テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第20章
神を降ろす方法
第151話:壊せないもの
王都中央。
国家神アルケイオンは、
まだそこにいた。
破壊できない。
斬れない。
融合も通じない。
「……倒す方法が、
最初から無かった」
健は、
小さく笑う。
「なら――
降ろすしかない」
第152話:神の存在理由
エリナが、
健の隣に立つ。
「国家神は、
“必要”によって存在する」
「恐怖。混乱。
選びたくないという願い」
健は、
空を見上げる。
「じゃあ、
必要なくなれば?」
エリナは、
静かに頷いた。
第153話:問いを投げる
健は、
人々の前に立つ。
演壇も、
光もない。
「神は、
正しいと思う」
「でも――」
一呼吸。
「神が正しいなら、
お前は考えなくていいのか?」
沈黙。
その問いは、
誰も否定できなかった。
第154話:答えないという行為
人々は、
すぐに答えない。
それでいい。
誰かが、
隣を見る。
誰かが、
視線を落とす。
考える時間が、
生まれる。
それこそが、
神のいない時間だった。
第155話:奇跡が起きない日
アルケイオンは、
奇跡を起こさなかった。
必要条件が、
満たされない。
《信仰値:低下》
《依存度:分散》
神は、
“待つ”しかできない。
第156話:レオンの理解
レオンが、
腕を組んで言う。
「……剣を振る必要、
なかったな」
「一番、
面倒なやり方だ」
健は、
笑った。
「殴るより、
疲れる」
「だろうな」
それは、
最大級の肯定だった。
第157話:神の最後の問い
アルケイオンが、
健を見る。
「理解できない」
「なぜ、
私を否定しない」
健は、
答える。
「否定したら、
お前は敵になる」
「俺は――」
一拍。
「お前を、
道具に戻す」
第158話:神は降りる
アルケイオンの姿が、
薄れる。
人々が、
祈るのをやめる。
代わりに――
互いを見る。
《国家神機構:
自律停止》
神は、
壊れなかった。
役目を終えただけだ。
第159話:均衡の回復
観測層。
ノクスが、
結果を見る。
「……均衡、回復」
監査官が問う。
「対象・野山健は?」
ノクスは、
初めて断定を避けた。
「……保留」
それが、
最大の譲歩だった。
第160話:人として立つ
夜。
健は、
街を歩く。
英雄でも、
神でもない。
ただの、
一人の人間。
リュシアが、
隣で言う。
「これで、
終わり?」
健は、
首を振る。
「始まりだよ」
空には、
星が戻っていた。
均衡は、
人の手に。
そして世界は――
もう一度、
選べる場所になった。
第20章・了