」
「みんなおっはよー!」
朝、教室に着くと元気に挨拶をし、友達の元へと駆け寄った。
「天乃、お前ほんとうるさいな。」
そういって、よんでいた本ぱたんと閉じ、目を離して俺に話す。
「うるさいじゃなくて元気って言ってくれない?!」
俺はブーブー言いながららだぁの前の席に腰を下ろす。
そんな俺を見てらだぁは苦笑しながらまた本を開き視線を本へと送る。
俺はこの朝の時間が好きだった。
今日はらだぁと何を話そうかと考えていると先生が
「朝の会やるから席につけー」
と言いながら教室に入ってきて、みんながバタバタ席につき始めた。
俺はその様子を見ながらも後ろにいるらだぁを見ると、まだ本を読んでいて少し呆れた。
朝の会中ぼーっと過ごしていると後ろから背中をつんつん、と触られ誰だ?と思いながら振り向く。
まぁ後ろには1人しかいないんだが。
「どしたのらだぁ?」
らだぁが朝の会中俺に話しかけるのは珍しい。
なんたっていつも本ばっかり読んでるからね。
俺は嬉しい気持ちを少し抑えながららだぁに問いかける。
「ん、」
とその一言と共に紙を差し出された。
まさかラブレター!?と思ったが、こいつは恋なんかしなさそうだし、したとしてもラブレターなんて書くような柄じゃないだろう。
見ていいの?と聞くと首を縦に振られ、俺はそーっと折られていたメモ用紙を開いていった。
「え、」
思わず声を漏らしてしまった。
メモ用紙に書かれていた内容は
『俺、昨日一年二組の高橋さんに告られた。』
とのことだった。
俺は複雑な気持ちになりながらそのメモ用紙に
『そうか、よかったな!で付き合うの?』
とかいて後ろへ回した。
この時は気づいていなかったんだ。なんで俺はらだぁが告られたことを聞いて複雑な気持ちになっているのかなんて。
俺はその後1時間目の数学の時間丸ごと使って自分の気持ちについて整理し、考えた。
たくさん悩んだ結果、出た答えは
俺がらだぁのことを恋愛対象として好きだと言うことだ。
いざその気持ちを自覚すると恥ずかしくなって、俺は勢いよく机に頭をぶつけてしまった。
教室中にドン!!という大きな音が響き、クラスの視線は俺へと向けられた。
「…なんだ天乃、居眠りか?」
「あはは…」
居眠りだと思われ、数学の担当教師から問題を答えろと名指しで言われてしまった。
当然俺は話を聞いていなかったから答えられるわけもなく、どうしようと目を泳がせるしかなかった。
そんな俺に気づいたらだぁが後ろから答えを囁いてくれた。
「天乃、そこの答え-3。」
「え、えっと-3です!!」
「正解だ、次からはちゃんと授業内容も聞いておくように。」
らだぁのおかげで助かったと彼にお礼を言うために後ろを振り向くと彼は
「お前何寝てんだよ。」
と普段とは違う笑みを見せられ、俺はお礼を言うことも忘れて彼の笑みに目を奪われていた。
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