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第8話「偽りの恋人 part2」
巨大なクルーズ船が、静かな海の上をゆっくり進んでいた。
豪華なシャンデリア。
音楽。
笑い声。
その中を、リノンと
クロロ=ルシルフル
が並んで歩いていた。
今回の任務は――
クルーズ船に積まれている宝石を盗むこと。
だが問題が一つある。
この船は完全招待制のパーティー船。
そのため、乗る条件は――
カップルであること。
つまりリノンとクロロは、
恋人のフリをして船に乗っている。
リノンは黒いドレスを着ていた。
小さなダイヤがいくつも付いていて、光に当たるたびにキラキラ輝く。
髪はハーフアップ。
いつもより少し大人っぽい。
そして隣にはクロロ。
黒いスーツ。
額には布。
耳には緑のイヤリング。
ネオンを連れ去った時と同じ姿だった。
リノンは小声で言う。
「団長」
クロロ
「なんだ」
「任務の話なんだけど」
クロロは静かに言う。
「ここでは団長ではない」
リノン
「え?」
クロロはリノンを見る。
「今は恋人だ」
「団長ではなく」
「クロロと呼べ」
リノンは一瞬固まる。
「……」
「えっと」
「クロロ…?」
クロロは少しだけ目を細めた。
「それでいい」
リノンは少し照れたように視線を逸らす。
「なんか慣れない…」
クロロ
「そのうち慣れる」
その時。
「ねぇ君」
突然、男が話しかけてきた。
「すごく綺麗だね」
「一緒に飲まない?」
リノン
「え?」
男はリノンに近づく。
「そのドレス似合ってるよ」
「彼氏いないなら――」
その瞬間。
クロロの腕がリノンの肩を引き寄せた。
906
1,463
「いる」
低い声だった。
男
「え?」
クロロ
「私の恋人だ」
男は少し困った顔をする。
「……あ、そうなんだ」
クロロは冷たい目で言う。
「近づくな」
男は慌てて去っていった。
リノン
「……」
「クロロ」
クロロ
「なんだ」
「助けてくれてありがとう」
クロロ
「当然だ」
「恋人だからな」
リノンは少しだけ照れたように笑う。
「任務だけどね」
クロロ
「そうだな」
しばらく歩いた後。
クロロが止まる。
「ここだ」
リノンはプレートを見る。
「スイートルーム…?」
クロロはカードキーをかざす。
ガチャ
扉が開いた。
中は広い。
豪華なソファ。
大きな窓。
海が見える。
そして中央には――
大きなベッド。
リノンは固まる。
「……」
クロロ
「どうした」
リノン
「ベッド」
クロロ
「一つだな」
リノン
「一つですね」
沈黙。
リノン
「問題あると思う」
クロロ
「任務だ」
リノン
「それは分かってる」
クロロはコートを脱ぐ。
「安心しろ」
「何もしない」
リノン
「それは信じてるけど」
「落ち着かない」
クロロは少しだけ笑った。
「可愛い反応だな」
リノン
「……」
その時。
コンコン
ドアがノックされた。
クロロが扉を開ける。
そこにいたのは――
🃏
ヒソカ=モロウ
ヒソカは楽しそうに笑う。
「やぁ♦」
「仲良くしてる?」
リノン
「ヒソカ…」
ヒソカは部屋の中を見る。
そしてニヤッと笑う。
「ベッド一つ?」
「いいねぇ♠」
クロロの目が少し冷たくなる。
「何の用だ」
ヒソカ
「挨拶だよ」
そしてリノンを見る。
「その子」
「ほんと気に入っちゃった♦」
その瞬間。
クロロが一歩前に出る。
「帰れ」
ヒソカ
「怖いなぁ」
ヒソカはクスッと笑う。
「じゃあね」
「恋人さん達♠」
ヒソカは去っていった。
扉が閉まる。
リノン
「ヒソカってなんでいるの…?」
クロロは窓の外を見ながら言う。
「おそらく」
「同じ宝を狙っている」
リノン
「ええ!?」
クロロは静かに言った。
「面白くなってきたな」