テラーノベル
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訓練場所は、庭の中央に決まった。
アオノは周囲に小型カメラを設置し、マサカゲは開始位置と退場区域を決めた。メバルはカキの手にできた傷を確認し、ミステーは少し離れた場所で二人の足元を見つめている。
カキは木剣を握りしめ、勢いよく構えた。
「いつでも来い、Kさん!」
K-Tは動かなかった。
「足」
「足?」
「開きすぎだ」
K-Tがカキの足を軽く蹴る。カキの重心が崩れ、身体が傾いた。
「視線」
K-Tの手が伸び、カキの顔を横へ向ける。
「相手を見る」
「見てるって!」
「剣を見ている」
カキは木剣の先を見ていた。
「剣の方が分かりやすいだろ」
「剣は嘘をつく」
ミステーがつぶやいた。
「動く前の身体が、本当のことを言う」
カキは余計に混乱した。
その後、K-Tは剣を振らなかった。
足の位置、膝の曲げ方、呼吸、視線。カキが少し動くたびに、K-Tは短く指摘した。
「肩に力が入りすぎている」
「踏み込みが大きい」
「戻りが遅い」
「声が大きい」
「最後のは関係ないだろ!」
「ある」
夕方になっても、カキは一度もK-Tへ打ち込めなかった。
ようやく解放されたカキは、庭に倒れ込んだ。
「剣を振ってないのに疲れた……」
メバルが水を渡す。
「剣術って、剣を振るだけじゃないんだね」
K-Tは木剣を下ろした。
「剣を持つ前に、立てないと話にならない」
カキは悔しそうに立ち上がる。
「明日もやる!」
「勝手にしろ」
K-Tはそう言って、家の中へ戻っていった。
その夜、カキは自分の部屋で、鏡の前に立った。
剣を持っていない自分の姿を見ながら、足の位置を何度も直した。
コメント
1件
うわあ、この回すごく好き……! カキくん、全然打ち込めなくて悔しいよね。でも「剣は嘘をつく」「動く前の身体が本当のことを言う」ってミステーさんの言葉、めっちゃ響いた。K-Tさん、基本を徹底的に教えるスタイルがかっこよすぎる。夜に鏡の前で自主練するカキくん、成長を感じる…次が楽しみです!
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K-Takasaka
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