この作品はいかがでしたか?
0
この作品はいかがでしたか?
0
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
続きから読むとわかりやすいです。漢字の読みがわからない場合は前の話を読んで覚えるか検索するかしてください。※ただし検索しても出てこない漢字もあります。
後一つの部屋は寝室だ。一台のネットも録画も出来る高いテレビと寝台、中央にちゃぶ台が有り、壁際には簡単な参考書や文房具のすべてが詰まった勉強机が有る。此の豪邸はとても綺麗で快適な処だ。(ところだ)
僕は1回で知らない自分の親と食卓を共にし、風呂に入って部屋に戻った。
―其の日は自分の親から貰った携帯で大好きな音楽を聴きながら寝てしまった。
雀の声が聞こえる。朝だ。だが全く動けない。音しか聞こえ無い。目の前に何が有るのか、何処に居るのかも解らない位、視界が真っ暗だ。僕は其の儘(そのまま)、意識を失ってしまった。
―何か、起こって居る。やけに騒がしい。一番大きく聞こえる音は―――救急車の音だった。静かに目を開けて、ゆっくりと起き上がる。周りを見て、やっと此処は病院だと言う事に気付いた。周りには誰も居ない、一人部屋だ。やけに豪華で広くて、もはやホテルの一室の様だった。無駄に着飾った此処は気味が悪く、吐き気がした。
――まただ、また、僕は倒れて―――。
僕にとって病院に搬送されるのは、一度や二度ではなかった。鬱病や、その他にも持病が有ったからだ。
――寝ても夢が見れない、寝れない時や一日中寝てしまう時が有る、肩凝りが酷い、涙が自然と出て来る、過呼吸に成り易い―――、3ヶ月前から、此の症状が酷く成って行った。
辰哉こと、タツは、辰哉の弟だった。タツは捨て子で、前の里親に拾われ、養子として生きて来た。里親はタツを愛してくれた。まるで自分の子の様に。末っ子の様に甘やかしてくれた。だが其んな或る日、タツはゲイだと言うことに気付く。里親には言えなかった。
今の親に言えば、失望されるかもしれない、真逆(まさか)自分達が一生懸命育てて来た子供が、育てた覚えの無いゲイだと云う事を知ったら、失礼だ。――そう思ってしまった。
だからタツは男と付き合っても別れても、いくらそういうことを無理矢理されても、親には相談出来ず、ずっと一人で抱え込んだ。其して遂に鬱病が発露してしまったのだ。其れからはもう、ずっと里親と話さなく成った。其んな或る日。
家に客が来た。小学校6年生の時だった。客は異常にニコニコして、僕を見付けると泣きながら抱き締めた。其して客は里親に此う言った。
「此の子は私の実の子です。此の子を、―――私に渡してくれませんか?」
――怖かった。知らない客が急に来て此んな事を云う。だが、何よりも怖かったのは―――
「全然良いですよ、最近少々手が掛かっていましてね。丁度此れ以上子育ては出来ないと相談していた状態だったんですよ。」
と、紛れも無い笑顔で其う云う、里親だった。
其の瞬間、ショックだったが開放された気分に成った。
――嗚呼、僕はゲイで良いのだ、と。もう里親に心配を掛ける事は無いのだ、と。
―――僕は、死んで良いのだ、と。
だが、其う思ったのも束の間、三週間後、本当にあの客が僕を引き取って行った。
連れて行かれたのは豪邸。其して其処には―――、
自分によく似た兄が居た。初めて兄が居る事を知った。
客には、其の客をお母さん、と呼ぶ事、其して兄のことを辰哉ではなく、兄様と御呼びしなさい、と、其う言われた。
其の日から、兄と同じ部屋で寝る事に成った。
兄様はとても優しかった。3週間程経っても、一向にお母さんとは馴染め無かったが、兄様とはとても仲良くなった。
兄様はよく此の家の話をした。此の家は「花篤家」としてお金持ちに知られて居る事、兄様は此の家で逸材だ、特別だと言われて育った事、小学生の頃から花篤家の「逸材」は家業をしなければならない、要するに働かなければいけないという事も教えてくれた。
兄様は「逸材」と呼ばれるのは素晴らしい事なのだと言った。其れと同時に「特別」は一般では無いと言われるから辛いと、狙われるから辛いと、殆ど全て語ってくれた。
だが、一つだけ、――其の”家業”というものだけ何んなものなのかは絶対に話してくれなかった。只、「辛いよ」とだけ。また、僕も詰めることはしようとしなかった。
兄様はタツの全てを認めてくれた。其して、兄様もゲイだよ、と、ゲイは悪いことでは無いんだよ、社会では最近少しずつ認められて来ているんだよとも教えてくれて、僕は立ち直ることが出来た、――筈だった。
其の日、兄様は塾に行って居て、僕は一人で帰っていた。だから、その時兄様が狙われていたことも知らなかった。
―――後に、「平市塾集団ガス中毒事件」(ひらいちじゅく)と言われる其の事件は、起きてしまった。
辰哉は殺されたのだ。
僕はまた失望した。
僕の周りには不幸が起きてしまうのだ、きっと、絶対、其うだ。
また、暗い闇に沈んでしまった。もう消えたく成った。
其れからずっと此の調子だ。倒れて、搬送されて、ずっと其の繰り返しだ。
ずっと此うなのが嫌だ。だが、其う思えば思う程、自己嫌悪の連鎖に落ちて行くのだ。
仕方無く、寝ることにした。
――夢を見た。
里親と一緒にドライブしている。海に着くと3人で降りた。
気付いたら夕方に成って居て、里親と車は何処にも居なかった。だが、側にはお母さんが居て、笑って居た。其してお母さんは僕の手を連れて、何時の間にか其処に有った小舟に乗って居る、とても僕に似た子供を船から降ろし、僕を船に乗せて何処かに連れて行った。
とても僕に似た子供は、笑って居た。泣いても悲しんでも居なかった。
僕は只、沖へ沖へと向かっていくお母さんと小舟に、従うだけだった。
其んな、何とも言えぬ、夢だった。
夢から醒めると、隣にお母さんが居た。
お母さんはしばらく無表情で窓から景色を見て居たが、やがて僕に向かって振り向き云った。
「御免なさい。私、此れから、タツを育てる。前みたいに、別のものに時間やお金を割くなんて真似はしない。貴方は、辰哉だから。」
二話終わりだべぇ
いやぁ、明日漢検2級受けないといけないから焦ってる☆(勉強しろ
最近文ストと夏目友人帳にハマってるんだよなぁてか最近見るアニメ全部神谷さん出て来るww
神谷さん神だよね
はい、すみません、勉強してきます。
あと、腐女子または腐男子の皆さん!!!!!
此の物語の中の「其の日から、兄と同じ部屋で寝ることに成った。」っていうところ!!
もしかしたら…そういう意味かも…?違うけど…(??????????)
はいすみませんばいばい((