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「それじゃあこの問題解けた人はいるかなァ?出来たよって人は手を挙げてくださーい!」

教壇に立つ女性がそう言い教室の子供達はうーんと困っている子が少し見えてる中で一際目立つ男の子が恥ずかしがりながらも手を挙げる。

「おー!転校生の『サトル』くんも出来てて凄いですねぇ!!」

………。そうか、これ出来て凄いになるんだ俺。

授業が終わり教室を出て屋上のベンチに腰かけ空を見て一息する。

「ふぅー………。俺今年で29だぞ?」

なんで俺はいい歳して子供たちと同じ席で同じレベルの授業を受けてるの?しかもそのレベルは小学一年生とかと同じ足し引きのしかも一桁の計算やぞ?なんでこんなことしてるの俺?

「おー!見ないと思ったらここにいたのかーサトルー!!」

「あっ…ど、どうも『ミハイル』さん。」

「さんって言うなサトル!お前は私の部下であると共に子供なんだから気軽に名前をで呼んでくれていいぞ!!」

「いや、それでも貴女『魔王』様じゃないですか。なのでいくら何でも呼び捨てはちょっと…」

そういうと思いっきり走ってきて胸元に飛び込んできたかと思えば上目遣いでこちらを見てくる。

「私はサトルを部下以上の家族としてみてるのにサトルは違うのか……?」

あぁ…痛い。その視線も痛いけど頭部に生えてる小さな角が腹に刺さっててクソ痛いんですけど…。

「あぁ!?サトルのお腹から血が滲んでる!!ごめんねサトル!『外』の人間だから身体丈夫じゃないんだもんね!ごめんね!!」

そう、俺はこの世界の人間ではない。諸事情によって俺はこの全く知らん世界にやって来たのだ。事の経緯を少し整理がてら思い出そうかな…。


俺の名前は『山崎 悟ヤマザキ サトル』その辺の中小企業で適当に働いていた一般人で、仕事に生きたというか生きざるを得なかったのでもちろん異性なんておらず悲しい生活を送っていた訳なんだが、ある日の夜自宅にてその週で使う資料をまとめている時のこと。

何徹目なのか分からないけど意識が朦朧としていて不意に意識を手放した時、それが俺の人生の分岐点だった。次に目を覚ますとそこはRPGでしか見ないいわゆる魔王の間みたいな場所で寝転んでいたのだ。

しかし、寝起きの俺はこれを夢と決めつけた状態で辺りを見渡し自身に向けられた言葉も適当に返事を返していた。内容こそ全てしっかりとは覚えてないが確かに覚えているのは魔王様であるミハイルさんから『今日からお前はペットであり部下であり私の子供で家族だ!』と言われた事である。これに対して俺は寝ぼけた頭で『はい分かりました』と返事をした。その発言がヤバいことに気がついたのは発してから数十秒経ってからのことである。

そして発言の取り消しを申し出ようとしたがミハイルさんは続けて『私のペットで子供なんだからまずは部屋を用意してよく寝てもらう!子供は遊んで寝るのが基本の仕事!元気になった後に勉強する!』と言われこの時点で自分がある程度大切にされることを理解した俺は素直にそのまま従ってしまいそして今に至るということだ。


「……い…………おい!………サト……サトル!?」

「んぁれ?ここ…は?」

「私の部屋だサトル!起きたか!!?」

「あれ?俺さっきまで学校の屋上にいた気が…」

「あの後私の角がお腹に刺さったみたいで血が足りなくなって気を失ったんだ!」

「あー、そういえばそうでしたね。確かにめちゃくちゃ痛かったなって感じはありましたもん。」

「ごめんね!ごめんねサトル!!私のこと……嫌いに………ならないで?」

角が刺さってたであろうお腹の傷は見当たらないから回復魔法とかで何とかしてくれたんだろうし自分の部屋のベッドをわざわざ選んで運んでくれたと考えれば嫌いになる要素がどこにあると言うというのだろうか。

何より魔王様、ミハイルさんが地球で言う五歳児とか六歳児とかそういう幼い見た目をしてて子供が別に嫌いではない身からすると可愛くて癒されるというもの。が、それを伝えるのは無礼にあたるのでここはグッとこらえて大人として振舞おう

「大丈夫ですよミハイルさん。直ぐに治療してくれたおかげでどこも悪くなってないですし、生きてるんでそれだけで十分です。」

「サトルゥゥゥゥ…………!」

「うわぁ!?鼻水垂らしながら抱きつかないでください!!いくら魔王様と言えどそれはお考えを!!?」

かくして俺は死んではないけど異世界で暮らしていくことになったみたいです。ぶっちゃけこの状況有り難すぎるので存分に甘えさせてもらおうかなと思ってたりする。

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