真っ暗の中ふと光る携帯があった。
俺は5人の元獅子組メンバーの意思表明を聞いた後喝入れをし、話を終わらせた。会議を終わらせると彼等の携帯がなり続けた。どうやら彼等はかなり忙しい中俺の話に付き合ってくれたらしい。そんななか俺はと言うと1人寂しくどデカいビルから歩いて出ていた。
その辺の風俗嬢より稼ぎ色んな所から引っ張りだこのりうら、喧嘩屋として一流のほとけ、部下を大量に持つ関西系統白楊派閥紫炎組若頭の初兎、都内1のキャッチであるないこ、知らない事はなんにもない情報屋のいふ、そんな街のトップに立つような男を友人に持つ凡人フリーターの俺は、暇潰し目的の事件の為に彼等を使うという事に少し躊躇いがあったため、彼らに何か渡そうかと考え、彼等の好きなものを思い出したく、高校の頃のアルバムを開いていた。
アルバムに映っていたのはみんなで遊園地に行った時の、東公園で部下に勝手に取られた時の、俺が病院で寝ている姿、色んなものがあった。このアルバムはないこが高校卒業の時に渡してきたもので一生俺らの仲は不滅という意味が込められているらしい、あの時は流石にこの歳まで関係が続くとは思わなかったが案外続くもんなんだな。俺はそれから高校のアルバムだけでなく小学生、中学生、日常の物まで次々と夢中で見て行った。時間が無い時程アルバムを見入っちゃうよな、気付いたら俺は3時間ほどアルバムを見ていた。当たりは真っ暗で部屋の電気もろくについてない中、スマホが音を上げた。LINEが来たようだ、俺はスマホを確認しようとアルバムを持ち立ち上がるとヒラヒラと落ちていく写真が1枚あった。
俺はそれを見た瞬間驚いてしまった。恐らく何時かの時の襲撃時に敵に証拠として撮られた写真なのだろう。格下相手との戦闘で余裕をかましていたのだろうか。彼等の瞳が敵に向けられるという事が少なかった。初めて見た写真だがこの時の獅子組にいた俺の心の余裕というものを思い出せるいい写真だと感じた。あの時みたいに俺らは頑張れるはず、あと少しで始める突撃は必ず勝ち星を上げれるんだ、そんな思いを俺は心に秘めた。
LINEを確認するとまろからだった。いよいよ明日に控えた敵ビルへの突撃の仕方、突撃人数、集合場所などなどだった。大勢の人間で行くと騒ぎになりかねない為、突撃は6人だけ。初兎とないこの部下は外を見張らせ、不都合があった場合突撃させる。あんなデカいビルを6人での散策は大変そうだが動きやすいため6人だけだそうだ。俺はまろからのLINEに了解。と端的に送った。
俺は今日何故かかなり神経を削ったのでアルバムを棚に入れたあと寝る事にした。ここのところ無理ばかりして疲れきった身体を癒すように好きな曲をイヤホンでかけながら俺は寝た。あ、もちろん有線イヤホンだからな?無線イヤホンは起きたらどこかに何故か消えているからあまり好かないものだ。
俺は昼頃に目を覚ました。どうやら今日はゆっくり寝る事が出来たらしいので俺は身体を覚醒させるために街へ出る事にした。俺は黒のタートルネックに濃い黄色のパーカー。裏表をハッキリ表現出来る黒と黄色は俺のお気に入りの色だった。靴を履き玄関のドアを開けようとすると心臓がドクドク鳴っていた。胸に手を当てずとも心臓のドキドキが分かるとは、、、相当俺も緊張しているようだった。しかし、こんな気持ちも街に出てしまえばおさらばだ。俺のこの心臓のざわめきさえも街に出てしまえばちっぽけな凡人フリーターの戯れでしかないようだ。俺は最高の街の空気に包まれ東公園に足を向けた。
東公園に着くと見知った女性が中央の噴水のそりに座っていた。
「あ、悠佑さん、、、」
「こんにちは、浦瀬咲良さん。この場所に居るのはまたりうらの入れ知恵ですか?」
噴水にいたのは浦瀬咲良、俺の依頼人だった。俺が東公園にピンポイントに居るなんて彼女は知らないはずだった。だとすると何故か俺の居場所を完璧に把握しているりうらが彼女に告げ口したのだろう、、、いやなんでりうらは俺の居場所が分かるのだろうか。
「悠佑さん。りうらさんからあらかたの話は聞きました。今日の夜突撃するんですよね?」
「そうですね。」
「あのッッ!!!」
「!?!?」
「あいつらをッッ!クソ野郎共をッッ、、、必ず裁いてください!!!」
驚いた。噴水から降りたかと思うと地べたに頭をつけ深く深く土下座をしてきたのだ。発言をする為に顔を上げた彼女の顔は涙で滲んでいたが鬼の形相で必死に訴えかけてきた。女性に地べたに土下座させるのは気が引けたが彼女の気持ちを考えると仕方ないかななんて考えた。何せ信じきっていた彼氏にことごとく騙され、沢山の知らない男に抱かれ、不特定多数の奴らに裸体で性行為をしている映像を見られているのだ。彼女の気持ちは男の俺には計り知れない物だったが残酷さなら伝わった。俺は泣きじゃくる彼女を噴水のそりに座らせ覚悟した。
この事件には数え切れない女性が犠牲になっている。現に目の前の女性は涙を流しているのだ。その親玉はたとえどんなに頭が良く社会に貢献していようが女性を食い物にするようなクソ野郎で人間としてのクズなのだ。俺はたとえ命を落とそうとも彼等のグループを潰す。そんな思いを心の中で轟かせた。
コメント
9件
毎日楽しみに待ってます!😆今回も相変わらず最高でした😄イラストうまいな…雲霧さんが書かれたんですか?仕事つらいってことは社会人?!頑張って下さい!(>_<)ゞ
わかる〜、暇な時アルバム見たりするわ……、自分保育園の時のアルバムどこやったっけ……?あれ?イヤホンは付けて寝たら首に巻きついてて死にそうになるから気おつけて〜 おしごと頑張れ!(˶'ᵕ'˶ )︎