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俺は思いついた。
「癒良。」
ベッドで昼ご飯を食べている癒良に声をかけた。
「ん?」
さっき少しだけ泣いたせいか、少しだけ目が赤かった。
「【死ぬまでにやりたいことリスト】みたいなの作ろう。」
「【死ぬまでにやりたいことリスト】?」
「うん。死ぬまでにやりたいことを書いて死ぬまでにできるだけやってみよ
うかなって思って。」
癒良が手を止めていうつむいた。
「嫌なら全然無理しなくていいんだけど。」
俺がそう言った瞬間癒良は、パッと顔を上げた。
癒良の目はキラキラと輝いていた。
「やってみたい!」
言うと思った。
「よし。じゃあやるか。」
「うん!」
癒良は元気に返事をして、昼ご飯を一気にかき込もうとした。
俺はその手を止めた。
「まだ、全然時間あるからゆっくり食べろ。」
癒良は「エヘへ…」と笑って、またゆっくり食べはじめた。
よし。俺は【死ぬまでにやりたいことリスト】作るか。
そう思って、癒良のベッドの横の棚に空いてるノートはないかなと探した。
「あった。」
空いてるノートは、空が描かれていた。
夕日の絵で、地平線が赤く燃えていた。
俺はそのノートに心を奪われていた。
「このノート使って大丈夫…?」
俺が昼ご飯を食べ終わった癒良に話しかけた。
「ん?それ?いいよ」
癒良が軽く返事をした。
そして俺は1ページ目を開いて癒良に渡した。
「ここに、やりたいこと書いて。」
そう言って、シャーペンと消しゴムを渡した。
癒良はシャーペンを手にしたけど、困ったように手を見つめていた。
「…癒良?」
なにかあるのか…?
「…」
俺の問いかけに癒良は答えなかった。
も、しかして…
「…字、書ける…?」
俺の問いかけに、癒良はポロポロと涙をあふれさせた。
「っえ!?癒良!?」
「…ごめ、んっ…」
癒良が突然謝って、俺はすごく焦った。
急なことで戸惑って俺はとっさに、泣いている癒良の頭を優しくなでた。
「癒良。大丈夫だよ。」
俺は微笑んで癒良に言った。
「俺が書くから癒良は、やりたいこと教えて?」
微笑みながら優しく癒良に言うと、癒良はコクっとうなずいた。
「おし。」
俺は癒良のベッド癒良の隣に座った。
「なにやりたい?」
「んーとねぇ〜…」
癒良の泣いた顔、久しぶりに見たなぁ〜…
俺が守ってあげなくちゃな……俺がヘナヘナしてたらダメだ。
幸せにしてあげないと…な。