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夜の暗い景色に真っ白な吐息が溶け込んでいく。

ナチスが笑いかけてくれた表情が頭をよぎって、

これからすることは本当に正しいのかと、思い悩んでしまう。


……いや。いや!仕方がないんだ!!

アイツと笑えなくなることが俺の悲しみなんだから。

確かめたい。でも、何かが壊れてしまう気がする。

足は雪に深く沈み込み、ナチスの顔が何度も何度も頭に浮かんでは消える。

今知らなければ、一生この違和感を抱えてしまう。

ナチスだったら、なんて言うだろう。歩こう。どれだけ嫌でも。


夕方と同じ道を通っているはずなのに、全てが暗く沈んでいて心細くなる。


ぼんやりとしたまま道を歩いていたら、

懐中電灯を片手に俺を待っている国盟がいた。


国盟「……僕は暇ではないんだ。無駄な行動は控えろ。」


そんなに俺に情報を取られたくないのか。

国盟が俺の前を歩き出す。それに従って後ろをついていく。


しばらくして、ガラス張りの厳重に閉ざされた図書館…というより、洋館が見えてきた。

国盟がポケットからアンティークな鍵を取り出し、鍵穴にそれを入れると

不気味なほど静かな図書館にカチャリと金属音が響く。

恐る恐る一歩を踏み出す。古びているのか、ギシィッと木が軋む音がした。

あまりにも静かで、自分の鼓動と息遣いだけが聞こえてくるような感覚に陥る。


ソ連「どこにあるんだ?」

国際連盟「そこの棚。」

ソ連「ありがとな、」


本の題名をあらかた見終わるが、第二次世界大戦の記録が載った本は見当たらない。


ソ連「嘘ついてないよな?」

国際連盟「嘘は、ついてない。」


どうにも怪しい。そこまでして諦めさせたいのか…

まあ、表紙が入れ替えられてるとかもあり得るか。

手始めにこの本から…って、動いた…?


目を擦っても、頬をつねっても本は棚の奥の方へ動いていた。

次の瞬間、本棚の中心がパッカリと開き、もう一つ部屋が現れた。

息を吸うのを忘れていたことに気づいたのは、本棚が開ききってからだった。


ソ連「どうなってる…!?」

国際連盟「特に見られたくないものはここに隠していた。」

ソ連「お前、この棚を指したのに、やっぱり嘘ついたんだな。」

国際連盟「そこの棚にあるとは一言も言ってない。」

ソ連「……」


少し、言い方にムカついたが、それは今騒いでもしょうがない。

中心に置いてある一冊の本に歩み寄る。

『World War II』

そう、書かれていた。


国際連盟「本当にいいのか?」

ソ連「……もう決めたことなんだ。口を挟まないでくれ。」

国際連盟「まだ引き返せるぞ。」

ソ連「…黙れ。」

国際連盟「………」


厚いハード本の表紙に手をかける。

めくった、1ページ。


『1*39年 月1日、ナチ×がポーラ#ドに侵攻』


2ページ目。

文字を追っているはずなのに、内容は頭に入ってこない。

否、読めない。



『194#年 月2*日日独*三国 慊@$』


ここでもない。

ペラペラと紙をめくる小さな音だけが部屋に響く。


『1939年8月23日独ソ不可侵条約締結』


これか…?なら、俺たちは敵国じゃなかったのか…

視線を本から外しかけたとき、ある単語が目に入った。


『1941年6月22日独ソ不可侵条約破棄。独ソ戦開始。』


視線が、そこから離れなかった。

瞳の中の十字架と鎌槌

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