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そして俺達は、無言で進み続けた。

しばらくして、りゆ が自転車で横に並び、俺にこう言った。



りゆ「ねー、よしとくん…?今からどこ行くと思う??」

よしと「?… うーん…分かんない!w」

りゆ「あははっ、早いねww ま、それもそうか…」

よしと「ww じゃ、どこ行くの?」

りゆ「え…それは秘密! 言わないよっ」

よしと「えぇ!? 言って??」

りゆ「秘密だよ〜〜(知られたくないもん…!)」

よしと「…、分かった〜(そんなに秘密にしたいのか…?)」


   ・・・


りゆ「もうちょっとで着くよ!」

よしと「おぉ〜✨️」

りゆ「こ〜こ!」


りゆがそう言って指さしたのは、ザザザ―ッ…!  と波の音を立てる、海だった。

そう、俺達の家から35分ぐらいの所には海がある。

りゆが行きたかったのは、海だったんだ。美しい青色の海だ。


よしと「..綺麗だな…!」

りゆ「そうだね..!  私、よしとくんと一緒に行きたかったの。」

よしと「!…//」

りゆ「んでね、やりたいことがあるんだ〜!」

よしと「?」

りゆ「じゃじゃ〜ん!!!これ、何でしょう?」

よしと「釣り道具…?」

りゆ「そうっ!私、よしとくんと一緒に釣りがしたい! ってずっっっっと思ってたんだ!」

   「だから、この日を楽しみにしてたの!」

よしと「めっちゃ良いじゃん!…でも、りゆって釣り出来るってこと?」

りゆ「私? 大の初心者です。」

よしと「俺も俺も。じゃ、釣れないかもな〜」

りゆ「でも私は、魚が釣れた釣れなかったよりも、よしとくんと一緒に出来たってことが一番嬉しい!」

よしと「、、まだやってないってww」

りゆ「あはっ!そうだね〜〜 よし、やろーよ!」

よしと「そうだな〜!」

りゆ「じゃあ、自転車あそこら辺に置いていこっか!」

よしと「うん。!」



俺は思わず笑顔になった。それにつられるように、りゆ も可愛い笑顔を見せた。

俺も、りゆと一緒にいられて幸せだ――



りゆ「よしとくん、何でそんなに笑ってんの〜?」

よしと「! いや、何でもない!」

りゆ「そう..!(一緒にいれて、嬉しいとか…? そんなわけ無いか…、)」

よしと「早く置きに行こ?」

りゆ「うん!」



そして俺達は自転車を置き、海の目の前までやって来た。

間近で見る海は、キラキラと輝いていた。物凄く綺麗だ。



りゆ「この海で釣りするんだねー。」

よしと「うん――」

りゆ「楽しみっ!今日は思いっきり楽しもう!」

よしと「オォー!」

りゆ「オォー!!」


釣り開始だ! ….、…、餌を釣り針に付ける。

そこからも色々手順はあるが、りゆがササッと済ませてくれた。

その姿は、釣り好きのようにしか見えなかった。


りゆ「よし、出来たよ!」

よしと「….りゆ、ホントに釣り初心者??めっちゃ上手いけど。」

りゆ「っ….バレたか〜 私、釣り結構得意なの!お父さんとよく行くからさ〜」

よしと「だと思った!(意外だな…!)」


りゆ「よーし、釣るぞーー!」

よしと「オッケー!」


りゆ「…..」

よしと「…(りゆ、釣りとなるとめっちゃ無言! 好きなんだな〜)」

りゆ「あ! かかったかも…..!」

よしと「え!?早っ!?」



まだやり始めて数分しか経ってないけど、確かにりゆの釣り竿はピクピクしていた。



りゆ「よいっしょ!」



そう言って、りゆは魚を釣り上げた。小さな小魚のようだ。

釣れた瞬間のりゆ は、これまで見たことのない、輝かしい笑顔だった――



よしと「///(か、可愛すぎる….!)」

    「つ、釣れた!??」

りゆ「釣れた釣れた!わーい!釣れたよっ!」

よしと「凄っ.. めっちゃ早かったな!」

りゆ「嬉しい!美味しそうだし!」

よしと「食べるんだ?」

りゆ「もっちろん!、最初っからそのつもりだけど?」

   「魚美味しいじゃん!」

よしと「そうだな〜!」

りゆ「はい、どうぞ!」


りゆは、そう言って俺に魚を差し出した。


よしと「え?何で?りゆが釣ったのに…」

りゆ「よしとくんに食べてほしいから!」

   「私、絶対もう一匹釣る! よしとくんも頑張ってっっ!!」

よしと「!ありがと!頑張るわ!(りゆ、本気だ…!俺も釣るぞっ)」



俺はじっくり魚がかかるのを待った。

ずっと待った、待ち続けた。りゆも、同じように待ち続けていた―

この時間も、釣れた瞬間も、俺に取っては最高の瞬間だった。









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