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大学4年の春。
卒業まで、あと一年を切った。
葵は民間の保育関連NPOに内定をもらい、卒業後もこの街に残ることが決まっていた。
子どもと創作を結ぶ仕事。彼女がずっと目指してきた道だ。
紗季もまた、文章を書く仕事――編集・ライティングの職を目指して、いくつかの出版社に応募していた。
ところが、最近届いた一本の通知が、彼女の心を大きく揺らした。
「東京本社 編集職 最終面接合格」
「勤務地:原則東京勤務、異動あり」
(東京……?)
夢だったはずなのに。
素直に喜べない理由が、目の前にいた。