今は春…
出会いと別れの季節
そんな時期に歩道を歩いているのは入学式を迎えた学生達だろうか
そんな中で1つ異彩を放っている人物がいた
あの人物こそ、この物語の主人公
朱坂 蓮哉だ。
.
.
パシャッパシャッ
蓮哉「ふぅ…写真確認するか…」
俺は入学式を迎えたであろう学生集団の傍で桜吹雪が舞い落ちる風景を撮っていた
別に写真家ではない、いや?周りから見ると写真家なのか…??
まぁいい、俺はただ趣味で写真を撮っているだけだ
何十年も…彼奴を待ちながら
幼少期、俺には親友と呼べる友が居た
其奴はある時を境に行方不明となった
其奴の名は悠里
あの時の歳は確か21
俺にとっては年上でもあり年下でもあった
悠里は暇を持て余している俺に写真の撮り方を教えた
悠里は写真家という職業らしい、そのおかげか悠里がいつも撮る写真は綺麗だった
ブレもなく、ただ*綺麗*という言葉にしか表せなかった
俺達はいつも神社で待ち合わせをし、写真を撮っていた
悠里はあまり体が強くなく、遠くには行けなかったが楽しかった
そんな毎日を過ごしていたが
数十年後…突然として悠里が来なくなった
悠里の家にも行ったのだが…家はもう無くなっていた
それからずっと、俺は悠里を探す旅に出た
いつか会った時のために写真も沢山撮り…年号も数回変わった
そして令和の今に至る
蓮哉「はぁ…いつ会えるんだろうか…悠里よ…」
確か悠里の苗字は香藤と言っていたような気がする…
まぁそんな事覚えていなくとも顔で分かる
他の所に移るか
そんな時、1人の少年とぶつかった
(ドンッ)
「ッ……」
蓮哉「!す、すまない…怪我は無いか?」
「こ、こちらこそすいません…よそ見をしていて」
少年が顔を上げると、懐かしい顔があった
蓮哉「…悠里…??」
「へ…??」
蓮哉「ゆ、ゆうりなのか!?!?」
「な、なんで僕の名前を??」
その少年はゆうりと名乗った
優里「優しいに里って書くんです」
蓮哉「……?俺の知っているゆうりは悠に里と書く…」
優里「へ?それは僕のひいおじいちゃんの名前ですよ」
蓮哉「ひい…おじいちゃん…??」
訳が分からない、悠里が行方不明となってから…
…何年が経った…??
分からない…
蓮哉「そ、その悠里は生きているのか?」
優里「…いえ、僕が10歳の頃に亡くなりました」
蓮哉「…!亡く…え?」
蓮哉「…そうか」
そうだ…悠里は*人間*だ、俺と違って…彼奴には寿命がある
蓮哉「そうか…亡くなっていたか…」
優里「?どうしました?」
蓮哉「いや…何でもない、こちらの話だ」
蓮哉「…そうだ、悠里の事を聞けたんだ、何かお礼をしよう」
優里「い、いえ!!大丈夫です!」
蓮哉「お礼をしないと気がすまん(ムスッ)」
優里「そ、そうですか…な、なら先程撮っていた写真を見せてください!」
蓮哉「?何でだ?」
優里「ひいおじいちゃんがよく見せてくれたんです、それで…写真を撮るのが好きになって」
優里「技術的にはまだまだですけどね(笑)」
蓮哉「…そうか、幾らでも見せてやる」
優里「本当ですか!?ありがとうございます!」
そういい、優里は俺の隣に来て撮った写真を覗いた
優里「す、すごい!!綺麗ですね!」
蓮哉「そうか…それは良かった」
年齢や名前の漢字は違えど、顔や声は似ている…
蓮哉「(本当に悠里だ…)」
蓮哉「優里が良ければなんだが…写真の撮り方を教えようか?」
優里「いいんですか!?!?」
蓮哉「…あぁ、○○神社は知っているか?」
優里「はい!」
蓮哉「じゃあ…そこで待ち合わせをしよう」
優里「わかりました!」
蓮哉「ふふ…約束だ」
優里「はい!」
これから…どんな事が起きるのだろうか…
前の様に写真の見せ合いっこをしてもいいな…
ふふ…とても楽しみだ
コメント
11件
うむむむむむむッ♡ これループしてたら好き
良いわぁ…
人外と人間ッ…良きぃ…