テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
初めてセンシティブ書きます。
書き方模索中なので温かい目で見てください。
大森 side
今日はレコがいつもより早く終わった。
加えて、今日は喉もギターも調子が良くて、スタッフにも褒められた。
なんていい日だろう。
気分がいい。
先に稽古部屋を出た恋人の涼ちゃんを迎えに楽屋へと急ぐ。
まだ時間は沢山ある、二人でご飯でも行こうか。
いや、このままショッピングという手もあるな。
覚えたての歌をハミングしながら、これからの2人の予定を考えるんるん気分で楽屋の扉を開けた。
「りょうちゃーん!………え?」
「……ん?あぁ、元貴か。お疲れ。」
「〜〜?!も、もとき!あっ、これはっ…!」
扉を開けた先にいたのは、若井と涼ちゃん。
その2人の様子に目を疑った。
「お疲れ」と呑気に僕に声をかける若井。
そんな若井に背後から抱かれながら、衣服を乱す涼ちゃん。
……何をしてたかなんて、すぐ分かる。
どうやら僕は、「浮気現場」に遭遇してしまったようだ。
ーああ。
なんてことだ。
せっかくいい気分だったのに、一気に興ざめだ。
「……おい、何してんだよ若井…。」
「やだな、俺だけ?」
「当たり前だろ、他人のものに手出して」
「”他人のもの”、ねえ……。りょうちゃんはどう思う?さっきまであんなにいい声出してたのに」
「わ、若井!!やっ、ほんと、違うの、あのね、元貴聞いて!」
「いい、何も喋らないで。帰るよ」
「あっ、ちょ、っ……!」
はだけた服をもたもたと直そうとする涼ちゃんの手を強引に引き、若井から引き離す。
その時若井は特に引き止めもせず、パッと涼ちゃんを手放した。
そのまま早足で楽屋を出る。
ドアを閉める時ちらりと横目で見た若井は、「ばいばーい」とニコニコしながら手を振っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あ、ありがと、家まで、送ってくれて…」
楽屋を出た後、無言で腕を引っ張り、車に押し込めた。
車内で何やら弁解しようとする彼に「黙って」と言うかのように車を急発進させ、無言のまま道路をぶっ飛ばして涼ちゃんのマンションへと向かったのだった。
そして今、部屋にこうして2人。
涼ちゃんはちんまりとソファに座っている。
「怒っ……てる、よね」
「まあ、『今回』ばかしはちょっと」
「……うん…」
ガラスのテーブルを挟んだ向かい側のソファにどっかり腰掛け、見向きもせずに言葉を返した。
視界の端に映る涼ちゃんがチラチラと僕の顔色を伺っているのがわかる。
「何されたの。若井に。」
「ち、ちがうの、あれは誤解で、」
「誤解?じゃあこれ何?」
僕はソファから立ち上がると、見下ろすようにして傍に立った。
直しきれていない服のはだけから覗く、涼ちゃんの耳の下についた、赤い痕。
僕が気づいていないとでも?
「?!ウソ、信じらんない、ちがうの、これはっ!」
「こんなに堂々とキスマーク付けて『誤解』って?馬鹿にしてる?」
「違うんだって、ほんとにこれは知らなかったの!今知った!本当だよ!」
「……じゃあ何なの。説明してよ、ほら」
クッと顎を持ち上げて僕を見つめさせる。
珍しく「動揺」と「恐怖」で揺れる瞳。
その大きな瞳に、僕の冷ややかな表情が映っていた。
「ぼ、僕が……ちょっとふらついちゃったのを、若井が受け止めてくれたの……、目眩しちゃって、しばらく動けなくて」
「……」
「その間に、多分若井が……、……僕、身体に力入らなくて……」
「……抵抗しなかったって?」
「そうじゃないっ!抵抗しなかったんじゃなくて、出来なかったの!だって、ほんとに…」
「わかった、身体に聞く」
必死に弁解しようとする涼ちゃんの唇に噛み付く。
味わうとかそんな優しいヤツじゃなくて、自分本位な、そんな感じの。
押し倒すというかほぼ押し付けるよつにソファに涼ちゃんを寝かす。
ギシッと二人分の重みにソファが軋んだ。
「ん、ッ、…はぅ」
「脱いで、早く」
「え、っ…、や、もとき」
「早く」
「〜〜〜……ッ」
どうにも虫の居所が悪く、無意識にも涼ちゃんを睨みつけてしまう。
それに怯んだ涼ちゃんはおずおずとベルトを外し始めた。
その光景を目にするに、「僕ってば恋人になんてことをしてるんだろう」と妙に冷静になる自分がいる、その傍らで、「めちゃくちゃにしたい」と邪な欲を抱く黒い僕が微笑む。
「ほ、ら…、脱いだから……」
「それ、僕で濡れてるの?それとも若井のせい?」
「なっ………、」
「へえ、答えられないんだ?」
「ちが」
「もういい、足開いて座って」
涼ちゃんに顎で指示する。
顔を赤く染め、恥ずかしそうにぎゅっと唇を噛む姿にはもはや優越感しかない。
僕の指示通りになっている彼の姿に悦すら覚えた。
ああ、僕も、性格が悪い。
「せっかく今日いい気分だったのに、りょうちゃんのせいで台無し」
「ごめ、ん…って……ぁッ……」
「まあ、いっか。めちゃくちゃされるの好きでしょ?こんな風にさ」
「ンンッ、!ァ、ぁう」
開かれた足間の秘部に、自らの指を突き立てる。
グリ、と擦ってやれば、意図しない嬌声が涼ちゃんの口から洩れ出した。
何度も触れたところだ、瞬時に彼の弱点を把握出来る。
「ア、あ、ああっ、ん、う、」
「ほんとはここも触られたんじゃないの?若井に」
「違、うって……!ア!ああッ…、う!」
指を増やす。
速くしたり遅くしたり、焦らすように指を出し入れしてやると彼のナカが解れてゆく。
指を抜き、自身のでグンと突くと高い声を上げて啼く。
仕置きだと言うに、その「酷くされる」という状況にも興奮を隠せないのか、涼ちゃんはゆらゆらと腰を動かしていた。
「りょうちゃん腰、動いてる」
「だ、っ…て、ぇ」
「意地悪されて気持ちいいんだ」
「あ、いや、それいやっ、あぅ、」
「気持ちいいんでしょ」
「やぁ!あ、だめ、イッ…、ちゃう、から、ッぁ」
「アレ、早いんじゃない?イくの」
「ンン、ン……ッ、!」
やれやれ、本当にマゾヒスティックな人だ。
僕に意地悪されてるこのシチュエーションを快楽に変換できる能力、改めて尊敬する。
「…どうしようもないなあ、りょうちゃんはっ」
「アッ!イ、っちゃう、いく、いく、……ッ!ンン、ッ!〜〜ッ、……アァッ……!!」
僕のを咥える彼のナカがキュウキュウと伸縮する。
ソファに爪を立て、グンと喉を反らせて与えられる絶頂を浴びるその姿は堪らなく扇情的だ。
「ハッ……、は、ぁ……はあ……」
「りょうちゃん、僕のこと、好き?」
「ン、ん……すきぃ……」
「だよね、ここ離してくれないから」
「んう、もっと……、ちょうだい、もときぃ」
「もっと?……ハハ、参ったなぁ。お仕置きなのに」
熱を帯びた潤んだ瞳で、僕を見つめる。
お仕置きのつもりだったのに、「もっと」だなんて、全くこの人は。
「……ふふ、じゃあもっと、酷くしてああげるよ。……覚悟して」
半分開いた唇を食みながら、彼の敏感な部分を愛撫した。
息継ぎと共に洩れる甘い声。
それが僕の加虐心を煽ってやまない。
「ダメだよ、若井にあんなくっついちゃ」
「ん、ん、ァっ……あ」
「僕だけにして」
「は、ん、…すき…ッ、もときっ、すき」
とろんとした瞳で、短く喘ぎながら「すき」と言う。
なんて甘美な瞬間だろうか。
ついさっき煮えていた怒りも、こうして涼ちゃんの乱れた艶やかな姿に当てられては立ち所に止む。
独り占めしたい。
どこにも行かせたくない。
このまま僕の腕の中に捕らえていたい。
「僕も、…大好きだよ、りょうちゃん…」
「アッ、んッ、もとき、もとき…!」
「ほ、んと…、りょうちゃんってば……」
熱い口付けを落とし、見上げた潤んだ瞳に吸い込まれそうになる。
滲む視界に映る僕。
……なんて顔、してんだ。
彼が愛おしい余りに余裕が無い、かっこ悪い顔をしていた。
ああ、囚われているのは、
僕の方かもしれない。