「 なぁ 、知ってる ?笑 」
「 東卍の 壱 番隊 副隊長 クビだってよ 笑 」
うるせぇ 、
「 はッ ! 場地さんッッ !!!! 」
「 ちふッ _____ 」
8月2日 、2012 年 、
まだ蒸し暑いというのに 、その鋭い音は 、
自分の背中をキンと震わせた 。
「 え 、 ? 」
振り向けば 、千冬の金髪が赤く染められて 、
地面を赤く濡らした 。
千冬はピクリとも動かなかった。
鉄パイプをもった男は息を切らして 、
自分が殴ったくせに何故か泣いていた 。
「 ッ 、悪いな 、松野 、
勝負は勝負だ 、前からお前のことが気に入らなかったッ 、」
気絶している彼にそう語る彼が 、憎く思えた 。
そんな男に殴りかかった 。
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「 もう やめてくださいッ !!!!! 」
そんな怒鳴りこんだ声が俺の殴る腕を止めた 。
「 … 、」
振り向けば千冬が震えたように 、泣いていた 。
「 …… 千冬 、 ? 」
「 もうッ 、やめてください 、!!!
そいつは悪くないッ !!!!! 」
何を言ってるか理解ができなかった 。
俺は何も間違ったはしていないのに 。
お前を傷つけた奴を 、俺は 。
そういうと 、足を引きずり 、ふらふらとこちらへ歩いてきて 、
俺の元て歩いてくると思えば 、
俺の事など無視して 、先程まで殴っていたヤツに肩を貸し、
敵のボスの方へ歩いていく 。
その姿を見た隊員たちは 、裏切り者だったのか ?
なんでそっちに行くんだ?副隊長!!
などの声を上げた 。
ボスの方へ歩いていくと 、ボスは千冬の後頭部を引き寄せ、抱きしめるかと思えば 、
首を絞め睨みつけた 。
「 何度同じ失敗をした?
何故ここまで時間がかかった?
俺の期待を 、踏みにじるのか ?」
千冬は苦しむような素振りは見せず、
ただ 、やられるがままだった 。
ボスは舌打ちをして、千冬のみぞおちを蹴り上げ 、
「次はねぇぞ 」と脅しを入れた 。
千冬は何も言わず 、頷くがままだ 。
「 どういうことだよ ?千冬ぅ 。」
「 ッ 、俺はずっと 、アンタが憎かった 、
ずっと 、ずっっと!!!」
「はぁ、? 」
「 … あれは 、10 月 31 日 の 前の日 、
ばるはら 入りの踏み絵の日です 、
今まで無視をしてきたというのに 、
その日は何故か話しかけてくれた 。
それだけで嬉しかった 、
だから喜んでついて行った 。
着いてみれば 、廃墟になったゲーセン 、首がない天使を見て 、察した 。全てを 。
予想通り 、見世物のように殴られて 、
おもちゃのように踏みにじられた 。
ッ 、俺は信じてたのに 、
俺を初めに裏切ったのは 、テメェだよ !!!
俺はッ 、サーカスのライオンでも 、
人形でもなんでもない !!!
ちゃんとあんたと同じ !! 人間だ !!!!
俺はここまで慕ってきた 、
愛し続けていた 、でもずっと片思い 、
アンタの1番は 、いつだってマイキーくんや一虎くんなんでしょ!?
血のハロウィンの時だって 、一虎くんのため 、
マイキーくんのため 、
俺は何番目 !?!?w
俺はずっとあんたが1番だったよ 、?
俺だけなの 、? 」
そう泣きぐしゃる彼に俺は何も言えなかった 。
そっか、いつの間にか俺は許してくれているだろうと
勝手に思っていた 。 勝手に 。
彼にそれほどまでに恨みを買っていたんだな。
そりゃそうか、あんた事されれば 、
誰だってそうだ 。
誰もがこうなるだろう。
「 もう … 孤独ですよ ?場地さん 笑 」
ドサという音と共に声が消えた 。
千冬は不気味な笑みを浮かべていた 。
後ろを振り返れば 、隊員が全員倒れていた 。
「 … 孤独なのは 、テメェもだろ 。千冬ぅ 。」
「 仲間以外は信用するな でしたっけ ?笑 」
「 上等上等 。行くぞ ゛千冬ゥ゛ !!!!」
「 来いや ゛隊長 ゛ !!!!」
「 当たり前の結果だよなぁ … 、」
もう体動かねぇ 、千冬は連れ去られるちまうしよ 、
あいつ … 洗脳されてんな 、
千冬ならこんなことしねぇ 、って、
勝手に思い込んでるんか 、でも、
本音じゃねぇ 。あいつの目を見ればわかる 。
怯えているのか 、なにかに脅されたのか 、
…… 薬 … か、?
1年前 、同じことがあった弐番隊で 、
薬を飲まされて急におかしくなったやつ 。
そいつと同じなのか ?
いや、わかんね、とりあえず … 、
総長 に 報告 だな 。
マイキー
「 千冬のことどうするんすか 、」
隊員が恐る恐る俺に聞いた 。
「 さぁな 、」