思った以上に冷静だ。
涙は全く出てこない。
そりゃ~、短い恋とはいえ、失恋したわけだし
ショックではあるよ?
それ以上に、照くんを応援したいって気持ちの方が大きい
私はやっぱ変わってるのかも笑
照〈あの、今日はごめん。〉
〈ん?何が?〉
照〈カフェ。約束してたのに。〉
〈いいよ。今度、奢ってもらうから。それより大丈夫だった?〉
そう送れば、電話がかかってきた
『もしもし?』
照『…今日はありがとう。紗羅も俺の話、聞いてくれた。2人でいろんなことを話せた。』
よかったじゃん。
『うん。』
照『俺、由衣には紗羅とのこと全部話そうと思う。』
そう言って、どのぐらいだろう。
ゆっくり、Jr.のころの話から、バイト、出会い、別れ、その後
全てを話してくれた。
話してくれたのは嬉しい。でも、それをまとも聞くのはちょっとまだ苦しいよ…
だって、さっき失恋したんだもん
照『それと、俺。しっかりとけじめついたから。』
『うん。』
照『紗羅には、しっかりフラれた。今は、旦那さんがいるんだって。』
『うん…って、え?』
照『紗羅、幸せそうだった。だから、まぁ、いっかなって思えた…』
だんだんと、照くんの声が小さくなっていく。
『そっか…。苦しいよね…。私には聞くことしかできないけど、今はその気持ち全部吐いちゃったら?』
『誰にも言ったりしないから。』
そういうと、電話の向こうで、
泣く声がした。
好きだったんだよね。
苦しかったんだよね。
真面目な照くんだから、自分を沢山責めたんだよね。
『よく、頑張ったね。』
私は小さく呟いた。