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5 - 第四話 アメリカのパーティとソルグの決意

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2025年08月15日

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第四話:アメリカのパーティとソルグの決意

日本での滞在を終え、ソルグとルーナは次なる目的地、アメリカへと向かった。

空港に降り立つと、そこにはすでにアメリカが陽気な笑顔で待っていた。


🇺🇸「ヘイ!ソルグ!ルーナ!ウェルカム・トゥ・アメリカ!日本の旅はどうだった?」


☀「アメリカさん!楽しかったです!ルーナも少しだけ元気になったみたいです」


ソルグがそう答えると、アメリカはルーナの小さな頭を優しく撫でた。


🇺🇸「そいつはグッドだぜ!日本のあいつは、なんだかんだ言って優しいからな。でも、俺たちのパーティは、もっと楽しいぞ!最高の音楽と、最高の食べ物があるんだから!」


アメリカはそう言って、二人を車へと案内した。車内では、アップテンポなロックミュージックが大音量で流れており、ルーナはびくりと体を震わせた。


🌙「…ソルグ…こわい…」


☀「大丈夫だよ、ルーナ。ちょっと音が大きいだけだ。すぐに慣れるさ」


ソルグはルーナの手をしっかりと握り、安心させるように微笑んだ。


アメリカが二人を案内したのは、高層ビルの最上階にある、煌びやかなパーティ会場だった。そこには、数えきれないほどのボールたちが集まり、楽しそうに会話をしたり、ダンスをしたりしている。会場の喧騒と、派手な光、そして様々なボールたちの視線が、ルーナの心を再び凍りつかせていく。


ルーナはソルグの軍服の裾をぎゅっと掴み、その背中に隠れてしまった。


🇺🇸「ヘイ!ソルグ!ルーナ!どうだ?すごいだろう!」


アメリカは得意げに胸を張るが、ルーナは一歩も動こうとしない。


☀「…アメリカさん、すみません…やっぱり、人が多い場所はルーナにはまだ…」


ソルグは申し訳なさそうに謝った。


🇺🇸「そうか…無理しなくていいんだぜ。でも、せっかく来たんだから、何か食べようぜ!ハンバーガーとピザ、どっちがいい?」


アメリカはルーナに気遣いを見せ、二人のために食べ物を取りに行ってくれた。しかし、ルーナはソルグの背中から顔を出すことすらできない。人々の視線が、まるでナイフのように突き刺さるような感覚に襲われ、彼女の頭の中には、8年間苦しんだ過去の記憶がフラッシュバックしていた。


🌙(どうして、こんなところに…いやだ…いやだ…)


母親に罵倒され、見知らぬ人々の嘲笑にさらされた日々。その光景が、ルーナの脳裏に鮮明に蘇る。


ルーナの体が小刻みに震え始め、ソルグはすぐにそれに気づいた。


☀「ルーナ…どうしたんだ…?」


🌙「…いやだ…いやだ…帰りたい…帰りたいよ、ソルグ…!」


ルーナは涙を浮かべ、必死にソルグに訴えかけた。ソルグはルーナの震える小さな体を抱きしめ、すぐにパーティ会場を後にした。


屋上へと続く階段を駆け上がり、二人は静かな非常口へとたどり着いた。

そこには、夜景を眺める一組のカップルしかおらず、ルーナはソルグの胸に顔をうずめて、ようやく落ち着きを取り戻した。


🌙「ごめん…ソルグ…私、ダメだ…」


☀「謝るな、ルーナ。お前は何も悪くない。俺が無理をさせたんだ」


ソルグはルーナを抱きしめ、彼女の頭を優しく撫でた。


☀「ルーナ、よく聞いてくれ。お前はもう、一人じゃない。俺が、どんなことがあってもお前を守る。もう二度と、辛い思いはさせない。だから…怖がらないでいいんだ」


ソルグの力強く、そして優しい言葉が、ルーナの心にじんわりと染み込んでいく。


その時、アメリカが二人のもとにやってきた。彼は手にはハンバーガーとピザ、そしてコーラを持っていた。


🇺🇸「ごめんよ、ソルグ。俺のせいでルーナを怖がらせてしまったな」


☀「いえ、俺のほうこそ、無理をさせてしまって…」


アメリカは二人に向かって、少し寂しそうな笑顔を見せた。


🇺🇸「ルーナ、本当にごめん。でも、このハンバーガーとピザは、この街で一番うまいんだぜ。もしよかったら、少しだけでも食べてくれないか?」


ルーナは恐る恐る顔を上げ、アメリカが差し出したハンバーガーとピザを見た。そして、ソルグの顔をうかがう。ソルグが優しく頷くと、ルーナは小さな手でハンバーガーを受け取った。


🌙「…ありがとう…アメリカさん…」


ルーナは震える声でそう言うと、一口だけハンバーガーを食べた。


アメリカは、その一口を見て、心底嬉しそうに微笑んだ。


🇺🇸「いつか、ルーナがたくさんの人と一緒にパーティを楽しめる日が来ることを、俺は願ってるぜ」


ソルグは、ルーナのハンバーガーを食べる姿と、アメリカの優しい笑顔を見て、改めて決意を固めた。


☀(ルーナを、必ず守り抜く。ルーナが笑顔でいられる、平和な国を、俺は必ず作ってみせる…!)


その夜、ルーナはソルグの腕の中で、安らかに眠りについた。窓の外には、煌びやかなニューヨークの夜景が広がっていた。


(続く)

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