テラーノベル
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ストーリーを全て追えているわけではないため、口調など違うところがあるかもしれません。また、深夜に書いているためどこか文がおかしいかもしれません。
伝説の夜を超え目標を達成できたためビビバスを抜けようとする彰人と、そんな彰人を止めたいと思っている冬弥の冬彰です。冬弥は恋愛感情ありですが、付き合いません。
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彰人が伝説の夜を超えたためビビバスを抜けると聞いた時、ついにこの時が来てしまったと思った。彰人は最初からあの夜を超えたいと言っていたし、何よりあの夜に人生をかけているのが十分に伝わってきていた。そんな目標を達成したのだから彰人はもうここに残る必要がない、それに彰人はきっと、俺たちがどれだけ次の目標を立て説得しようと、抜けるのをやめることはないと言うことも何となく理解していた。
…理解しているつもりだった。ただ思い込んでいただけで、本当に理解できているわけではなかった。彰人が音楽をやめれば、俺と彰人との繋がりは消えてしまう。密かに抱いていた恋心を吐露することもなく、後悔だけを残して関わることができなくなってしまう。そう思うと、この思いを伝えるのも、彰人を止めるのも今しかないと思った。
「彰人、本当に抜けてしまうのか」
「ああ、もうあの夜を越えちまったからな。オレはあれだけが全てだったんだ、これ以上に人生かけられるほどの目標を見つけられる気がしねぇ」
そう言いながら、彰人はどこか寂しそうに笑った。そんな顔をするなら、あれ以上に人生をかけなくてもいいから俺たちと一緒に歌っていてほしい、ずっと一緒にいてほしい。そんなことを考え、つい口に出してしまいそうになった。彰人はそんな中途半端な考えで音楽をやらないことなんて、相棒の俺が1番分かっていた。それでも引き止めたかった。彰人と一緒に、ずっと一緒にいたかった。でも彰人の意見に反対することなど、俺には出来なかった。
「…そうか、彰人ならきっと、どんなことでも成功出来ると信じている。彰人のこれからを、俺はずっと、応援している」
「おう、ありがとな。冬弥がそう言うなら、きっと大丈夫なんだろうな笑」
そんな言葉を口にしながら嬉しそうな顔で笑う彰人を見て、俺はつい思いを口にしてしまっていた。
「彰人、好きだ。ずっと好きだった、出会った頃からずっと、これからも本当は彰人とずっと一緒に…!」
そこまで言ったところで、彰人は俺の言葉が続く前に話し出した。
「ありがとな、お前にそう言ってもらえて嬉しいよ、オレ」
そう言って寂しそうに笑う彰人を見ていたら、続きを話す勇気がなくなってしまった。
俺の2年以上募らせ続けた恋心は、日の目を浴びることはなかった。
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