カリムの父親の場合
「急に呼び出してごめんな!まず自己紹介からしようか。俺はカルム・アジーム。君の事はよくカリムから電話で聞いているよ。カリムと仲良くしてくれてありがとうな!」
「あ、私はユウ・コクブンジって言います。こちらこそ仲良くしてもらって有難う御座います」
「今日ここに来てもらったのは他でもない、ジャミルがオーバーブロットした件について、だ。従者の失態は主人の失態と同意義。迷惑を掛けてしまっただろう、怖い思いをさせてしまっただろう。すまない。謝って済む問題ではないと言う事は分かっている。1歩間違えれば、君は死んでいたかもしれないのだからな」
頭を下げたきちんとした謝罪。まさか上に立つ者がそう頭を下げると思ってなかった家臣達がざわめき出す。因みに何故ここに居るのかと言うと、家臣をよく思っていないカルムは魔力を持たない子供であるためそばにいる必要はないと言ったが万が一の為と言う事を聞かなかったからである。
「あ、頭を上げてください!私が勝手にやった事ですし…!」
「優しいのだな。今回の件、ジャミルだけが悪いのではない。こんなになるまで放っておいた俺やカリム、そしてホラを吹き込んだウラル(ジャミル父)だ。無いだろうが、ジャミルを責める事はしないでほしい」
「そんな事しませんよ!私は、ジャミル先輩が少しでも笑える様になったらって思って…」
嘘偽りはない、純粋な目。久々に見た本当の善意にカルムは笑い、目を細め、気に入った。と小声で言った。そんな中、家臣達の1人が偽善者が、と言った。
「……まあ、こんなのただの私の自己満ですけどね。偽善者と言われても仕方ないですよ。」
「おい、お前。カリムとジャミルの恩人に対してなんと言う口の利き方だ。」
「監督生もそんな事言うな!」
心底不愉快だ、と言わんばかりにその家臣を睨めつけるカルム。貶されたのになんの反論もしない、むしろ肯定しているユウにカリムは少し怒った様に声を荒らげて言った。
「や、だって事実ですし…カリム先輩が怒るって珍しいですね、なんか気に触る事言ってたらすみません。」
「………」
「__取り敢えず、話を戻そう。それと、お前達はもう仕事に戻っていい。」
「で、ですが!」
「いいか?これは命令だ。背くことは許さない」
「ひっ…し、失礼致しました」
「ユウ、カリム。そしてジャミルはこちらへ来なさい。」
「は、はい!」
慌てたように部屋を出ていく家臣達。全員が出ていったのを確認すると、ユウ達に視線を戻す。
「それで、何故反論しなかった?」
「えっ、と…さっきも言ったようにホントの事でしたし。それに、貶されたって言ってもあんなの皆思ってる事ですし…」
「ユウはもう少し自己肯定感を上げた方がいい。カリム、いい加減機嫌を治せ。気に食わないのは分かるが、それはこれから直させていけばいい話だろう。」
「……うん。わかった」
「ああ、それで、話の続きなのだが、カリムとジャミルを救ってもらった礼がしたい。何か欲しい物はあるか?なんでもいいぞ!」
「え、いやいや!!要りませんって!」
「何も無いならこちらから送らせてもらう」
「ピエ…」
助けて、という視線をジャミルに向ける。無理だ、諦めろと視線でそう返すジャミル。薄情者ー!!と心の中でユウは叫んだ
「えっと…えっと…じゃ、じゃあ…」
「じゃあ、なんだ?」
「その…ジャミル先輩の好きな物とカリム先輩の好きな物、食べてみたいです」
「…は?俺の、好きな物?」
「俺の好物はココナッツミルクだぞ!」
「それだけでいいのか?」
「はい!」
「ふむ。何故、それが欲しいんだ?」
「ジャミル先輩達の事もっと知りたいんです。仲良くなりたいから…って言ったら気持ち悪いですよね、すみません」
「全然気持ち悪くないぞ!監督生の好物知れば俺ももっと仲良くなれるのか!?監督生、お前何が好きなんだ?」
「私?私のは、なんだろう…まぁ、ここの世界にはない物ですよ。」
元の世界思い出しているのか、懐かしそうな、悲しそうな顔をするユウ。けれどすぐにパッといつもの笑顔に戻り、そんな事よりジャミル先輩の好きな物はなんですか?と言う。
「俺の好物はカレーだが…」
「じゃあカレーとココナッツミルク食べてみたいです!ココナッツミルクって私飲んだ事ないんですよけど、どんな味がするんですか?」
「…あ、ごめん、ボーッとしてた!ココナッツミルクは凄く甘いんだ!美味いぞー!」
「そうなんですね!私も甘い物好きなんで楽しみです!ジャミル先輩のカレーは辛口ですか?それとも甘口?」
「俺のは少し辛いくらいだな。俺のカレーはスパイスからこだわっているから普通のカレーとは比べ物にならないぐらい美味いぞ」
「わ、まじっすか!私辛い物もいけるんで楽しみです!」
「はは、じゃあカレーとココナッツミルクをユウの寮に届けるとしよう。」
「有難う御座います!!…あの、カルムさんの好きな物も良いですか?」
「……それは俺とも仲良くなりたいと言う解釈でいいか?」
「そ、うですね…嫌なら良いんですけど…」
「ふっ、はは!いいぞ、じゃあ一緒に送っておくな!」
「良いんですか!?やった!有難う御座います!」
「ユウは面白いんだな。そういえば、ユウはどこの寮に所属しているんだ?」
「あ、オンボロ寮です!」
「…すまん、聞こえなかった。もう1回言っくれるか?」
「オンボロ寮です!ゴースト達も居ますよ!」
「………これは学園長と少しお話をする必要があるな」
「まあそれはそれとして、ユウ。カリムかジャミル、どっちか選ん「父ちゃん!?」」
「なんだ?」
「なんだじゃなくて!何を急言い出すんだ!?」
「いや、こういうのは早くからアプローチする方がいいぞ。この様子だと、他の奴らにも気に入られているんだろう。リオンも気に入っているらしいしな」
「だ、旦那様!何故私もカリム様と一緒なのでしょうか?」
「俺はユウが傍にいてくれればいいからジャミルとけっこ「ストップ!」なんだ、カリム」
「ジャミルにだって監督生は渡さない!だから俺とする!」
「なっ…ふざけるな!監督生は俺が落とす!カリムなんかに負けるものか!」
「皆さん私の事落とそうとするのはなんでですか?」
「俺だってジャミルに負けない!俺が監督生を落とす!」
「聞けよ」
「喧嘩している2人は置いておくとして、とにかく、将来ここへ来てくれれば良いからな!」
「?遊びに来いってことですか?」
「うーん、まあ今はまだそれでいいか」
「?」
カリムの父親→名前:カルム・アジーム
性格:公私はしっかり分けている。公共ではお堅い人っぽいけど個人的な場所ではカリムっぽい。
名前は適当に決めました( ᐛ )横に並べた時めっちゃわかりづらw
カルムとリオンは仲がいい設定です。実際は( ‘ω’)シラネ
もう分かってると思いますけど主人公は愛され気質です.*・゚( ᐛ).゚・*.
コメント
4件
とても面白くて好きです!続き楽しみにさせていただきます(。ᵕᴗᵕ。)ブクマ失礼
ヴィルさんの親は一体どうなるんだろ…あっ初コメ失礼します