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22
#医者
GUMI。
649
「そういえば最近、安西先生変わりましたよね~」
ナースステーションの中央のテーブルでパソコンに向かっていた私に後輩の河原さんが話かけてくる。
業務中に無駄話は厳禁だが、急な入院もない、患者さんもの状態も落ち着いているような日はつい気が緩んでしまうのも事実だ。
しかも安西先生の話題とあって、つい会話に乗ってしまった。
「そ、そうかな。どんなところが?」
言いながら私は安西先生を見る。
カウンターの椅子に座り東先生と話し込んでいる。どう見てもいつも通りの先生だ。毎日いていると分からなくはなりそうだけど。
同棲を始めて今日で一週間が経つ。私たちが付き合い始めたことはまだ誰にも気づかれていないはずだ。
「どこがという明確な変化はないんですが、ざっくりいうと色気ですね」
「色気?」
私は首を傾げた。もともと年上男性の魅力はあると思っていたが、色気を感じたことはなかった。
「はい。めちゃいい男のフェロモン出てません? あれは女が出来ましたね、しかも極上の」
“極上”という言葉に吹き出しそうになる。河原さんの観察眼はすごいけれど、私は極上の女なんかじゃない。
「いや、それはないでしょ。極上とかありえないよ!」
強くいいすぎたせいか、河原さんは不思議そうに首を傾げる。
「どうして先輩が否定するんですか?」
じっと見つめられて、思わず視線をそらした。
「そうだよね、ごめん」
鋭い彼女のことだ。あまり下手なことをいうと、見透かされてしまうかもしれない。
「まあ私は東先生推しですが、安西先生の方が女に尽くすタイプそうなので、付き合うなら安西先生で正解だと思います」
「……でも、先生は女癖が悪いって聞くよ? 合コンもよくいってたみたいだし」
今は行く気配はないが、今後はわからない。もしそんなことをしたら即刻家を出ていこうと思っている。
「大丈夫ですよ。遊んでいる人ほど、落ち着くのも早いですよ。たまにずっと遊んでいる男性もいますけど、おそらく安西先生は前者かとおもわれます。よかったですね、竹光先輩」
ギョッとして彼女を見た。
院内ではいつも通り医者と看護師の関係を崩すことはなかったはずだし、外でのデートはまだしていない。
通勤時間も違うから二人でいるところを誰かに見られるはずもない。
「どうして知ってるの……?」
つい、聞いてしまった。
「ああ、やっぱりそうなんですね」
にこりと微笑まれ、カマをかけられていたのだと気付いた。サッと血の気が引いていく。
河原さんは新人の中でも仕事ができる方で患者さんの変化にもよく気が付く子だ。
見た目は今どきの少しほんわかした感じの女の子だけれど、中身はしっかりとしている。
その観察眼が自分にも向けられていただなんて、夢にも思わなかった。
「ううん、違うよ?」
「安心してください。誰も言いませんから」
「ラウンドしてきます」と河原さんは言って、ナースステーションから出ていってしまった。
「――で、河原さんにバレちゃったというわけか」
帰宅後私は安西先生に昼間の出来事を話した。
「そうなの。ごめんなさい……迂闊だった」
「玄関先で待ってるから、何事かと思ったよ。しかも、豪勢な夕飯まで作ってさ」
先生はビールを飲み干して「ははは」と笑った。
「笑い事じゃないですよ」
「なんで? 別にいいじゃん。俺たち悪いことしてるわけじゃねえし、あの子誰かにべらべら喋るタイプにもみえねえし。それよか、極上の女と付き合ってるかぁーいいこと言うな河原さん」
言いながら先生はダイニングチェアから立ち上がり、私の後に立つと背中から抱きしめた。
「なあ絢香、あのアパートいつ引き払う?」
「今月中に管理会社へ連絡するつもりでいます」
もしかしたら先生と別れるかもしれないと思っていたから、保険代わりにアパートの退去連絡を引き延ばしている。
でも一週間暮らしてみてこの先も続けていけそうな気がしていた。
「そう。了解」
いいながら先生は顔をほころばせる。心の顔の筋肉が直結しているんじゃないかと思うほど分かりやすい。
「でも、アパート引き払っても、先生が浮気したら速攻で出ていきますからね」
出ていこうと思えば、今の時代行き先なんていくらでもある。素泊まりのホテルア安価だし、そういうところに身を置いて、アパートを探せばいい。
先生とは仲良くやっていきたいが、もしものことを考えておくのは大切だ。
「もちろんどうぞ。そもそもそんなことさせないから大丈夫」
「本当に?」
「ああ、本当さ。この俺が“極上の女”を手放すわけないだろ?」
言った側から笑いそうになっていて、思わずムッとする。
「そうやって笑いのネタにしないでくれます?」
「そうやって怒らないでくれます? かわいい顔が台無しだよ」
「もう。からかわないでください! ……私、お皿洗ってきます」
先生の腕を振り払おうとした。けれど力を込められ逃げ場を失った。
「怒らない怒らない。それは後で俺がするよ。少しソファーでゆっくりしよう」
私が頷くと先生は私の手を引いてリビングのソファーに座らせる。
「絢香、何かのむ?」
「先生は?」
「俺はコーヒかな」
先生は家ではあまりお酒を飲まない。食事の時は私に付き合って飲むこともあるけれど、だらだらと飲み続けたりはしないようだ。
「じゃあ、私も同じので」
「オーケー」
先生はキッチンに置いてあるコーヒーマシーンで二杯分淹れて来てくれる。
「ほい。熱いから気を付けろよ」
「ありがとうございます」
湯気の立つカップをそろりと受け取る。先生は私のすぐ隣に腰を下ろした。
「いただきます」
ひと口くちに含む。食後にピッタリなすっきりとした苦みを感じる。たくさん飲むと眠れなくなりそうだなと思いながらもうひと口飲んだ。
「おいしいです。ありがとうございます、先生」
誰かが淹れてくれたコーヒがこんなにおいしいものだなんて知らなかった。仕事から帰って寝るまでの時間を誰かと一緒に過ごすのも楽しい。
正直言うと賑やかな感じの安西先生と暮らすことに不安があったけれど、さすがに家では静かだった。
「……そりやそうか」
「なにが?」
「先生って家では静かなんですね」
「当たり前だろ。家でも声張り上げてたらあほだぞ」
声が大きい自覚があるのは意外だった。吹き出しそうになるのをこらえるのに必死だ。
「それより絢香? いい加減その敬語辞めろよ。あとその先生っていうのも。ずっと仕事してるみたいだと思わねえ?」
そういわれればそうだ。家の中でも先生と呼ぶのは違和感があった。仕事の延長のようで休まらない気もする。
「はい。……あ、うん」
「それで? 名前。知ってるよな」
早く呼べとばかりに催促する。
「……安西、先生」
「おい。絢香~」
先生は大げさにうなだれて見せた。もちろん知っている。ただ、照れくさくて呼べないだけ。
「ごめんね。正臣さん。……いや、まさくん? おみくん、まあくん?」
バリエーションを変えて呼んでみると、先生はゲラゲラと笑い出した。
「ちょ、どうして笑うんですか! 私なりにいろいろ考えてみたのに。酷い!!」
恥ずかしくてついムキになる。
「悪い悪い。絢香のそういう真面目なとこ、好きだわ。……そうだな、まあくんもいいけど、正臣って呼んで欲しい」
「呼び捨てには……」
「できない?」
少し残念そうな先生を見て、私は申し訳ない気持ちになる。
いくら付き合いっているとはいえ、ひとまわりも年上で職場では医師と看護師という関係性。呼び捨てで呼べるようになるにはもう少し時間がかかりそうだ。
「努力します。それまでは正臣くんって呼ぼうかな。それでいい?」
「もちろん、いいに決まってる」
言いながら先生はテーブルにコーヒーカップを置き、私のカップも取り上げた。
「絢香」
名前を呼ばれて先生の方を見ると、ゆっくりと顔が近づいてくる。
キスされるのだと分かって、とっさに目を瞑った。
押し当てられた唇からはコーヒーが香る。
そっと差し込まれた舌の熱を感じると、どうしようもなく申し訳ない気持ちになった。
先生と暮らすようになってから、ハグとかキスとかのスキンシップは当たり前のようにある。
けれどその先はまだ、受け入れられない。
付き合う前に体の関係は持ってしまったけれど、あれは事故だ。
二回目以降はちゃんと好きという気持ちにならないとしたくないと思ってしまった。
『絢香が俺としたいと思えるまで待つよ』
そう言ってくれた先生に対して信頼は寄せている。感謝もしている。
でもまだ、自分から求めたいと思えるほどの気持ちの高ぶりはない。
このままではいけない気もするけれど、『それでも好き』と言ってくれる安西先生の愛情に私は甘えていた。
***
「日菜、これからどこかに飲みに行かない?」
ある日の日勤の業務終了後、スタッフルームから出ていこうとする同期の及川日菜を呼び止めた。
「今日は無理。これから用事あるんだ」
申し訳なさそうに手を合わせる日菜に「えー」といって口をとがらせてみる。
今日は安西先生が当直で家にいない。
久しぶりに日菜と飲みに行きたいと思っていただけにがっかりの度合いがいつもより大きい。
「もう、日菜ってば、『今日は』じゃなくて『今日も』でしょ! 最近全然付き合ってくれないじゃない」
今まではお互い誘い合って飲みに行ったり、カラオケしたりしてくれていた日菜が私の誘いを毎回断るようになっていた。
――仕事中は今まで通り仲が良くしているし関係性が壊れたわけでもないはずだけど……。
「本当にごめん。今度絶対に埋め合わせするからね。おつかれさま」
「おつかれ~」
日菜は少し前に彼氏とは別れたと言っていたけれど、もしかしたら新しい彼氏でもできたのかもしれない。
私に“彼氏”ができたのと同じように。
本当はこのことを日菜にだけは早めに伝えたかったのに。
「じゃあ、私も帰ります。お先に失礼します」
休憩室でお茶を飲みながら話し込んでいる同僚に声をかけ、バッグをもって立ち上がる。
スタッフルームを出ると病棟の廊下で安西先生と出くわした。
「よお、帰るのか?」
長引いていた手術がようやく終わったようだ。その顔には疲れが滲んでいる。
「先生は当直ですよね。頑張ってください」
「……寂しいなぁ。絢香と一緒にいられないなんて辛すぎるだろ」
先生は週に一度は当直勤務があるし、私も週に一度は夜勤があるのですれ違うことが多い。
「なにいってるんですか。日中は同じ院内にいたのに」
幸い職場が同じなので、顔を合わせない日はほとんどない。でも先生はそれでは不満らしい。
「……そういう問題じゃない。ハグしてキスできないのが辛いんだよ」
「なるほど」
「なるほど、じゃねえ。明日は絢香が夜勤だろ? 二日も我慢しろとかどんな罰ゲームだよ」
思わず笑ってしまった。
ついさっきまで割と難しいとされる手術の執刀医として腕を振るっていた外科医には到底見えない。まるで大きな子供だ。
「……しかたないなぁ。夜にでも差し入れ持って戻ってきますよ」
今日は何の予定もないし、明日は夜勤で夜更かしもできる。あの広いマンションに一人でいるのも確かにつまらない。
当直室に忍び込むのは正直言って気が引けるけど、差し入れするくらいなら問題ないだろう。
「本当か?」
嬉しそうな先生につられて私も笑顔になる。
「はい。なにが食べたいですか?」
「うーん、そうだな。……オムライス!」
先生が好きなのはふわとろ卵にデミグラスソースがかかっているようなこじゃれた感じではなくて、薄焼き卵にくるんでケャップをたっぷりかけたタイプ。
「了解。じゃあ、またあとで」
「おう! 待ってるぜ」
嬉しそうに先生は言って、仕事に戻っていった。
私は病院を出ると、近所のスーパーへ向かった。サラダ用に野菜。オムライス用に玉ねぎとマッシュルーム、鶏肉と卵をかごに入れた。後はドレッシングを買えばいいだろう。
調味料の棚の前でお洒落なビンに入ったトマトソースが目に入る。
完熟したトマトだけを使っていると書いてあり、濃厚で甘みもあるようだ。冷蔵庫にはケチャップがあるけれど、思わず手に取った。
「うわ、八百円もするのか……」
普段使いをするなら絶対に買わない値段だ。でも、せっかくの差し入れだしおいしいオムライスにしたい。
レジで会計をし、エコバッグに詰めるとマンションに戻る。簡単に部屋の掃除をし、炊飯器にお米をセットするとシャワーを浴びた。
これからまた病院に戻るんだから帰ってから浴びればいいのだけれど、日中仕事をして汗をかいた。だからニオイがしたらいやだなと思ったのだ。
「……て、抱きしめられることを前提に考えているわけじゃないんだからね」
急に恥ずかしくなって自分で自分に言い訳をした。
仕事以外の時間を安西先生と過ごすことが当たり前になり、どちらかが夜に不在の時は寂しさや物足りなさを感じるようになっていた。
だから本当は『辛い』といった先生のことを笑う資格なんてなくて、差し入れを届けることだって私が会いに行きたかったからだ。
「多分、好き」
でも、この気持ちに確信が持てない。
シャワーを浴び終えて着替えると、軽く化粧を施した。エプロンを付け、キッチンに立つ。
買ってきた野菜を洗いレタスは適当な大きさにちぎり、トマトは串切り、キュウリは縞目に皮をむいて輪切りにした。容器に詰め、ツナとコーンをのせると保冷バッグに買ってきたドレッシングと一緒にいれた。
それから玉ねぎとマッシュルームを刻んで鶏肉は一口大に切る。フライパンで炒めて塩コショウを振り、少し硬めに炊いたご飯を投入する。ケチャップを入れて混ぜればチキンライスの出来上がりだ。
今度は別のフライパンに油をひき、今度は卵を焼く。溶き卵を流しいれ、菜箸でくるくると混ぜながら火を通していく。
半熟を過ぎたころ合いでチキンライスを乗せて卵を纏わせる。
形が崩れないように大きめの容器にオムライスを入れ、上から真っ赤なトマトソースをとろりとかけた。
さわやかなトマトの香りが食欲をそそる。早く先生に届けよう。
マンションを出て、大通りから病院を経由するバスに乗った。
朝はドアが閉まらないくらい満員になるこの路線も、十九時台はガラガラだ。私は席に座るとお弁当の袋をそっと膝に抱えた。
病院に着くころには二十時を過ぎるだろう。
――連絡くらいした方がいいかな。
スマホを取り出して先生にLINEを送るとすぐに返信があった。
《今日は割と落ち着いてる。二階の当直室で待ってるぞ》
「よかった……」
最初の一文を見て、ホッと胸をなでおろす。
私が働く病院は救命センターが併設されていることもあり、どの診療科も常に忙しい。
救急科の医師が緊急手術の必要性ありと判断すれば、当直の外科医が対応に当たる。
それ以外の時間は病棟の患者の対応や、書類の作成など暇がないのが現状だ。
だから、急患もいない病棟の患者も問題ない落ち着いた状態というのはレア中のレアだ。
病院前のバス停で下車し、通用口から院内へ入る。IDカードで途中にあるドアのカギを解除し、先生の待つ当直室へと向かった。
幸い廊下には人の姿はなく、誰にも見られずに済んだ。私は先生に指定された部屋のドアをノックする。
するとバタバタと近づいてくる足音に続きドアが開いた。
中から濃紺のスクラブに長袖の白衣を羽織った先生が出てくる。
「絢香きたか~!」
さっき別れたばかりなのに、まるで久しぶりに再会したかのように嬉しそうな顔をしている。
「……あの、早く中に入れてください。誰かに見られたらいろいろ面倒ですし」
私はあたりをきょろきょろと見渡した。
「おお、そうだな。入れ入れ」
先生は私を招き入れてくれる。
はじめて入る当直室はビジネスホテルよりも少し狭い感じで、ベッドと小さな机があるだけの殺風景な部屋だった。
「お疲れ様です。これ、オムライス。まだ温かいですよ」
紙袋を手渡すと、先生は大げさに驚いて見せる。
「すげえ! サラダもある! このスープジャーは?」
いいながらひとつひとつ机の上に並べていく。
「お味噌汁が入ってます」
残った玉ねぎを使ってお味噌汁も作っていた。先生は洋食でもみそ汁派と言っていたから。
「マジでうれしいわ。食べるのが勿体ないぜ」
机の上に広げたまま手を付けようとしない先生に、私は発破をかける。
「いやいや、早く食べてください。呼び出されたらどうするんですか?」
「それはそうだな。でもその前に」
先生はそう言って私の方を向くと両手を広げた。
「なんですか?」
もちろん、何を求められているのか分かっていた。でもそっけない態度を取ってしまう自分がいる。素直に抱き着いて甘えられたらどんなにかわいいだろう。
「つれないな、絢香は。まあ、そこがかわいいんだけどな――って、なんだよ電話かよ」
先生は鳴り出した院内用の携帯電話を白衣のポケットから取り出した。
「おっと、ERからだ。はい、安西です」
ERからということは、なにか緊急の処置が必要な事態が起こっている可能性が高い。私は息をひそめるようにして先生の電話内容に耳を傾ける。
漏れ聞こえてくる声は、救急科の医師のようだった。いつも早口でまくし立てるようにしゃべるのですぐに分かった。
「……悪い絢香」
電話を切ると申し訳なさそうに私を見る。
「ちょっと行ってくる」
「うん。いってらっしゃい」
「作ってくれたオムライスは戻ったら食べるよ」
「フタ、閉めておくから早く行って」
部屋から出ていく先生の背中を見て、「ハグしておくんだったな……」そう呟いた。
私はサラダとオムライスにふたを閉めて、袋に戻す。それから一時間ほど待っていたけれど先生が戻ってくることはなかった。
病院を出ると、丁度バスが来ていた。私はそれに飛び乗ると、独りマンションへ帰った。
夜、先生のスマホにLINEを送ったけれど返信はなかった。もしかするとあのままオペに入ったのかもしれない。
翌日の夕方。ナースステーションに入ると安西先生を見つけた。その背中はずいぶんと疲れているように見える。
気になった私は早めに日勤のスタッフから申し送りを受けることにした。
「西田さんお疲れ様です。送りもらってもいいですか?」
「竹光さん夜勤? 昨日の夜から大変なのよ。緊急オペがあって安西先生が執刀したんだけどね」
やはりそうだったのかと思った。安西先生がERから呼び出されたのは手術が必要な患者さんがいたから。
「まあ、それ自体はよくあることなんだけど……」
そう言いながら大きなため息を吐く。その表情がみるみる曇っていくのを感じて、
「……けど、なんですか?」
恐る恐る聞いた。
「その患者っていうのが、あの“椎名ほのか”なのよ」
椎名ほのかと言えば、アイドルグループを脱退してグラビアアイドルとして活躍している女の子。
清楚でかわいらしくてセクシーで。同性の私が見てもかわいいと思えるような印象しかない。年齢は私と同じくらいだったはず。
「何か問題でも?」
「問題大あり。わがままし放題で手に負えない。患者じゃなければぶん殴ってるわ」
西田さんは思い切り渋い顔をして見せる。
「ぶん殴るって、これまた物騒な……」
「あはは、まあ、冗談よ冗談」
椎名ほのかにかかわらずワガママな患者さんはいる。
暴言や暴力も少なからずある。悪意を向けられて腹が立つこともあれば、悲しくなることもある。そんな時私は病気がそうさせていると思う様にしている。
全てを真に受けていたら看護師なんて続けていけない。
私は電子カルテにログインして、椎名ほのかを探した。けれどその名前はどこにもみつからない。
「椎名、椎名……」
「……これよ」
西田さんが指をさしたのは佐藤和美という三十歳の女性だった。本名と芸名が違うのはよく聞く話だが、年齢も公表しているものより七歳くらい年上。
だからと言って、私には何ら関係のないことだ。芸能人だろうと患者であることには変わりがないし、この事実を口外することもない。
「なるほど。いろいろあるんですね……」
カルテを見ると、急性虫垂炎で手術をしたようだった。この手術は数日で退院になるはずなので、今日の夜勤以外では彼女を担当することもないだろう。
個室のドアをノックすると不機嫌そうな返事が返ってきた。
「失礼します」
そう言って中へ入ると顔まですっぽりと布団をかぶっている。
「佐藤さん、夜勤の竹光です。よろしくお願いします」
聞こえてはいるようだが返事はなかった。
放っておいて欲しいのか、カマって欲しいのかよく分からないけれど、取りあえず今は次の患者さんの所へ向かおう。
踵を返す。するとしんと静まり返った部屋に、私のナースシューズがキュッと音を立てた。
「ねえ」
足を踏み出そうとしたとき、ふいに呼び止められた。私は慌てて足を止める。
「正臣を呼んでくれる?」
「……はい?」
誰のことを言っているのか分からなかった。私の返事に苛立ったように舌を打つ。
「分からないの? 私の主治医!」
彼女の主治医はひとりしかいない。
「安西、先生ですね?」
言いながらモヤモヤが止まらない。どうして下の名前で呼ぶんだろう。なれなれしいにも程がある。
「どんなご用件ですか?」
ただ呼べと言われても、理由は把握しておきたい。
緊急性があればナースコールでスタッフを呼び集めるし、もし痛み止めが欲しいとか傷口に異常があるとか別の理由であれば部屋に戻るときに必要なものを持ってこなければならないから――というのは建前で、本音は違うところにある。
『正臣』と呼んだことがどうも引っかかって、彼女患者だと言い聞かせても私情を挟まずにはいられなかった。
「なんなのあなた。いいから、早く呼んできて! 私が死んだらどう責任取るわけ?」
ヒステリックにそう叫ぶ。
「……分かりました」
私は急ぎ足で病室を出た。
彼女の声には張りがあるし元気そうでもあるし今すぐ死ぬことはないだろう。
食事も再開し、痛みもコントロールできていると申し送りを受けていた。だからこそどんな用件で先生を呼びつけるのかが気になった。
「安西先生、今よろしいですか?」
「どうした? 悪いけど手短に頼む」
ナースステーションのカウンター越しに先生に声をかけるとパソコンに視線を向けたまま答えた。見るからに忙しそうだ。
「佐藤和美さんが呼んでます」
その名前を出した途端、先生の顔色が変わった。
「どうしたって?」
「用件はわかりません。すみません。来て欲しいそうです」
「分かった。すぐに行く」
――すぐに行くんだ。
私の顔も見ずに彼女の病室へ駆けていく先生の背中を呆然と見つめた。
「元カノらしいですよ」
その声にハッとして振り返ると研修医の海野先生が立っていた。
海野先生は今年医学部を卒業したばかりの研修医。子犬系と称されるアイドル並みのルックスでファンも多い。
「元カノ? 椎名ほのかが!?……って、どうしてそんなこと知ってるんですか?」
「救急外来でほのか自身がそう言ったってウワサで持ち切り。それで僕気になってさ、安西先生に確かめたんだ」
海野先生が言うには、椎名ほのかがまだ駆け出しのころ合コンで知り合った先生と彼女はしばらくの間付き合っていたらしい。
「ほのかの所属してたグループって急に売れて、それから二年くらいで落ち目になっちゃってさ。メンバーの半分は卒業して、現在は三人で活動してるんだよ」
「……詳しいんですね、海野先生」
あまりそういうたぐいのものには興味がないように見えたけど……。
「だってファンだったもん。でも、三十歳だったなんてショック。ずっと年下だと思ってたのにな」
そう言って口を尖らせた。
男性ファンの心理はそういうものなのだろう。同じ女性としてみれば二十代前半に見せる努力の方が凄いことだ。
私なんて足元にも及ばない。
先生は今頃“椎名ほのか”と何をしているんだろう。
あんな可愛くて色気のある人と付き合っていた過去があって、もし、彼女から復縁を申し込まれたら……私が男なら彼女の方を選ぶ。
「僕も人生で一度くらいはアイドルと付き合ってみたいな。安西先生に頼んでアイドルとの合コンをセッティングしてもらおうっと」
「それは絶対にやめてください!」
後輩から頼まれたら合コンでも飲み会でも主催しちゃうのが先生のいいところだけれど、その面倒見の良さはもう発揮して欲しくなかった。
「は? どうして竹光さんに止められなきゃいけないのさ。意味が分からないんだけど」
思い切り首をかしげる海野先生。意味は分からなくていい。分かってもらっても困る。
「とにかく、ダメなものはだめです。では私は仕事に戻ります。先生もちゃんと仕事してくださいね」
そうとだけ言うと、私は海野先生から逃げるように仕事へと戻った。
そして深夜。私は仮眠前に担当患者の病室のラウンドを始めた。
点滴がきちんと落ちているか、患者の状態に変りはないか、その他異常は起きていないかひとりひとり見て回る。
大部屋にいる患者さんはなにも問題はなく、私はホッと胸を撫でおろす。それからとある個室の前で足を止めた。
出来るならスルーしたい。でもそんなことはしてはいけない。
私の感情なんて、佐藤さんにはまったく関係のないことだ。プロとして患者さんの前に立つということはそういうことなんだ。
小さくノックをするとドアを開けて中に入る。閉められたカーテンを開けて、私は息をのんだ。
ベッドサイドのライトが照らし出していたのは、安西先生の姿。
椅子に座った先生はベッドにいる佐藤さんの手を握ったまま眠りこけている。
私はつかつかと歩み寄り、先生の肩を揺さぶった。
「……ん、あ。絢香……!?」
「なにしてるんですか?」
自分でも驚くほど冷たい声だったと思う。寝ぼけまなこの先生は慌てふためいた様子でなにやら言い訳を始める。
けれど、言い訳を聞いてあげられるほど広い心を持てなくて、「最低」とだけ言い残して病室を出た。
さらに最低だったのは、私を追いかけてこなかったこと。
「……え、竹光さん。なにかあった?」
ナースステーションへ戻ると、同僚が驚いた顔で私を見る。
「いえ、なにも」
「そう? ならいいんだけど……」
もしかしたら今の私は般若のような顔をしているのかもしれない。
「お先に休憩入ってきます」
「ああ、うん。ごゆっくり……」
私は休憩室へ入ると、家鍵を閉めた。ソファーの背もたれを倒してベッドの形にするとシーツを敷いて横になった。
けれど、さっきの光景が脳裏に焼き付いて目を閉じると鮮明に浮かんでくる。
いかがわしいことをしていたわけじゃない。ただ手を握っていただけ。
私も患者が望めばすることはある。不安の取り除いたり、痛みを逃すには効果的ではあるけれど、医者が患者の手を握る。これは普通の事なのだろうか。
「もうやだ。本当に最悪……」
全く眠ることもできずに休憩時間を終えた。
仕事が忙しいと仮眠を取れないことも多々あるとはいえ、眠りたいのに眠れないのとはわけが違う。
「お先に休憩ありがとうございました」
ナースステーションへ戻り、同僚に声をかける。
「私も休憩に入らせてもらうね」
「はい。いってらっしゃい」
私は眠気覚ましのコーヒーを飲み、電子カルテを開いた。仕事をしていれば少しは気がまぎれる。
その時ナースコールが鳴った。立ち上がろうとすると、
「あ。竹光さん、私行きます。多分トイレなんで介助しないと」
もう一人の夜勤の看護師は足早にナースステーションを出ていった。
私はまたパソコンへ視線を落とす。カチャカチャとキーボードの音が響く中、聞きなれた足音がこちらへ近づいてくる。
「絢香」
そう名前を呼ばれても私は顔をあげなかった。
「……言い訳するつもりはないけど、聞いてほしい」
「仕事中です」
「もちろん知ってる。でも話したい。耳だけ貸してくれたらいいから……」
そう言って先生は勝手に話し始めた。
「最初にこれだけは言っておく。俺が今好きなのは絢香だ。それだけは信じて欲しい。で、本題に入るとだな」
先生は改まったようにゴホン、咳払いをする。
「和美とは以前付き合っていた」
私は黙ってうなずく。さっき森先生から聞かされていたとはいえ、直接安西先生の口からきくと心がざわざわした。
「こんなところで再会するとは思ってなかったけど、患者として出会ってしまうと避けられねえよな。あいつ、俺の手術がへたくそだから未だに傷が痛む。責任取ってよくなるまで手を握ってろ。じゃないと医療訴訟を起こすっていうんだぜ、参ったよ」
「そんなのただの言い掛りじゃないですか」
私は思わず口を開いた。彼女の暴言に我慢が出来なかった。
「どうして先生が彼女のためにそんなことしなくちゃならないんですかね。もうなんの関係もないのに」
本当なら今夜は自宅で休めていたはずの時間を病室の椅子で過ごさなければならなくなるなんてかわいそうだ。
「……ありがとな、絢香。俺の気持ち代弁してくれて。でも医者として、患者のメンタルごと受け止めてやらなければならない時もあるよな」
先生はそういうと、遠くを見つめた。
私には話さなかったけれど、“椎名ほのか”は心を病んでしまうような問題を抱えているのかもしれない。競争が激しく保証のない芸能界を生きている彼女には想像を絶する苦労があるんだろう。
「……そうですよね。つい嫉妬しちゃったりしてごめんなさい」
「うお、まじか。絢香が俺に嫉妬? こりゃめでたいぞ! 赤飯焚こうな」
小躍りする安西先生はすっかりいつもどおりの軽いノリに戻っている。しんみりしていたのは一瞬の事。
「ちょ、待ってください。そういうんじゃないです」
必死で否定した。けれど、この気持ちはどう考えても嫉妬でしかない。元カノに尽くす先生なんてもう二度と、見たくないと思ってしまった。
翌朝の回診で、佐藤和美さんの退院が決まった。私は検温をしに彼女の病室へ向かった。
ドアをノックすると、「はい」と返事がある。
「失礼します」
パソコンのカートを引いて部屋に入ると、佐藤さんは窓際に立って髪をとかしていた。
黒く艶のあるロングヘアは白い肌をより際立たせている。病衣の襟元からは豊かなバストの谷間が見え隠れしていて女の私でも目のやり場に困るくらいだ。
芸能人というものを初めて間近かで見たけれど、醸し出すオーラというか佇まいが一般の私たちとは全く違っていた。
すっぴんでもふさふさのまつげ。きめの細かい肌。整えられたな眉毛。きれいという代名詞は彼女のためにあるのではないかと思うほどだ。
「なに?」
赤い唇が不機嫌そうにゆがんだ。
「……あ。あの検温に伺いました」
「ああ。どうぞ」
佐藤さんはベッドに腰を掛けると、右手を差し出した。私はマンシェットを巻いて血圧を測る。
「お熱も測らせてください」
体温計を差し出すと、受け取って脇に挟んでくれた。測定完了までの時間がやけに長く感じる。私は彼女の方を見ないようにして電子カルテに血圧の数値を打ち込む。
「ねえ。あなたが絢香さん?」
突然名前を呼ばれて、弾かれたように顔をあげた。恐る恐る彼女の方を見る。
「はい、そうですが……」
彼女の大きな目がまるで品定めでもするように私を見ている。
「正臣と付き合ってるの?」
「え……あ、の……」
こういう質問には正直に答えていいのだろうか。先生にも迷惑がかかるかもしれない。
「違うの? だったら私がもらっていいわよね」
そんなことさせない。私は佐藤さんの目を見て、言った。
「付き合ってます。あの、ま、正臣くんと……」
「あらそう。でも、私にかえしてちょうだい」
いったいなんなんだろうこの人は。人を物みたいに言ったりして。
「どうしてですか? 芸能人なら周りに素敵な男性がたくさんいるんじゃないですか?」
俳優や歌手、モデルやテレビ局関係者。華やかな世界には魅力的な人が多そうだ。
「正臣がいいの。だって私にプロポーズしたのよ、彼」
「……昔の話ですよね」
佐藤さんは得意げに言うけれど、ずっと昔の話のはずだ。この人はただ、私にマウントを取りたいだけ。
「ええ、そうね。でも返事はいくらでも待つって言ってくれたわ」
「でも今は私が先生の恋人です。先生のマンションに一緒に住んでますし、ついさっきもあなたじゃなくて私のことが好きだって言ってくれました」
負けたくなかった。だから精いっぱいの虚勢を張った。すると彼女は綺麗な顔を歪めてわなわなと震えだした。
「……え。佐藤さん?」
佐藤さんは呼吸を荒くして、苦しみだした。床に膝をつくと顔は青ざめ、手で胸のあたりをかきむしっている。
「だ、大丈夫ですか?」
慌ててナースコールを押すと、急変していることを伝えた。すぐに夜勤のスタッフと安西先生が駆けつけてくれた。
「和美!」
安西先生は佐藤さんをベッドに座らせて両手をやさしく握った。
「大丈夫だ。息できるから、落ち着いて。まず吐いて。そう。次はゆっくり吸って……」
先生はいつもよりうんとやさしい声で佐藤さんに声をかけた。駆けつけたスタッフはその様子を見ていることしかできない。
ようやく落ち着いた佐藤さんをベッドに寝かせると、先生は私に「さがっていいぞ」といった。
「ですが……」
「まだ仕事があるだろ。患者は他にもいるぞ。みんなも仕事に戻っていいからな」
「わかりました」
私はこの場に留まりたかった。先生と佐藤さんを二人きりにしたくなかった。けれど、先生が言うように患者は他にもたくさんいるし、検温も終わっていない。それにこれから朝食の配膳をしなければならない。
***
「和美はパニック障害を患っている」
夕食後の自宅のリビング。ソファーに向かい合い、いつものようにくつろぎながらコーヒーを飲んでいると、まるで思い立ったように先生が言った。
「そうだったんですね……」
だから彼女は私との会話で急激なストレスがかかって発作を起こしてしまった。もしかしたらあの夜も同じような状況だったのかもしれない。
「ごめんなさい」
佐藤さんにパニック障害があろうがなかろうか、私的なことで感情的になって言い合になるなんて看護師として、プロとしてあってはならないことだ。
「どうして絢香が謝るんだよ」
先生は飲んでいたコーヒーカップをテーブルに置くと、私の隣に座った。
「私のせいだから。仕事を忘れて佐藤さんに張り合ったりしたから……彼女が発作を起こしてしまった」
「違う。絢香のせいじゃない。いい加減自分を責めるのは辞めてくれ。でないと俺も辛い」
先生は私を抱きしめるとその腕に力を込める。
「正臣……好き」
耳元でそうささやくと、先生はびくりと体を震わせた。
「おい絢香? 突然どうしたんだよ」
突然だと思われるのは仕方のないことなのかもしれない。私もまだ戸惑っているのだから。
「好きみたいなの」
佐藤さんに嫉妬してこの気持ちに確信を持ったし、もっと深めていきたいと思った。だから先生の全部が欲しくなった。
「あのな、絢香。そういうこというと押し倒すぞ」
「いいよ」
「そっか、じゃあ遠慮なく」
抱きしめていた腕をほどくと、先生は私を抱き上げた。
「きゃあ、なに?」
体がふわりと宙に浮き、私は先生の首に腕を回してしがみつく。
「怖い」
「大丈夫だよ。ベッドへ行こうか、絢香」
軽々と私を運んで、ベッドルームへ移動する。薄暗い部屋。キングサイズのベッドの中心へ私を降ろした。
シーツのひやりとした感触が全身を包み込む。私は反射的に身を固くした。
「どうした? 今日は止めてこうか?」
私の上に覆いかぶさった先生は私の顔をじっと見つめる。
「ううん、平気。……でも少し緊張してる」
同棲を始めてひと月が経って、好きを自覚してこうしてベッドで抱き合うということがこんなにもドキドキするものだなんて知らなかった。
「俺もだよ」
「嘘つき」そう言いかけた時、先生の唇が重なった。
普段よりも熱を感じる。少し離れて、角度を変えてまた重ねられた。
息をするタイミングがわからなくて私は先生の胸元を軽く押して唇を離した。
苦しくて金魚みたいに口を開け「はあ」と息を吸う。
「大丈夫か?」
余裕の笑みを向けられて、緊張しているなんて嘘じゃないかと改めて思う。
「もっと優しくして」
「悪い、気を付ける」
先生は私の髪を撫でながら頬や耳、首筋に唇を這わせていく。
上着を脱がされ、下着を外される。とっさに手で隠そうとすると、先生はそれを阻止するように私の手首を持ち頭の上で束ねた。
「すごくきれいだよ」
露になった胸のふくらみに先生の視線を感じて恥ずかしさに顔を赤く染める。
「そんなに見ないで……」
あまり大きくないし、形も自信がない……どうしても椎名ほのかの完璧なスタイルと比べてしまう自分がいた。
「恥ずかしがる絢香もかわいいな」
「もう。バカ……」
「ああそうだよ。好きな女の前では男はみんなバカ野郎だ。だから優しくなんてできないかもしれないな。覚悟しろよ」
先生は言葉とは裏腹に、私の体をとても丁寧に扱ってくれた。初めての時よりも愛情を感じるセックス。
体を重ねて不完全だった先生への気持ちがちゃんと固まったように思えた。
「正臣、好き……好き」
きちんと言葉にできなくて、何度もうわごとのように伝えると先生は私の体をしっかりと抱きしめて、
「俺も好きだ。絢香」
そう言ってくれた。
コメント
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あー、もうめっちゃ良かった!第2話でここまで感情揺さぶられるとは思わなかったわ。絢香が「好き」って自覚するところ、嫉妬ってやっぱり自分の気持ちを確かめるきっかけになるんだなってリアルだった。先生の「押し倒すぞ」→「いいよ」の流れ、最高すぎるっしょ!最後のベッドシーンも愛があって尊い…これからどうなるかめっちゃ気になる🔥