「まぁ、僕が大阪弁話しとって、日本国が好きな理由はそんな感じやな」
いまだに目をキラキラさせながら僕の話を聴いとった阿香里達の締め括りとしてそう言った。
「だからそんなに炎土は親日派なんだね〜」
感心したように東海がそう言った。
「にしても、どうしてこんな突然僕に大阪弁話す事なんて聴きに来たん?」
初めから思っとった疑問をやっと解消できる時が来たわ。
「だって~、炎土クンってさ、日本語の大阪弁で話す時、何時もより流暢に話すんだもん。気になるじゃん」
阿香里曰くそんな事らしい。
ふと、腕時計に目をやる。
「!」
もうすぐ飛行機が出る時間だ。急がないと乗り遅れてしまう。
「じゃあ、ちょっと僕用事あるから!」
急いで僕は走り始めた。
これから日本国に行って、墓参りに行くんや。恵海と康彦の墓参り。
「まっとってな。おかん、おとん」
走りながらそんな事をぼやいた僕の口元は緩んどった気ぃした。