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私の名前はラケルギンガク。
今はもういない旧帝国時代の人間だった記憶を持つロボッ娘だ。
さて……今現在私の目の前にいるのは、とある少年とその仲間たちだ。
彼らはこの深層域にある遺跡の調査のためにやってきたのだが、その途中で強力なモンスターと遭遇してしまったのだ。
いや、遭遇してしまったというのは語弊があるかもしれない。
なぜならば、彼らはすでにその怪物と戦っていたからだ。
そう、私たちの仲間がすでに戦いに敗れてしまっていたのだから。
彼らの仲間の一人、白髪の女性が地に伏している。
全身傷だらけになり、顔色は青白く、呼吸も弱々しい。
致命傷を負っているのは明らかであった。
「……みんな」
そんな彼女を見て、私は思わず声を上げそうになる。
しかし、私が口を開くよりも早く、リーダー格と思われる少年が叫んだ。
「おい! まだ生きてるか!?」
「……なんとかね」
女性の声音はとても小さいものだった。
おそらく意識を保つだけで精一杯の状態なのだろう。
「……ごめんなさい。油断したつもりはないんですけど……」
「……ふーん」
「でも、もう大丈夫ですよ! こんなことじゃ泣かないです!」
「…………」
「……えっと、その……?」
「あぁ、いや別に気にしてないよ。私だってたまにあることだ」
「そうですか? よかった……」
「うん。それにしても……君たちは面白いね」
「えっ!?」
「だってさ、普通そんなにすぐ切り替えられないよ。本当にすごいと思う」
「そ、そうなんですかね……?」
「うん、そう……じゃあ明日ね!」
通話を終えた携帯端末を手に、少女──ミリィはベッドの上に寝転ぶ。その表情はとても嬉しそうだ。
「ふぅーっ! これでやっと二人っきりになれるよぉ~」
彼女は一人きりの部屋の中で、ニヤケ顔のまま呟く。そしてそのまま枕を抱き締めると、ゴロンゴロンと転がり始めた。
「えへへぇ~楽しみだなぁ♪」
彼女がこんなにも喜んでいる理由はただ一つ。それは明日の休日を使ってデートをする約束をしたからだ。しかも相手はクラスメイトであり親友でもある女の子。そんな彼女と二人だけで出かけるのは久々だった。
(やっぱり好きな人と一緒だと嬉しいよね)
先ほどまでの笑顔とは打って変わり、今度は幸せそうな笑みを浮かべる。しかし、それも束の間のことだった。
「ん?」
何かを思い出したかのようにハッとした顔をすると、ミリィは再び携帯端末へと視線を向ける。そして少し操作したあと、画面上に表示されたとある人物の名前を見て思わず苦笑いしてしまった。
「もう……今頃になって連絡してくるなんて」
画面に表示されている名前を見た途端、ミ