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午後5時。
また、いつものスピーカーが鳴る。
『これより、議論時間を開始します』
『終了は、5時30分です』
えとさんが、すぐに話し始めた。
「私的には、真占い師はうりでほぼ間違いない、」
「じゃっぴが狂人だって判明した以上、るなが必然的に村人陣営なのは確定するし」
「たつやは白黒の判別ができないけど、」
「…るなが吊り誘導してたもふくんは、黒の可能性が結構高いと思う」
「ヒロくん、シヴァさん、どぬ、のあさんの中に、1〜3人、人狼がいる」
「じゃっぴの、のあさんへの白出しから、__」
「私は、のあさんを吊りたい」
そこまで一気に言い終えて、えとさんは視線を下に向けた。
のあさんは、えとさんの話を静かに聞いていた。
「…だけど__最後にもふくんの吊り推しをしたのは、私なんだよ、」
のあさんは、一泊間を置いて、話し出した。
「私があのとき、自分が生き残るために、もふくんとのライン切りをした__って言いたいなら、分かるけど、」
「今のえとさんの話は、矛盾するよね…」
えとさんは、少し考えて、こう言った。
「だけど、もふくんかのあさんのどっちかが人狼なのは、確実だと思う…」
「もふくんが吊られたことで、ローラーした方が安全な気もするし、」
ローラー。
その言葉が、やけに重く感じる。
「ローラーって…」
のあさんは絶句した。
「私は、ローラーなんてしたくない…たとえそれが、私以外の人だったとしても、」
えとさんは、一瞬言い淀んだが、すぐに言う。
「だけどそれをしなきゃ、村側に安全なんて来ない」
「残酷かもしれないけど、確実なのは、ローラーだよ」
俺は、そんな二人の会話を聞いていた。
そして、必ず意識して心がけていたのは__
自分が、真占い師になりきることだ。
「村側に安全なんてない。それに__」
「俺の推測では、今人狼は二人以上いる」
「ここでえとさんを吊らなきゃ、盤面的に、詰む」
俺は淡々と話す。
「私は人狼じゃない。みんな、じゃっぴに騙されないで、!」
「__人狼じゃない証拠が無いだろ」
俺は、〝疑われている人間が最も言われてほしくないであろう言葉〟を放った。
「証拠がない。証明ができない…誰からどう信用を得るの?」
「……それを言うなら、じゃっぴも同じだよ」
「…何が?」
「占い師が二人出てきてる時点で、じゃっぴが本物の占い師だっていう証明はできなくなるでしょ」
「そうかもしれないけど、俺は一度、黒を出してる」
「占い師として、ちゃんと仕事してると思うんだけど」
全部、嘘。
これは、不完全ながらも、占い師になりきった人が勝ち。
えとさんの表情には、焦りが浮かんでいた。
「それが嘘の結果なんだから、全く意味を成さないじゃん」
「__だから、さっきから言ってるよね」
「それを証明しないと、意味を成さないんだって」
「えとさんが本当に騎士なら、今晩だけでも、騎士の護衛を成功させられるといいね」
「___まあ俺は、えとさんに票を入れるけど」
一瞬、その場が静まり返った。神様でも通ったのだろうか。
いや、神様が存在するなら、こんな残酷なことはさせないはずだ。
もしかしたら、神様も、残酷なのかもしれない__。
「じゃぱぱさん、えとさん、のあさん、うりの4人以外から何か言うことがあれば…言った方が良いんじゃない、?」
次に口を開いたのはどぬだった。
「俺自身は、誰を信用するべきか、もうよく分からないけど…」
と、続けて言う。
「俺は、〝その4人〟は、今日は吊らなくて良いんじゃないかって思う、」
ヒロくんは、少し迷いを見せながらも、言った。
「じゃっぴの言ってることが本当だとしても、その4人が〝最大の情報源〟であることは、間違いないと思うから…」
「俺も、同じこと思ってた」
今度はシヴァさんが言う。
「付け加えるなら、うりが白出しをしたるなさんも、吊らなくて良いんじゃないかな」
「そうだね」
つまり…、とヒロくんは考える仕草を見せる。
「今日吊るのは、俺(ヒロくん)、シヴァさん、どぬの三人のうちの誰か…ってことになるね」
『議論時間は残り10分です』
機械音声が、流れた。
「10分で決めろってか……」
シヴァさんは舌を噛んだ。
「三人の中で、誰が怪しいとか、心当たりあるんですか…?」
のあさんは、恐る恐る聞いた。
「俺は__どぬが、怪しいと思う」
シヴァさんは言った。
「__え」
「どぬは、何かずっと怖がってばかりで、当たり障りない発言しかしてない」
「当たり障りないって…あんまり目立ちすぎても、怪しまれるだけだと思ったから…」
どぬは必死に弁明しようとするが、シヴァさん本人には、届かなかったようだ。
「それが、余計に…吊られるのを恐れてる人狼っぽく見える」
「そんな…」
「ごめん、だけど__やっぱり、どうしても……。」
「反論があるなら、言って良いけどさ」
『議論時間は、残り5分です』
どぬは、きゅっと口を固く結んだ。
そして、間を置いて、話し始める。
「俺は…みんなのことが、凄いと思う」
「最後まで、何もできなかった、意見も持てなかった俺と比べれば…」
「凄いと思う」
「それって、どぬは自分が吊られるのを受け入れる、ってことでいいの?」
ヒロくんは聞いた。
「そんなことは、思ってないよ」
「だけど、シヴァさんの言ったことが、〝正しすぎるから〟__」
「俺は、人狼じゃない。けど、証明はできない」
どぬは、ちらりと俺の方を向いた。
どくんっ、と、心臓が飛び跳ねそうになる。
〝証明をする〟ということが、どれだけ難しいのか__
俺は何となく、理解した。
『5時30分。投票を開始します』
また、機械音声。
iPadが一斉に光った。
指が、重い。
俺は、??の名前を押した。
__結果。
「ごめん…どぬ」
シヴァさんは、震える声で、どぬに謝る。
「俺が、どぬを殺したようなものだ…」
「__それはそう」
「でも、頑張って、生き残ってね」
どぬは、跡形もなく消えた。
もう、泣いたり、嗚咽を漏らす人は居なかった。
__これで残るは、7人になった。
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【死亡者】 たっつん、ゆあん、どぬく、なおきり、もふ
【生存者】 じゃぱぱ、のあ、シヴァ、うり、えと、ヒロ、るな
【残り】 7人