第2話 「氷室の過去」
翌朝。
警視庁の資料室で、氷室はひとり過去の事件記録を開いていた。
【2018年 公安対サイバー犯罪課事件記録】
“コードネームEpsilon”
“天才ハッカー集団ノクターンの首領”
だが、そのファイルの下には、もう一つの名前が記されていた。
“Epsilon(本名不明)に協力していた少年ハッカー —— 氷室悠真”
氷室の手が震える。
「……あの時、俺はEpsilonを止めるはずだった。
でも……結局、俺は――」
扉が開き、黒瀬が入ってきた。
「昔のことを責めるつもりはねぇ。
けど、今のお前を信じることならできる。」
氷室は小さく笑った。
「ありがとう。……けど、これは俺が決着をつけるべきことだ。」
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