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夢花𓂃𓂂ꕤ*.゚
💚💙〜 リプトンの日〜
「ただいま〜」
帰宅すると、廊下に点々と何かが落ちていた
まるで、ヘンゼルとグレーテルだ
靴を脱いで1番手前のものを手に取ってみれば、それは俺がアンバサダーを務めている紅茶のパックの1つだった
落ちているものを1つ1つ拾っていく
全て同じ紅茶ブランドのものだ
リビングに入れば、愛しい恋人が、机の上に一生懸命に大量の紅茶たちを並べていた
「翔太、ただいま。落ちてたよ」
「え!あべちゃん!早いね!おかえり」
「どうしたの?これ」
「だって、あべちゃんが教えてくれたんじゃん」
「リプトンの日?」
「うん、だから買ってきたの。阿部ちゃんがアンバサダーをやってる紅茶を、今日飲もうと思って!」
机の上には、茶葉のパックから、牛乳パック、カップのものまで、ありとあらゆるリプトン
とにかくリプトンとつくものを手当たり次第に買ってきたみたいだ
翔太なりに、小さなお祝い的なことを考えてくれたんだろう
無邪気に笑うその顔はめちゃくちゃ可愛い
けど
「その気持ちはすごく嬉しいんだけどさ、、、これ全部飲むの?すごい量だよ?」
「………………そっか、見つけるのが楽しくて、ついたくさん買っちゃった」
ぽかーんとした顔で、目の前のテーブルを見渡す
ついでに言えば、まだ俺の腕の中にも4〜5個の商品が抱えられているのだ
「ふふふふ笑 逆によくここまで集めたねぇ〜」
持っていた紅茶を、机の上に追加で並べて、翔太の頭を撫でる
「え……どうしよ、飲みきれない?」
「茶葉のは未開封だったらある程度は持つから大丈夫だよ。液体のから飲まなきゃかなぁ」
「そっか………ごめん」
「謝らなくていいよ、一緒に飲もうと思って買ってきてくれたんでしょ?」
「うん、飲み比べたりしたら楽しいかなって…」
「いいじゃん、やろうよ」
「でも、こんなにたくさん……」
「別に今日全部やらなくてもいいでしょ。ちょっとずつの楽しみができるじゃない」
「あべちゃん〜!」
しょぼくれる翔太を慰めれば、抱きついてくる
「よしよし、賞味期限が近いやつから飲もう。甘いのもあるけど、翔太、飲める?」
「ん、そんなにたくさんじゃなければ」
「じゃあ、並び替えよ」
「うん」
今日はひとまず3種類飲むことにした
飲み比べを始めれば、少し曇っていた翔太の顔も晴れて、味の違いを楽しそうに話している
ちょっと突拍子もなくてびっくりしたけど、俺の仕事のことを気にしてくれたのは嬉しい
ちょっとした企画の真似事みたいなことができたのも、俺としては楽しかった
せっかく沢山買ってきてくれたから、俺がアンバサダーを務めているのはどれなのかも、ちゃんと教えておいた
「なんだ、じゃあこれだけで良かったのか」
「いいじゃない、こういうことやることないし。俺は楽しかったよ」
「あべちゃんがいいなら、いいや」
最後には満足気に笑って、甘えてキスをねだる
いつもよりもちょっと甘くて香り高いキスだった
コメント
6件

可愛いっ💚💙

ちょっと遅刻したけど、5/10がリプトンの日らしいので🫖 とても走り書きですが😇