テラーノベル
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あの後、イタ王に確認をとって、すぐにデスクに戻り、進捗を伝えた。
自分に感じた恐怖の払拭はまだできていない。
ナチスは、一緒に帰ろう。と声をかけてくれたが、俺は、俺は。
自分の気持ちとの折り合いもついていない。
そんな状況で、一緒に帰るなんて無理だと。
今、一緒にいたら、積み上げてきた全てを壊しそうで。そんな勇気なんかこれっぽっちもなかった。
用事があるから…と、逃げるように自宅に帰ってきてしまった。
ソ連「悪いことしちゃったな…」
一番安心できたのは、アイツの隣だったったてのに。
今じゃ、一番怖い。
情報があまりにも少なすぎる。恐怖の意味を知りたい。
そうすれば、昔みたいに戻れるハズ、もう一度一緒に笑えるはずだから……
……そうだッ、国際連盟のところに行こう。
何か、知ってるかも。
他の家と比べて、一回りほど大きな家の前にきた。
身をかがめて、恐る恐るチャイムに指を近づける。一瞬ナチスが頭に浮かんで、指が止まる。
本当にいいのか?知らないまま、俺だけが違和感を抱えて、普通に接すれば…
………できない、できやしない。
再び動き出した指は止めることもできずに、チャイムを鳴らした。
国際連盟「はーい。あぁ、ソ連君ね。今出る。」
ドライな声が、インターホン越しに聞こえてくる。
昔と変わってなくて、よかった。
すぐにガチャリと扉が開き、スラリとした180cm前後の国が出てくる。
国際連盟「何か用。」
ソ連「昔のことを教えて欲しい。」
国際連盟「……」
ソ連「歴史のこと…」
国際連盟「今、“歴史”って言った?」
ソ連「………」
国際連盟「規律で決まってるはずだよ。それをいうのは禁句だって。」
ソ連「わかってる…もう、何年こっちにいると思ってるんだ。」
国際連盟「知ったこっちゃない。残念だけど、無理だね。さあ、帰った帰った。」
ソ連が不敵な笑みを浮かべ、国盟の目を見つめる。
ソ連の心の奥底には重い不安が募りに募っていたが、もう止められない。
……知りたい余計な欲によって。平然を振る舞う瞳の奥には必死の色が窺えた。
ダークイェローの瞳は不安気に揺れ動くが、それを覆い隠さんとばかりに表情が強張る。
その緊張感に怖気付いたのか、国盟は少し後退りをする。
ソ連「俺とナチスが敵国だったのは知ってる。って言ったら?」
国際連盟「はッ!?なぜそれを!情報は厳重に図書館で管理したハズ…」
ソ連「詰めが甘ぇんだよ。カマかけただけ。」
国際連盟「チッ、このっ」
ソ連「いいのか?今ここで、大声で叫ぶぞ。知られたくない“歴史”をな。」
国際連盟「クソがっ!なんの情報が欲しいんだ!?」
ソ連「…あっさりだな。まあ、いい。俺が知りたいのは『第二次世界大戦』についてだ。」
国際連盟「……。お前、記憶が少々戻ったようだな。」
ソ連「さあね。どこに戻ったっていう判断材料が?」
国際連盟「目つきだ。あん時とそっくり。」
ソ連「ふーん、俺にゃあ、よく分かんねー。」
無理矢理と言っても妥当な会話で、国盟を強行突破したソ連は、
国盟と一緒であれば、図書館に入る許可が出たのだった。もちろん、一度きりだが。
夜の帳が下りて、俺は雲に覆われた夜空を見上げる。少し寒くて、身震いがした。
流石の国盟も昼間に国と一緒に図書館に入るのは気が引けたのだろう。
入るのは深夜ということに決まった。
ズキリと頭が痛んで、断片的な記憶だけが脳内に放り込まれる。
『ナチスは机に置いてあった拳銃をゆらりと持ち上げた。止めないと。やめさせないと。
俺とナチスの為にも。』
妙に頭に響く記憶だ。なぜ俺は止めたかったんだろう。
疑問を後回しにして、国盟のもとへ向かうソ連。
気の所為か足取りは重く、寒さで震えていた。
コメント
3件
記憶を消されちゃったけど段々と思い出していってる…!
あ"ぁお‼️