「……」
この手紙を書いた記憶は無い。
続きに何を書こうとしたのかなんか分からないけど、今の俺が君に宛てて書くなら……
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また何処かで会ったら、
またあの笑顔を見せてください。
若 井 滉 斗
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最後の1行に今の俺の字で文を付け足す。
あの笑顔がもし俺の生き甲斐だったなら、
1人は生き心地悪くて…
淋しく悲しいからついて行ってるんだろうなぁ
頑張ってんだよ……
クシャクシャな紙に生暖かい水滴が落ちる。
君は天で幸せにやってそうだね。
この手紙が届いたらいいのにな。
俺が部屋を離れたあと、俺のではない鉛筆の跡がついていた。
「届いてる。生き甲斐とかきもい」
消しゴムで消された跡。不器用な君……
いつから届いていたのかな。
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