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なんかできたはなし 「きこえません。」一話

○○中学校の二年三組。今日は転校生が来る。私と同じで女の子。普通にうれしかったし、楽しみだ。

たくさんはなして、ご飯も一緒に食べて、勉強教えたりするんだ。お泊まりなんかして、ずっとなかよしでいるんだ。そう思うと、さっきよりもっとわくわくする。

「みなさーん、席について。今日は転校生がいますよ。では、はいってきてください。」

というと、少ししてガラッとドアを開けて髪型がボブの女の子がはいってきた。すごく細くて、かわいい。同じことを、今みんなが思っているだろう。すると、その女の子のお母さんっぽいひとがはいってきた。そのまま続いて、先生が口をひらいた。

「この子は谷口 咲良(さら)さんです。咲良さんは耳がきこえません。小さな頃からなので、しゃべることもできません。」

というと、みんながびっくりして、「え!」っていう声が教室に響いた。

『さらは耳が聞こえないけど、仲良くしてね』

と、手話でやり、お母さんが翻訳してくれた。

私は、最初はわくわくしていたけど、がっかりした。しゃべれないなら、たくさんはなせないし、ご飯もいっしょにたべたとしても、つまらないでしょ。勉強教えてもどこで止めたらいいのかなんていってくれなきゃわかんないし、残念。


授業は咲良ちゃんのお母さんが手話で内容を伝えてる。それを必死にみて、ノートをとっている。その姿を見て、なんだか複雑な気持ちになった。

「それでは班で自分の意見を話し合いましょう。」

イスを動かして、自分の意見を言っていく。

次は咲良ちゃんの番。すると、なにやら新しいノートをだして、ペンで何かを書き始めた。

『私は、~~だと思いました。ーーーーー…』

と、自分の意見をかいている。みやすい字で、わかりやすい。でも、そこまでしなくても、お母さんにいってもらえばいいのに。わざわざ自分がやって、褒められたいのかな。少し腹が立った。

「ただしゃべれないだけで…」

小さな声で独り言を言った。きこえてないでしょ。どうせ。よかったね(笑)

あーあ、私も病気になっちゃえばもっとたくさん心配されて、愛されて、、なんでこんな不平等なの。健康な子だって、辛いこいっぱいいるのに。小さいときからの病気ってだけでさぁ…


帰りのとき、咲良ちゃんのお母さんはいない。帰る時間は用事があるらしい。ひとりで帰るくらいはできるんだと。じゃあ、、ノートとるくらい、一緒でしょ。黒板写せばいいんだから。

…みんなに囲まれて、、、羨ましい。これなら帰るのおそくなっても………

「、、♪」

いいことを思いついた。これでこのいらいらは晴れるでしょ。私はノートをとって、言いたいことをかき、咲良ちゃんにみせた。

『今日の帰り、一緒についてきて。遊びに行こう!』

そしたら、咲良ちゃんはこくこく頷いて、いいよ!という意味で手をおっけーの形にした。

私は楽しみになった。最近のときよりわくわくした。そのときの笑顔は、陰で隠れていた。


『なんで誘ってくれたの?』

咲良ちゃんがノートをみせた。わたしは、そろそろ本当のことを言おうと思う。大声を出せば学校まで聞こえる、この場所で。

カキカキ

『いじめるためだよ』

そうかいて、みせた。そして覚悟を決め、学校から持ってきたカッターで、自分の腕を切る。

「?!」

咲良ちゃんはびっくりして、アワアワし始める。そんなの気にせずに、わたしは咲良ちゃんの手にカッターを無理やり渡す。

そして、『だれにもいったらだめだよ』とみせたあと、

「キャァァァァァァァァァァァ!!」

と、大声をだす。もちろん、咲良ちゃんにはきこていない。これも予想通り。すると、近くにいた友達がやってきた。その友達も、困惑状態。でも、すぐに状況把握をしたようで、咲良ちゃんを警戒している。すると、咲良ちゃんはノートにまたなにかをかいている。

『さらじゃないよ、この子が自分でやってたんだよ。』

とみせる。でも、私はすぐに抵抗する。演劇をやっていたから、演技は得意だ。

「ちがう!わたしはさらちゃんにきられたの!急に、『あなたがきらい』って!!」

というと、私に心配をして、肩を組んで、家まで送っていってくれた。咲良ちゃんは、呆然と立っていた。

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