テラーノベル
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洗面所からシャカシャカと水音が聞こえ、ちぐさとけちゃが「泡立ちいいね!」「キレイになってきたよ〜!」と楽しそうに喋っている。
けれど、今までずっと肌身離さず抱きしめていたぬいぐるみが手元にない。
ぷりっつはソファの上でソワソワと体を揺らし、視線をキョロキョロと彷徨わせて落ち着かない様子だった。
(手……なにもない……どうしよう……っ)
不安で呼吸が少し浅くなりかけたその時、ぷりっつは何かを思いついたようにパッと立ち上がった。
(とて……とて……)
向かった先は、ダイニングテーブルでパソコンに向かって一心不乱に動画編集をしているあっきぃの後ろ。
(くいっ……)
あっきぃ 「ん……? わっ、ぷりちゃん! どうしたの?」
控えめに服の裾を引っ張られると、ぷりっつはあっきぃの腕を「ぐいーっ」と力いっぱい引っ張り始めた。
あっきぃ 「え、え!? ちょっと待って! どこ行くの〜!?」
あっきぃを強引に立ち上がらせると、ソファまで連れて行き、その右側に「座れ」と言わんばかりにぽんぽんと叩いて座らせた。
続いて、リビングの端で黙々と腕立て伏せをしていたまぜ太のもとへ一直線。
(くいっ、くいっ)
まぜ太 「んぉ!? ぷりちゃん!? 俺いま筋トレ中……」
ぷりっつ 「……ん!」
まぜ太 「あーはいはい! 行きます行きます!」
まぜ太もあっきぃとまったく同じようにソファまで連行され、今度は左側に座らされる。
二人をぴったり座らせると、ぷりっつはどこか満足そうに「ふぅ」と小さく鼻を鳴らした。
あっきぃ 「……ねぇまぜち、俺たち何させられてるの……?」
まぜ太 「知らん……急に連行されたんだが……」
顔を見合わせてポカンとしている二人。
遠くでその様子を腕組みしながら見ていたあっとも、呆れたように声を漏らす。
あっと 「……なんだ? お前ら二人でなんか怒られんのか?」
すると次の瞬間、ぷりっつは二人の間に出来たわずかな隙間に、小さな体をすぽっと割り込ませて座り込んだ。
右側にあっきぃ、左側にまぜ太。
そして、二人の服の裾を両手でギュッと固く握りしめる。
あっきぃ 「……!?」
まぜ太 「……うおっ!?」
あっと 「……あー……なるほどな」
突然の行動に目を丸くするあっきぃとまぜ太。
ぬいぐるみがなくても、大好きな二人の挟まれポジションと、握りしめた服のぬくもりがあれば安心できる――ぷりっつなりに考えた、とびきりの「代わりの特等席」だった。
まぜ太 「……なんだよこれ、可愛すぎるだろ……ッ!」
あっきぃ 「ぬいぐるみの代わりに俺たちのこと挟んで充電してるの……!? え、尊すぎて無理……!」
理由を理解した二人は一瞬で表情を破顔させ、挟まれたぷりっつの頭を左右から愛おしそうに撫で回す。
あっともフッと笑いながら、作業の手を止めてぷりっつの頭をぽんと叩いた。
両手から伝わる温かい体温に包まれながら、ぷりっつは二人の服をキュッと握り直し、今度こそ心から安心したようにふにゃりと表情を緩めるのだった。
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コメント
3件
え、可愛すぎて無理(? prちゃん可愛すぎてもう、うん、今までありがとう………🪦
ああー、めっちゃ良かった……! ぬいぐるみがない不安から自分で「代わりの安心」を組み立てるぷりっつ、賢いし可愛すぎるわ。あっきぃとまぜ太を連行して挟まれポジション作るところ、あっとの「なるほどな」も含めて全員の優しさが沁みた。両手で服の裾ぎゅっ、って握る仕草にもう完全にやられた。こういう「強さじゃない安心の描き方」、めちゃくちゃ好きだわ🔥