コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
CASE 二郎
「ボスが2人を引き合わせた理由…?」
モモちゃんを保護し、四郎に世話係を任せた理由は、確かに不思議に思っていたが…。
だけど、そんな大袈裟な理由だとは思ってなかった。
この女は何処まで、僕達の事を知ってるんだ…?
「五郎君は今、治療を施せば治る状態です。動脈の動きを戻せばまた、彼は生死を彷徨う。」
「ふざけんなよ、女。」
「選択肢は2つですよ?後押しするか、しないかの。」
「おい、槙島。協力して欲しいって言えば良いだろ。」
女の言葉を聞いた男が、言葉を放つ。
「悪いな、二郎君。槙島はただ、協力して欲しいだけなんだよ。」
「ちょっと、和樹さん?」
「良いから、お前は黙ってろ。」
槙島と呼んだ女を静止し、和樹と言う名の男は言葉を続けた。
「こちらとしても、君達と揉めるつもりはないんだ。多くの戦力があれば、助かるのは本音だ。だから、君達にも力を貸してほしいんだ。」
和樹と言う男は優しい口調で説明するが、どっちにしろ莇を取り引きの材料としてる。
嫌な奴等だ、どいつもこいつも。
協力するフリをして、莇を助け、四郎とモモちゃんを守る。
コイツ等は敵だ、僕達Hero Of Justiceを道具のよう
に使おうとしてる。
気を緩ませ、隙を突いて殺してやる。
もう、僕の身内を傷付けてたまるかよ。
今は、この2人の信頼を得る事が先だな。
「…分かった、アンタ等に協力するよ。だから、莇を助けろ。」
「交渉成立と言う事で、彼を運びましょう。地下にいる薫君のJewelry Wordsの力を借りる必要がありますね。」
槙島と言う女性が呟いた瞬間、𣜿葉さんと1人の少年が現れた。
「は?え、え?どう言う事って、二郎?」
「𣜿葉さん!?何で、急に?」
𣜿葉さんとは、兵頭会に所属していた時に何度か顔を合わせた事がある。
だけど、急に𣜿葉さんが現れたた事に困惑してしまう。
「こんにちは、𣜿葉孝明さんと𣜿葉薫君で合ってます?」
「合ってるけど…、何これ?」
「私のJewelry Wordsの力で、貴方達を移動させました。早速ですか、薫君の力を貸して下さい。」
槙島の言葉を聞いた𣜿葉さんの眉毛が、ピクッと動く。
「あ?急に何だよ、アンタ。」
「五郎君の動脈を閉じるのに、薫君のJewelry Wordsの力がらいるんです。ほら、彼等は日本では死んでる存在ですから。普通に病院に行く事は出来ないでしょ?」
「五郎!?おい、大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ、止めてますから。だけど、私の力も無限じゃないので。」
そう言って、𣜿葉さんは莇の首元に視線を落とす。
「薫、頼めるか?」
「うん。」
薫と呼ばれた少年が莇の首元に触れると、赤い血液が細い糸状になって現れた。
血液の糸が莇の首元の傷口や動脈を修正して行く。
Jewelry Wordsの力は、本当に魔法のようなものだな。
この薫君って子の力を使えば、どんな怪我人や病気でも直せるんじゃないだろうか。
「おい、俺は芦間とやり合ってたんだが?」
「あぁ、あの人達は外に出しましたよ。」
「あ!?外に出しただと!?ふざけんなよ!!」
「だって、あの人。椿恭弥に殺されますよ?」
その言葉を聞いた𣜿葉さんは、言葉を失ってしまった。
「は、は?ど、どう言う事だよ。」
「いずれにせよ、遅かれ早かれ殺されますよ。」
「だから、説明になってねーよ!?ちゃんと、分かりやすく説明してくれ。」
「今はまだ、何とも。これから起こる事で、事態が変わると言う事です。」
槙島は言葉を濁しながら、𣜿葉さんに説明する。
神楽謎の男の事は、僕以外に言うつもりはないらし
い。
知られたらまずい相手なのだろうか…。
そう思っていると、窓の外から一筋の光を見つけた。
ゴンッ!!
鈍い音が鳴ったその瞬間、パリーンッと窓ガラスが割れたのだ。
カラン、カランッ。
どうやら石を投げられたようで、誰かが窓から侵入し
て来るのが見える。
僕は現れた人物とは顔見知りだったが、少し驚いてしまった。
「晶?!ここ、3階…だよ?どうやって、上がって…。」
カチャッ。
晶は僕に目を留めずに、槙島に向かってベレッタM92Fの銃口を向ける。
「やっと見つけた、ネネ。」
「…久しぶりね、晶。」
「どの面下げて、俺の名前を呼んでんだよ!!このクソ女が!!」
激怒した晶がベレッタM92Fの引き金を引こうと、指を動かそうとした時だった。
和樹が晶を止めようとベレッタM92Fを取り上げようとしたが、晶は和樹の手を捻り上げる。
「ゔっ!?」
「邪魔だ、退け。」
晶は合気道の技で和樹をひっくり返し、槙島に向かっ
て走り出した。
冷静さを失っていても、晶の動きは早い。
ボスが育てた殺し屋の1人だけど、晶はずば抜けたセンスがある。
槙島が晶に向かって蹴りを入れようと、腰を引くしたが、晶はその裏を掻くように槙島の背後を取った。
そして槙島の首に腕を回し、素早く裸締めをした。
グッ!!
まずい、晶は槙島を本気で殺す気だ。
「おい、晶!!今は、コイツの治療をしてるんだ。そ
の女に死なれた困る。」
「うるせぇぞ、二郎。俺の邪魔するな、お前も殺すぞ。」
「悪いけど、晶でも邪魔をさせてもらうよ。」
「あ?テメェ、俺に喧嘩売ってんのか?」
僕と晶の間に沈黙が走ると、槙島がヒールの踵で晶の足を踏み付ける。
ガッ!!
足を踵を踏まれた晶は苦痛の表情を浮かべるが、裸締めしている腕を緩める気はなかった。
槙島は肘を使って、晶の脇腹を強く突く。
ゴッ!!
「ゔっ!?」
「甘いね、晶。」
僅かな隙を突いた槙島は裸締めが緩まった瞬間、晶の鳩尾に拳を入れる。
ドカッ!!
晶はよろつきながらも、ベレッタM92Fの銃口を槙島に向けた。
カチャッ。
晶のこの怒りよう…、2人は昔からの知り合いなのか?
「おいおい、晶がここまで怒るって…。珍しいな。」
どうやら、𣜿葉さんも僕と同じ事を考えていたようだ。
「何しに来たの、ここに。」
「お前の姿が外から見えた。だから、ここで殺せると思って来たんだよ。」
「まだ、あの時の事を気にしてるの?晶。」
「忘れられるわけねぇだろ。お前が、目の前で俺の男を殺した事を!!!」
その言葉を聞いて、僕は驚いてしまった。
まさか、晶の恋人を槙島が目の前で殺したのか?
2人の関係がまさか、ここで分かるとは思ってもいなかった。
「何で、何で?!何で…っ、ヨウを殺したんだよ?!」
晶は顔を歪ませながら、槙島に向かって叫ぶ。
だが、槙島は言葉に耳を傾けずに懐中時計に目を向けている。
「そろそろ時間だ。悪いけど、今日はここまで。」
「あ?」
「バイバイ、晶。」
トンッ。
そう言って、槙島は晶の体を押し窓から突き落とした。
「おい、槙島!?何してんだよ、お前!!」
「晶なら大丈夫ですよ。それよりも、薫君。五郎君の方は?」
和樹の問いに答えた槙島は、莇の治療をしている薫君に声を掛ける。
「大丈夫だと思う…。」
「分かったわ。𣜿葉さん、薫君を抱えて。二郎君も五郎君を抱えて。タイムリミットが近付いて来たわ。急いで、ここから出るわよ。」
その言葉を聞いた僕は莇を抱え、𣜿葉さんば薫を抱き上げた。
「私のJewelry Wordsの効率が切れるわ。非常口の方から外に出ましょう。和樹さん、行きましょう。」
「おい、槙島っ、待てって!!」
タタタタタタタタタタタタッ!!
走り去った槙島と和樹の背中を見ながら、僕と𣜿葉さんば顔を見合わせた。
「あの女、ヤバくないか。」
「うん、晶の様子を見た後だしね。」
「兄貴…、もうアイツと戦わない?」
𣜿葉さんと話していると、眠い目を擦りながら薫君が尋ねる。
「あぁ、大丈夫だ。」
「そっかぁ…。」
「眠いなら寝て良いぞ。」
「うん。」
そう言って、薫君は𣜿葉さんの服を掴んで眠りに落ちた。
「𣜿葉さん、とりあえず出ましょう。」
「そうだな。五郎の事は、闇医者のじじいに見てもらえよ。」
「はい。」
僕の言葉を聞いた𣜿葉さんは、非常口のドアに向かって走り出した。
疑問を抱えたまま、僕もまた𣜿葉さんの後を追って走り出した。
CASE 四郎
23:00 ヒルトン東京
ホテルの近くに車を止め、俺達はヒルトン東京のホテル内に入った。
キィィィ…。
深夜近くなのに、ホテルのフロントには数人の宿泊客が受付しているのが視界に入る。
カチャッ。
三郎が村正の刀の取手部分に触れながら、周囲を警戒していた。
一般客に混じって、俺達を見てる奴等がいるな。
数人…いや、数十人か。
上の階とフロアに分かれて監視してる感じか、銃を使いたい所だが…。
無駄に騒ぎを起こしたくねぇな、ナイフで仕留めるか。
「三郎、刀はやめとけ。」
「俺が上の階にいる奴等を仕留めて来るよ。四郎
は…、モモちゃんを連れて来てよ。下にいた奴等が上がって来たら、まとめてやるよ。」
「了解、5分内でやれるよな。」
「当たり前。」
そう言って、三郎は手を振りながらエスカレーターに乗り込んだ。
「四郎、私の力使う?」
「お前は使うな。俺と三郎で、片付ける。俺の側を離れんなよ、モモ。」
「うんっ。」
ガシッ。
モモは喜びながら、俺の腕にしがみ付く。
動きにくいが、離れられるよりかはマシだと思おう。
フロントにある時計に視線を向け、さり気なく5分経つのを待った。
2階ー
2階に上がった三郎は、さり気なくポケットからナイフを取り出す。
自身のJewelry Wordsを使い、少し先に起きる事を予測する。
三郎の後を1人の男がナイフを構えながら、突いて来ていた。
タタタタッ、タタタタッ。
足音が1つ2つと増えて行き、銃やナイフを構えているのも三郎には予想出来ていた。
三郎は曲がり角を曲がり、素早く清掃室の中に身を隠す。
「おい、どこに行きやがった!?」
「この階に居るはずだ、探し出せ!!」
スーツを着た数人の男達が、いなくなった三郎の姿を探していた。
清掃室のドアを少し開けながら、三郎は近くにあった雑巾を数枚手に取る。
ソッと清掃室を出て、近くにいた男の口に雑巾を当て、首元をナイフで掻き切った。
ブジャァ!!
「ゔっ!?」
「静かにしててよ。」
ガッ!!
男の口の中に雑巾を押し入れ、清掃室の中に放り込む。
三郎は足音を消しながら、数メートル先を歩いてた男の口に雑巾を捻り込ませた。
「ゔぅ!?」
先程と同様に、三郎は男の首元とナイフで切る。
ブジャァ!!
「ぅっ!?」
男が倒れる前に三郎は、残りの男達がいる方向に向かって走り出す。
何かの異変に察知した男が振り返ろうとした瞬間、三郎は男の首元を素早く切った。
ブジャァ!!
「ゔっがっ!?」
ピチャッ。
「おいっ!?どうし…っ。」
隣にいた男の頬に返り血が飛び、男は慌てて振り返ろうとした時だった。
ガシッ!!
三郎は男の髪を乱暴に掴み、後ろから引っ張り、床に倒す。
「ガハッ!!ゔっぐ!?」
倒した男の口に雑巾を捻り込ませ、素早くナイフで首元を切った。
ブジャァ!!
ピチャッ!!
男の首元から噴き出した血が、三郎の頬に付着する。
三郎はポケットからスマホを取り出し、時間を確認した。
「よし、3分で片付いたな。2分で、コイツ等を清掃室に押し込まないと。」
乱暴に倒れている男達の髪を掴み、清掃室の中に男達を放り投げた。
CASE 四郎
5分経ったな、2階からの視線を感じなくなったな。
三郎が上手い事、片付けてくれたようだ。
「モモ、上に行くぞ。」
「うん。」
俺とモモが歩き出すと、数人の男が同時に歩き出した。
エスカレーターに乗り込み、人数を確認する。
5人か、少ないな。
2階に到着した瞬間に、モモを隠してから上がって来た順に殺すか。
「モモ、2階に到着したら、どこかに隠れろ。」
「えっ?あ、うん。」
モモは一瞬、理解出来てないようだったか、すぐに理解した様子だ。
2階に到着後、モモは近くにあった大きな植物の後ろに隠れる。
俺はナイフの刃を出して、男達が上がって来るのを待つ。
1人の男が上がって来た事を確認し、男の頭にナイフを投げ付けた。
ビュンッ!!
ブジャァ!!
「うがっ!?」
「テメェ、やりやがったな!?」
ナイフが頭に刺さった男を見て、後ろにいた男がナイフを取り出す。
俺に向かってナイフを振り下ろして来たが、男の後ろに周り足を引っ掛ける。
ドサッ!!
顔面から床に倒れた男の背中を踏み付け、ナイフを奪う。
「や、やめろっ。」
「黙って、死ね。」
そう言って男の髪を掴み、顔を上げさせ首元を出してから、ナイフで掻き切る。
ブジャァァ!!
「お、おい。これって、かなりヤバいんじゃ。」
「聞いてた話と違うだろ??!」
残りの3人が困惑しながら、倒れている男達に視線を向けていた。
「ほ、本当に死んでるっ…。」
「お前等、素人か。」
ズポッ。
男の頭に刺さったナイフを抜きながら、黄色のTシャツを着た男に問い掛ける。
「お、俺達は雇われただけなんだよ!!だ、だから、殺さないでくれよっ。」
黒のジャージを着た太った男が、俺に泣き付いて来た。
その瞬間、俺の脳裏にモモがJewelry Wordsを使う姿が映る。
「おい、モモ。」
ブシャッ!!
ドサッ。
太った男の右手首から血が噴き出し、床に右手が音を立てて落ちた。
「え?うわぁぁぁあぁぁぁあ!?お、俺の右手がぁ!?」
男は右手首を押さえながら、床に転がる。
「四郎に近寄るな、デブ。」
「Jewelry Wordsを使うなって、言っただろ。」
「だって、四郎の邪魔するんだもん。殺しても、良いよねぇ?」
太った男の体が膨らみ始めると、骨の折れる音が聞こえ出す。
「な、な、にご、れ?」
風船が膨らむみたいに男の体が膨張し、両目と鼻から血が流れ出した。
モモは笑いながら両手を広げて、パンッと手を叩く。
パァァンッ!!
ブジャァァァァ!!
男の体が弾け、辺りに肉片と血が飛び散り、男達に掛かった。
「「うわああぁぁぁぁぁあわあわあわ!!!?」」
男達は突然の出来事に驚き、腰を抜かして床に座り込みながら、吐き出した。
「お、おぇぇぇ!!」
「ゔっ、う。」
そりゃそうだ。
何にせ目の前で男が爆発して、血肉を浴びたのだから。
普通なら失神するレベルだ。
「あははは、風船みたいに割れた。ねぇ、コイツ等も殺すよね?」
「「ひっ!?」」
植物の影から現れたモモを見て、男達は悲鳴を上げる。
この2人からしたら、今のモモは悪魔に見えてるだろう。
「ちょっと、汚い殺し方はするなよ。騒ぎなったら、どうすんの。」
後ろから三郎が現れ、モモに注意した。
「モモちゃん?ここには一般人もいるんだよー?分かってるよねぇ?」
「分かってる。だけど、コイツ等が四郎の邪魔をするのが悪い。」
「それは同感。」
「同感すんのかよ。」
三郎とモモの会話を聞いて、思わずツッコミを入れてしまった。
「あれ?コイツ等、素人じゃん。素人を雇ってまで、俺達の足止めさせるとか…。切迫詰まってんなぁー、二見瞬って奴は。」
男達を見ながら、三郎が言葉を吐く。
「お、お願いします。こ、殺さないで下さいっ。」
「俺達、死にたくありません!!!」
男達が言葉を放った瞬間、再び脳裏に映像が走る。
バッ!!
俺はモモの手を引き、三郎も男達から距離を取る為に後ろに下がった。
エスカレーターを勢いよく駆け上がって来る佐助の姿が、脳裏に浮かんだ。
カチャンッ!!
三郎が俺の前に出て、村正を抜き構える。
「「お願いしまっ…。」」
バンッ!!
「邪魔。」
シュンッ!!
ブジャァァァァ!!
駆け上がって来た佐助が男達の頭を斬り落とし、素早い動きで三郎と距離を詰めて来た。
ビュンッ!!
キィィィン!!
佐助の攻撃を防いだ三郎は、俺の方を振り返る。
「四郎。コイツの相手するからっさ、先に行っててよ。」
「了解。後から、来いよ。」
「片付けてから行くよっ。」
「モモ、行くぞ。」
三郎に背を向け、俺はモモの手を引き廊下を走り抜けた。
23:45
キィィィン!!
後ろから三郎と佐助が、斬り合いをしてる音が聞こえる。
俺はエレベーターのボタンを押し、到着を待つ。
「三郎を置いて行って、大丈夫?」
「アイツは、そう簡単に殺されねぇよ。」
「三郎、強いもんね。」
「じゃなかったら、アイツを置いて行かない。」
ポーンッ。
ウィーン、ガジャン。
到着したエレベーターに乗り込み、最上階のボタンを押した。
四郎とモモがエレベーターに乗り込んだ事を確認した三郎は、佐助に声を掛けた。
「四郎を殺しに着たのかな?残念だけど、俺がいる限りは無理だよ。」
「どうでも良いね、そんな事。どうせ、みんな殺すんだから。」
「確かに、どうでも良いねっ。」
そう言って、三郎は佐助に向かって村正を振り下ろす。
キィィィン!!
佐助は涼しい顔で攻撃を止め、オレンジダイヤモンドの瞳を輝かせる。
シュシュシュシュッ!!
ブジャァァァァ!!
細い光りの筋が三郎の体に掠れると、触れた部分から血が噴き出す。
グラッと三郎の体が揺れるのを見た佐助が間合いを詰め、刃先を向けながら、三郎の脇腹に突き刺そうとした。
だが、三郎に佐助が次にどのような行動するのか、見えていたのだ。
グルンッ!!
三郎が素早く体制を変えながら、村雨の持ち替え、佐助の肩を突き刺さした。
ブスッ!!
ブジャァァァァ!!
「チッ。」
「残念、引っ掛かった。」
苦痛の表情の佐助を見て、三郎は嘲笑いながら舌を出した。