紫『ニコッ』
橙『ッ……』
橙side
紫『じぇーるーくんっ!』
橙『ん?あ、紫くんか…』
紫『何その言い方~』
橙『ええやろ、別に……』
紫『あ、ほらほら行くよっ!!』
橙『あ~……もう……』
俺は何故かこの人に気に入られてる。
いつも振り回されてばっかりだ。
でも、君には秘密がある。
ある、病気を持っていて、
“来年には生きられない”
なのにどうして、
そんなに平気でいられるんだろうか。
橙『なんでなん……?』
紫『ん?』
橙『どうしていつも』
橙『そんなに笑っとるん……?』
紫『暗い顔してたらみんな悲しくなっちゃうでしょニコッ』
橙『……』
君と俺の出会いは単純で
クラスで隣の席になった。
紫『よろしくねっニコッ』
この人、
何かを隠してるなって
思った。
紫『ねぇ、今度遊びに行こうよ!!』
橙『え、?』
紫『じゃあ決定!!』
紫『明日の11時、学校集合!』
橙『え、ちょ、!』
紫『また明日っニコッ』
〜次の日〜
紫『あ、!』
橙『……』
紫『来てくれたんだ~!』
橙『……で、どこ行くの』
紫『まずは、カフェでお昼ご飯っ!』
紫『ごーごー!』
橙『ん、うま』
紫『でしょでしょ?!』
紫『お気に入りなんだぁ~ニコッ』
紫『ねぇ、着いてきてくれる…?』
橙『別にええけど……』
紫『街がぜーんぶ見えるんだよ~!』
橙『綺麗……』
橙『ありがとなっニコッ』
紫『……』
紫『ねぇ、俺の秘密……知りたい?』
橙『秘密……?』
紫『そう、ひみつ』
橙『知り……たい……』
紫『俺ね、』
紫『もうすぐ死ぬんだニコッ』
橙『え……?』
紫『病気にかかってて』
紫『来年には生きられないって言われたの』
橙『……』
橙『どうして俺に話したの……?』
紫『みーんな俺のこと嫌うのに』
紫『橙くんだけは、俺に向かって笑ってくれたから、?』
橙『……』
橙『じゃあ、俺が、紫くんの残りの人生、』
橙『楽しくしたるっ!』
紫『……!』
紫『ありがとうニコッ』
それから何週間もの間
遊びに行って、思い出をたくさん作った
紫『ねぇ、橙くん!』
橙『どしたん?』
紫『明日ね、花火大会があるんだけど……』
橙『まじか!一緒行こうや!!』
紫『やったニコッ』
紫『早くしないと始まっちゃう!!』
橙『紫くんがたくさん買うから~……!!』
紫『だって美味しそうだったんだもん!』
ヒュ~~~~~
紫『あっ!!』
ドカ~ン
紫『綺麗……!!』
橙『ほんまやなぁ~ニコッ』
橙『来年も一緒に来ようなニコッ』
紫『……』
橙『……!』
橙『ご、ごめっ……!』
紫『ポロッ……』
橙『……ッ!!』
悲しませた
そう思った途端
君は俺の小指を
自分の小指で握って
紫『約束っ!!(ニコッ』
憎めないような笑顔で笑った
ある日、紫くんが倒れた
〜病院〜
ガラッ
橙『紫くん、っ!!』
紫『橙……くん……?』
橙『よかったぁ……』
紫『どうしたの……?』
橙『だって急に倒れたって……』
紫『スクッ』
紫『そっか(ニコッ』
橙『なんで笑うん?』
紫『心配してくれたんだなって思って(ニコッ』
橙『心配……するやろ…』
紫『ありがとっ(ニコッ』
紫『ねぇ、今日の夜……来てくれる……?』
橙『なんで……?』
紫『病気抜け出そうと思って(ニコッ』
橙『はぁ?!』
橙『だ、だめに決まっとるやろ!!』
紫『……そっか』
橙『大人しくしとって!!』
紫『うん……』
橙『じゃあ、俺、帰るな』
橙『ばいばい、』
紫『ばいばい……』
ガラッ
紫『……ポロッ』
紫『もう、俺……死ぬんだろうなニコッ』
ある日
俺がお見舞いに行くと君は
紫『はぁ、はぁ、』
紫『ゴホッゴホッカヒューーヒューー』
橙『紫くん?!』
死ぬ間際かのように
苦しんでいたんだ
橙『とりあえず、看護師さんを……!!』
呼びに行こうとした時
君は俺の裾をつかみ
首を横にふった
橙『は……ッ?』
紫『もうッ……いいッからッ……(ニコッ』
紫『ゴホッゴホッカヒューーヒューーハァ、ハァハァ』
橙『いや、呼んだ方が!!!』
紫『俺っ……ゴホッゴホッ』
紫『ヒューヒューー橙……ッくんが……ッ』
紫『好きっ……ゴホッゴホッカヒューーヒューー』
橙『……ッ!』
君は力を振り絞って、
俺に告白をした。
俺だって好きだ。
俺の方が絶対好きだ。
なのに
なのに
紫『来世はお嫁さんにッ……しッ……てッ……(ニコッ』
紫『パタッ』
君は目を閉じた。
橙『嘘や……』
橙『嘘……ッやッ……!!』
橙『う”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”!(ポロポロ』
橙『あぁ、紫くんが死んでもう1年か……ッ』
俺は夏祭りに来ている
隣に約束したあの子はいない
よく見える
少し、離れてるからちいさいけどw
そう
俺は今屋上。
紫くんに逢いに行くんだ。
『だめっ……!!!』
紫くんの声がした
振り返ると
紫くんはいない。
『絶対死んだらだめっ……!!!』
橙『……、笑』
橙『はいはい、わかりました、(ニコッ』
橙『来世は、』
『うん(ニコッ』
君は俺を見て
にこっと笑った。
いや、
わからない
でも
きっとそうしてたニコッ
いつだって君は
コメント
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わぁぁぁぁあ!! こういうのめっちゃすき...