11話 セフレがだれと会おうとも
しばらくして、小林はふいに腕をほどいた。
緩い檻から解放され、吸い寄せられるように前を見れば、小林の瞳が一段と柔らかくなった。
「落ち着きましたか?」
返事はできない。
でもそうだと伝わったらしく、小林はほっとしたように目を伏せると、はだけたブラウスのボタンを留めていった。
身なりを整えて席に戻り、小林は閉じていたノートパソコンを開く。
「じゃ、打ち合わせを続けますね。フリッツ社のお問い合わせフォームは、今回ユーザーの問い合わせ別にリンク先を細かく分けることになっていますが、今回新しく加わるのが、業者関連窓口の細部化で……」
小林はパソコンを見つめ、淡々と話を始めた。
その様子に、複雑な心境が胸を渦巻く。
小林が俺との関係を割り切っていないと困るのに、温かい場所から一気に冷たい現実に引きずり戻されたような気がした。
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