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余談が余談じゃない……((((殴 腹筋……もみたi(((( 運動神経ちょうだい?
〜○年前〜
変則的台子高校1年2組教室
ないこside
数学の授業中、ふと外を見ると青々しく光る木の数々、校庭を挟んで見える外の街並み、少し上を見ると絵の具を溶かしたような綺麗な青色のそらが見えた。授業自体は全く面白くないが外の景色を見ながら何かを考えるのは別に嫌いじゃない。そうやって、少し黄昏ていると先生の怒鳴り声が聞こえた。
「おい、いふ!!起きろ!!!授業だぞ!?」
「はい、はぁ〜い」
怒られたのはいふという男。生徒会長としてクラスの秩序を守るのも仕事だとか言われ、一応注意をしているが全く聞く気のないその態度。俺としては半分もう諦めているが、まだ教師陣は怒るつもりらしい。不良グループの隊長を務めており、生活態度もゴミのような、いふ。しかし彼の瞳はどこか濁っているようだった。自分の生き様を体現しているような生活しているのに何故だろうか?悪い事をしたくても出来ず、生徒から無条件に嫌われる俺としては理解不能だった。
授業が終わり、廊下に出ると走っている生徒が4人居た。どんなに面倒くさくとも注意しないといけないのが生徒会長、、、しょうがない注意するか。
「おい!!獅子組、校舎内は走っちゃ行けないだろ!!」
「ごめんな〜ないこ!!俺ら購買で限定品買わないと行けないんよ〜!!」
「ちょっ、!?」
俺に話しかける為なのか少しスピードを落とした獅子組の総長は話し終わったらいつの間にかスピードを早めさっさと購買の方に行ってしまった。獅子組とは最近出来たグループだった。構成メンバーは制服を着ないといけないようなイベントでも必ずジャージのりうら、明らかに高速破りの羽織りをはおり、喧嘩ばかりしているほとけ、喧嘩を始めたらどちらが気絶をするまで手を緩めない初兎、そんなはぐれ者ばかりを集めまとめる悠佑。たった4人だが、前に争いを挑んだ10人程度の集団が返り討ちにあってしまったようだった。しかも、対処したのは総長の悠佑のみだったようだ。まだまだ経験は浅いようだが実力は確かだった。そんな彼等は俺の事を生徒会長だとか真面目くんだとか特徴で名前を呼ばずはっきり「ないこ」と呼んでくれた。今までそんなヤツらが居なかったからなのか俺は彼等と仲良くしたい、、、なんて思ったりもしていた。
「うわっ、生徒会長可哀想〜」
「あんな、クズ共無視すればいいのに、、真面目だな〜」
俺は、別にアイツらを追いかけるのについて嫌だとか面倒臭いなんて思わなかった。本当に人というものは見た目だけで判断するよな。そんな奴らに教えてやりたい、俺は本当は真面目なんじゃなくて、やばい事だって沢山したいし、ピアスだってつけたいし、ネクタイだって緩めたい。そんなうわ言を考えながら俺はしっかり廊下の右側を歩き彼等を追い掛けた。
食堂の所を見渡すと一つだけ周りに誰も座らないテーブルがあった。そこの席に着いている4人の男たちはこっちに手招きをし、俺を席に呼んだ。
「ん、ないこ!これお前の分のカレーパン!ないこは食いしん坊だもんな。俺優しいから買ってやったで!!これでさっき廊下走ったの許してくれるか?」
「うっ、、、ゆ、許してあげるよ、、、」
「相変わらずないくんは食いしん坊だな〜(笑)」
顔は不良が故に怖いはずなのに童顔すぎてあまり恐ろしさがないなと感じる当たりこいつらに毒されているのだろうか。ニッコニコの笑顔で俺の名前を呼んだかと思うとコテンと音がなりそうに首を横にし、上目遣い気味にこちらを見る彼、そんな姿を見ると許してしまう俺は生徒会長失格なのだろうか。てか、そこの赤髪、何(笑)つけてんだ、笑うんじゃねぇ。
「お前らは、、、なんで獅子組なんて作ったの、、、?」
「俺らみたいな一人の奴を助けるため。俺らは、一人の恐怖がよく分かるから、少しでもそんなヤツらを助けたいなってりうらが提案してからみんながそれに納得したから、かな、、、?」
質問を投げかけるとはっきり答えてくれた獅子組の総長。その返答は光の矢のように俺の心に突き刺さった。生徒会長だからと周りから軽蔑された目で見られ、想像以上の期待をされ、両親、教師、同級生からの圧に押され、潰され掛けの俺。周りに自分の事を理解してくれる奴なんて居らず心だけはずっと昔からひとりぼっちな俺、、、俺も獅子組に入る事はできるのだろうか、?気付けば生徒会長らしからぬ考えをしており自分に困惑してると随分驚いた声で話し掛けられた。
「ちょっ、ないちゃん!?なんで泣いてんの??」
「ないちゃん、ど、どっか体調悪いんか??」
「えっ、ないくん!?りうら達なんか悪い事した!?」
赤髪、水髪、白髪の3人に言われ、初めて気づいた。俺はどうやら涙を流していたようだ。頬をゆっくり伝う涙に気づいたかと思うと、止めどもなく涙が溢れてきた。自分でも困惑してしまい、その場に居た全員がはてなマークを出したかと思うと、アニキこと悠佑が声を発した。
「お前ら、ちょっと午後の授業サボるか、、ほれっ、あっち行くぞ〜」
あっちに行くぞと指を指したその先は窓だった。何故扉ではなく窓なのか、午後の授業をサボるとはどういう事なのか、はてなしか浮かばない事実に困惑していると、フワッとした感触が襲ってきた。どうやら悠佑に所謂お姫様抱っこをされたようだ、周りで食事をしている人間の視線が降り注いだかと思うと、勢いよく窓を空いた音がした。ガラガラッ!と窓が音を開けたかと思うと、俺はいつの間にか空中に居た。悠佑は俺を片手で持ったかと思うと器用に壁の出っ張りやら配水管をもう片方の手で支えに使いスルスルと降りて行った。おいおい、食堂は4階だったんだぞ?何故あんな高い所から当たり前のように降りれるのだ??一歩間違えたら死にやしないかもしれないが重症まっしぐらなんだ。彼等の行動に驚いているとあっという間に地面に着いたようだ。
「ないこ、ごめんな?周りの視線が気になって、無理やり連れ出しちゃって、、でも、なんか泣いた原因があるんやろ?俺らに話してくれるか??」
不良とは思えない様な優しい声で話し掛けられ、耐えられなくなった。俺は大粒の涙を零しながら今まであった事、行ってきた事、本当は真面目くんを演じたくないだとか、泣きながら話したから聞こえづらかったかもしれないし、話のつくりがしっちゃかめっちゃかかもしれないのに彼等は最後まで聞いてくれた。時には背を手で撫でられ、落ち着いて喋ってくれていいいからだとか声をかけられ、俺は本当に全てを吐き出した。周りには情けない姿を見せたかもしれないが関係なかった。本当に全てを吐き出せ、俺の生きたい世界を否定せず、正しい友人関係を実現させてくれた彼等を前に俺は正直になることが出来た。ある程度話終わると、いつの間にか外は暗くなりつつあった。一体、俺はどれだけ話したのだろうか、そんな事を考えていると悠佑が話し掛けてくれた。
「ハハッ、今日はないこの話沢山聞けてよかったわ。、、、っても、まだ話し足りないか(笑)じゃあ、今日は俺の家でお泊まり会かな??」
その後俺らはカバンやらなんやらを教室に取りに行った後すぐに悠佑の家に行った。悠佑の家では悠佑お手製の手料理が振る舞われその出来栄えに思わず声を失ってしまった。本人曰く両親が全く料理をせず自分でやっている内に上手くなったそうだ。それにしては上手すぎではないだろうかまじで店開けるぞコレ。食卓を囲みながらみんなの話を聞き、話していくと所謂不良と呼ばれる獅子組を少し知れた気がする。彼等は根っからの悪ではなく、正義のために力を振るうような優しいヤツら。そんな事実に少し驚いているとお風呂をどうするかの話になった。ジャンケンの結果俺とアニキ、りうらほとけしょうの組み合わせになった。アニキと一緒になれずあいつらは文句を言っているがお構い無しだ。俺に本当の友達を教えてくれて、友情の素晴らしさを教え、本当の自分を見せていいと教えてくれた彼等、俺は獅子組に入り同じように活動していく事に決めた。
(余談だがアニキの裸はなかなかにエロいと感じたがそれ以上に腹筋がやばかったぞ。)