テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ゆあ。🪽
5
984
#擬人化
まる。
3,429
コメント
1件
いやもう、冒頭から來亞ちゃんの「おかえり」と擦り寄りでノックアウトされました…。転勤の話を聞いてすぐに「遠距離恋愛 コツ」を検索しちゃう彼女、可愛すぎて抱きしめたくなりますね。でもその直後に「彼女の人生を奪えない」と悩む柚葉さんの心情がすごくリアルで、この二人の関係性が一瞬で愛おしくなりました。続きが気になります!
それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
🩵「…海外に転勤、ですか?」
お昼休憩終わりに上司の美咲さんに呼ばれて会議室に着いていくと言われたのは転勤のお話。
上から私を候補に入れるという連絡が来たと。
どうやら今すぐという訳では無いけど、頭の中に置いておくのが必要くらいの可能性はあるらしい。
🧡「昔行きたいって希望出してたよね?」
確かに言われればそうだ。
昔入社したばかりの時くらいに行った面談でそう伝えた記憶はある。
でも今とは状況が全然違う。
🧡「まあとにかく視野には入れといてね。」
🩵「分かりました、。」
自席に戻るまで様々な考えが浮かんだ。
転勤、か。
この会社で働き始めてから三年。
そろそろ何か大きい出来事があってもおかしくはない。
そんなことは分かっているつもりだ。
今までもお世話になった先輩方をお見送りしたことだって数え切れないくらいある。
これが良い刺激になることも、チャレンジの機会になることも、美咲さんが私のためを思って十分理解している。
だけど今の私には離れ難い彼女がいて。
考えていたら余計なミスをしてしまって普段よりも会社を出るのが遅くなってしまった。
來亜にこのことは言うべき?せめてちゃんと進退が決まってから?
どうしよう。
迷っているうちに最寄駅に着いてしまって慌てて電車を降りる。
遅くなったから先に寝ていてと連絡はしたはずなのに、部屋の電気が付いているのが遠くからでも見える。
ーーーーー
🩵「ただいま、」
玄関を開けて靴を脱いでいるとぱたぱたと走ってくる音が聞こえる。
🤍「柚葉、おかえり。」
ぎゅうっと擦り寄ってきた彼女を抱き締めてそのままリビングへ。
🩵「來亜、ありがとう。寝てて良かったのに。眠いでしょ?」
手洗いを済ませて戻るとご飯を温め直して待っていてくれた。
普段は寝ているはずの時間だからもうぽやぽやしていて眠たさMAXな彼女。
🤍「柚葉とお話したくて…、」
🤍「柚葉、朝もいなかったから、」
また可愛いことばっかり言って。
今日は早く帰ってこようと思っていたから來亜が寝ている間に家を出てきた。
帰りまでこんな遅くなるのは想定外だったけど。
🩵「遅くなってごめんね。」
頭を撫でると嬉しそうに目を細める彼女。
そしてご機嫌に今日は何をした、とか話し出してくれる。
🤍「今日は桜花が〜、」
ずっとニコニコしていて可愛い。
🤍「柚葉は?どうだった?」
🩵「特に何も…、あ、」
🤍「なーに?」
🩵「転勤、美咲さんから海外転勤の話をされたよ。」
🤍「え、…?」
🤍「柚葉、転勤するの?」
🩵「まだすぐにはしないよ、可能性があるって話されただけ。」
そう言うと少しだけ安心した表情になる。
🤍「…柚葉、私もう寝るね。」
🩵「うん、すぐ行くから寝てて。」
体調に影響が出そうだから來亜を寝室に押し込んで片付けを始める。
テキパキ動いたつもりだったけど実際は割と時間がかかってしまっていたみたいで、寝室に行く頃にはもう來亜は眠っていた。
寝落ちしたのかスマホが付いたままだった。
消そうと思って見ると視界の入ったのは、
『遠距離恋愛 コツ』
『恋人 海外転勤』
『遠距離の恋人の心を離さない方法』
なんて言葉が並ぶ検索履歴。
ちょっと待って、。
何これ、可愛すぎる。
これを調べるために先に寝室に戻ったと考えたらもうやばい。
思わず勢いのまま抱きしめそうになったけどギリギリのところで自制する。
起こしてはいけない。
とりあえずスマホの電源を消してベットに入る。
すぐに抱きついてくる彼女を受け入れて、先ほどの愛おしさを消化しようと必死に目を瞑る。
だけど、頭の中で海外転勤の話がずっと離れない。
來亜は來亜で今の仕事が天職だと言っていたし、周りにも恵まれているんだからそれを奪うわけにはいかない。
転勤になっても私だけで行こう。
さっきまでそう考えていたはずなのに、こんな可愛い存在を置いていけるわけない。
有難いことに來亜を養ったって余裕があるくらいのお給料は頂いているけれど、來亜の人生を私が奪ってしまうなんてことはしたくない。
でも、離れたくない。
結局一切眠れないまま次の日を迎えた。
next.