学校から帰り、すぐに🦁の部屋に行った
プリントを置くため、と
今の状況を知るため
コンコンッ
桃「入るよ~」
ガチャッ
部屋に入った瞬間、俺は言葉を失った
当たり前だ、床にはたくさんの賞状が
置かれていた
合唱コンクール金賞
バスケ大会MVP
習字コンクール特選
自由研究最優秀賞
俳句中学生の部 特別賞
他にも数え切れないほどあったが
俺の目に映った賞状が1番衝撃的だった
『絵画コンクール 特選』
幼少期は絵が大嫌いだった弟だった
いつ、成長したんだろうか
俺はその努力を、褒めただろうか
いや、その努力に気づいてただろうか
もう答えは決まっている
気づいていなかった
末っ子の世話や看病に夢中で
不安もストレスも努力にも、その果て、賞状も
気づいてあげれてなかった
なんだか過去の自分を恨みたくなった
隣でベットで眠っている🦁の頭をそっと撫で、
机にプリントを置き、置き手紙を置いて1階に降りる
一階には末っ子💎が寝ていた
地震の疲れと、不安が押し寄せてたのだろう
流石にもう身長は高いから、タオルをかけてキッチンに戻る
皿などが無事なのを確認し、とあるところへ向かう
チーン…
父の仏壇だ
父は末っ子が生まれて3ヶ月後に他界した
母は泣く気力も失っていた
当時、タヒという恐ろしさが分からなかった俺でも、母親が取り乱す姿にすごく怯えていた
そして、🦁も…母が取り乱す姿を見て、元気がなくなり、眠れなくなっていた
その姿を今、また見ている気がする
また、俺は弟を支えれなかった
でも…俺は兄だから
しっかりしないと、起き上がれ…
長男…桃!
だんだん睡魔が襲ってきた
日がだんだん落ちていく
階段をのぼり、右をむくと🦁、左をむくと💎の部屋がある
俺は🦁の部屋を通り過ぎ、横の部屋に入った
桃「ねっみぃ……」
桃「おやすみッ! 」
誰もいない部屋に呟き、俺は眠りについた
コメント
14件
この作品大好きです!
コメ失礼します! このアカウントを作る前から見させてもらってました…! 兎雪さんの作品が大好きです🎶 続きを楽しみに待ってます♪ 主さんの無理のない範囲でがんばってください!