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推しには近づくな!

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推しには近づくな!

16 - 推しと仲直り

♥

16

2022年10月05日

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花を直接渡すことはできなかったけれど、気持ちは伝わったから、まあ、いいかな。

episode16

じーちゃん家の縁側に、俺たち二人は座って話をした。

「じーちゃんのこと思い出して、類さんはもう家族なんじゃないかって思えた。」

「素敵な人だったんだね…。」

「てか、類さんにじーちゃん家教えておいて良かったよ。まさか、わかるとは思わなかったけど。」

すると、類さんは俺の手をそっと握る。

「ショウにゃんがどこへ行ったって、僕は迎えに行くよ。」

そう言って俺に微笑んだ

「!…///そっか…///」

クソ…顔がいい…。

このあともずっと、類さんが俺の手を離すことはなかった。

「…でも、未だに分からないんだ。何でじーちゃんは何も見えないこの縁側に座っているのか。本人に聞いても、お気に入りだからとしか言わないし…。」

「…ショウにゃんにわからないんだったら、僕にもわからない。…でもきっと、おじいさんにとって、ここは特別だったんじゃない?」

特別…。

「わかんないや…。あの人の考えてることなんて。…もう帰ろう、類さん?」

「そうだね。」


類さん家はやっぱり、じーちゃん家と違う安心感があった。もちろんじーちゃんの方が安心するけど…。

「あ、類さん、あのさー…」

類さんの方に振り返ると、類さんは俺を思いっきり抱きしめた。

「え!?///」

「大丈夫。何もしないから。…だから、しばらくこうさせて…。」

何もすることができず、ただ頷いた。

いや、急すぎてびっくりするわ。

「…類さん、あのさ、」

「ん?」

「今日、ショウにゃんの配信だったんでしょ?…大丈夫なの?」

「…アーカイブ残るから平気だよ。」

なるほど。

オタクってすげーな…。


あれから、いつものように類さんとご飯を食べて、お風呂に入り、ベッドにもぐる。

なんか、いつもより全部暖かく感じたな…。

特別なことはしていない。なのに、なんだか嬉しい気持ちでいっぱいだった。

ベッドの中で、幸せな気持ちに浸っていると、ドアから類さんが入ってくる。

「あれ、ショウにゃん寝てなかったの?もしかして寝れない?」

「ううん。大丈夫。よし!寝るぞ!」

大きく伸びをすると、類さんもベッドに上がる。

「ショウにゃん、」

「ん?」

「…今日は本当にごめん。なんか、不安に駆られたんだ…。もしかしたら、ショウにゃんが僕の隣からいなくなるんじゃないかって…。ホントにごめんね。」

…謝りたいのはこっちのほうで。

勝手に類さんを悪人にして、自分で全て収める気だった。

先走ったのは、俺だ。

「…別に、もう気にしてないよ。…てか、俺明日学校だから、もう寝ないと…!お休み類さん!」

謝りたいけど…なんか言えない…。

俺は無理やり話を切って、類さんに背を向ける。

「え!?やっぱ、怒ってんじゃん!!ごめん!反省してるよ〜!」

「怒ってないって!おやすみ!」

「何でショウにゃ〜ん!」

「うるさい!!!」

類さんに枕を押さえつける。

「ブフォ!」

「あははw何だよその声!!…ブフェ!」

腹を抱えて笑っていると、返り討ちか枕が顔面に押さえつけられた。

「…やったな…?…コルァ!!」

「わあ!?やめて!ショウにゃん!あははwくすぐったいw」

俺たちは二人して、無意識に笑っていた。

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