テラーノベル
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私は何をすれば良かったのだろうか、あの時の私の判断は正しかったのだろうか
………考えても何も変わらないのに
里に戻ろう
『ザクッザクッ』
華澄の足音だけが響く、
(……寂しいな)
地面に水の滴る音がした
「……あれ、まさかっ!?……… るる?るる…?」
反応はなかった。るるの体には無数の深い切り傷があった
「……るる……」
また地面は水に当たった。
るるの遺体は里の外れに埋めた。素朴墓も作った。私に出来ることなどこれぐらいしか無かった。
気づけばるるの簡素な墓の前で数十分ぼーっとしていた。
(これからどうしようか、 )
「……散歩でもしよう」
天狗の里はとある山にある鳥居で合図をしないと入れない、いわゆる隠れ里である。
その隠れ里には大昔、天狗の始祖がこの術をかけたらしい。この術は魔物だけじゃなくて虫すらも入らせない、そんなこの術にどうやって魔族は入ったんだろう?あの時の夜も魔物はいなかった。きっとまだ術は動いてたんだ。どこかで合図が漏れたか?
『ぐううううう』
………考えてたらお腹減っちゃった。何か狩りをしよう
あの魔獣でいいか
ふう、ひと狩りでも結構疲れるな、幼い身体だからかな?にしても魔獣って美味しいのかな…?一旦焼いて見るか…
焼き焼き中
うーん…見た目は良さそうなんだけど何故か全く食欲がわかない、なんでだろう?
とりあえず食べてみよう
『パクッ』
うーん、微妙な味だなぁ…決して不味くは無いんだけど、美味しいって言われたらそうでもない……タレとかかかってないからかな?ま、いいやさっさと食べよう
よし、ごちそうさまでした。これからどうしようかな……?とりあえず里に戻るか
ただいま、いつ見ても酷い有様だなぁ……やべ、ちょっと涙が……
「あれ?誰かいる?」
!?、女の声?誰!?魔族か!?
「やっぱり誰かいる?」
やばいやばいやばいやばい
「いた!生きてたんだ!って大丈夫!?」
「ひっ!はっはっはっはっ…」
やばい、過呼吸に…やばいやばいやばい
「大丈夫?呼吸を整えて、冷静に」
そう言って女の人は背中をぽんぽん優しくと叩いてくれた。
「はっ、はっ……ふぅー、……ありがとうございます…」
「よかったよかった、もう大丈夫だね」
「あの、お名前を聞いても?」
「私?私は夢莉叶依、あなたは?」
夢莉叶依?どこかで聞いたことあるような?
「私は璃稔華澄です。」
「璃稔華澄………?ああ、あの寺子屋の生徒でしょ?」
「そうですけど、なんで分かるんですか?」
「だって私記憶力いいし、」
「会ったことありますっけ?」
「酷いわねー、寺子屋の生徒がちょっと挨拶しに私に来たことあるじゃない。」
そんなことあったっけ?えーっと、えーっと。
あの時は違う人で……あの時も違う人で…
「あっ!あの里の守り神って言われている!?あの!?」
「ピーンポーンピーンポーン!大正解!私があの夢莉叶依よ。」
夢莉叶依さんは里でいちばん強い天狗と言われていた……はず。
「生きてたんですか!?」
「もっちろん!あんまり私を舐めないで欲しいわね!」
「でも、夢莉さんの家って確か里に入口近くでしたよね?確かあそこから攻めてきてた気がしますけど?逃げてたんですか?」
「失礼ね。もちろん応戦したわよ。でも数が多すぎて1人じゃ手が回らなかったのよ。その時に背中に何か特別な刃物で刺されて、マズイって思ったから盛大に自爆したわ」
「ああ、あの時の爆発音は夢莉さんだったんですね。」
「まぁそうね、それからわずっと気息を殺して逃げていたけど、」
「そうなんですね。」
「まぁね、まぁ話はこれぐらいにして、あなたこれからどうするの?」
「夢莉さん」
「何?」
「夢莉さんって里でいちばん強かったんですよね?」
「前まではね」
「それなら、私を強くしてくれませんか? 」
「!、いいわよ。でも、どうして?」
「家族の仇を打ちたいんです。そのためにも強くなりたくて。」
「なるほど、いいけど私はあまちゃんじゃないわよ? 」
「そのくらい大丈夫です。」
「分かった!じゃあ傷が癒えたらやろっか!」
「そんなに深いんですか?」
「何言ってんの?私じゃなくて、あんただよ。」
「へ?」
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おまけ
るるちゃんの〜?豆知識!
このコーナーはこの世界の豆知識を紹介してくよ!紹介するのは、あの世にいるるるちゃんです!
みんなは「魔物」と「魔獣」の違いって分かる?この違いは元々「獣」だったか、に由来するよ!魔物は魔力の濃度が高い場所に魔力の集まりとして生まれて死んだら魔力になるよ!、魔獣は元々は獣だった動物が魔力の濃度の高い場所に行くことで魔獣になるよ!死んだらちゃんと死体が残るよ!
どちらも魔力を持った特別な動物だよ!
それじゃあ今日はおしまい!じゃーね〜!
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