テラーノベル
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「ファラリスの雄牛…って聞いてもピンとこねぇか」
大柄な男はパニックになっていて何かを考えるということができなくなっていたらしい
さっき私が口の中に突っ込んだ金のネックレスのせいで息ができるかできないかギリギリな状態だった
「おっさん 助かりたかったらこの中入りな」
大勢の腕で支えられているのは牛の腹を裂き内臓を取り出した状態の空になった牛の体内だった
「助かりてぇんだろ?」
不敵な笑みを浮かべ中へ入れと急かす
大柄な男はただ「生きていたい」という生存本能から急いで中へ入り込んだ
大柄な男が中へ入ったと思うと周りで入り口を支えていた数名が急いで裂かれた場所を繋ぎ始めた
まるで何事もなかったかのように裂かれた場所は綺麗に繋がれていいた
ここで何故か回線が途切れたかのようにいきなり目の前が暗くなった
気が付くと見慣れたレストランの客席にいた
厨房の方から叫び声が聞こえる
牛の鳴き声のようだった
私は厨房の中を覗いた
厨房の中を見てまず驚いたのは広さや大きさだった
見たことのないほろさ、見たことのない料理器具の大きさに気を取られていた
良い匂いと叫び声が同じ方向からしたのでその方を向いた
目の前が暗くなる前のあの牛そっくりな牛が豚の丸焼きのように棒に足を固定され火であぶられながら焼かれていた
クルクルと回され焼かれている牛の中から叫び声が聞こえるのだ
私はその時不思議なこともあるんだなーと軽く考え自分が座っていたであろう席に座った
目が覚めると先ほど出てきた肉が一口で止まっていることに気が付いた
まだお肉は温かかった
冷めてしまう前に食べきってしまおう
そう思い2切れ目を口に入れるとキランと牛の首のほうから何かが光って見えた
少し口が開いているのも気になり無理やり口を開け中を覗いた
牛の口の中には金のネックレスがギュウギュウに詰められていた
「…え?」
見覚えのある あの大柄な男が持っていた…いや、私があの男の口に無理やりねじ込んだネックレスだった
私は慎重にネックレスを取り出すとレストランの男性がハッとする
異物混入だろうと思っていると
「おめでとうございます」
…え
「動物の中に人間が使っていたであろう装身具が入っているのは非常にレアで絶品な味わいともいわれているのです」
なんだかとても早口な解説が始まった
ものすごくお腹が空いていたのもありその早口の解説を聞き流しながらまた食べ始めた
この解説はいつまで続くのだろうと思いながら食べていたら完食してしまった
私が食べ終わったことに気が付いた男性は皿を下げた
「この後 デザートをお持ちします」
そう言い残し厨房へ戻っていった
入れ違いのように厨房にいたであろうエプロンを付けた筋肉質でものすごい大きな体の男性が私の方へ向かってきた
その手にはホースのようなものを持っていた
体の大きさや威圧感で私は動けずその場で固まることしかできなかった
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