子供ナチと大人日帝の話です。
続くかは分かんない
今月もやってきた。
僕は月に一回、プロイセンと一緒に他国達に会いに行く日がある。
外を知らない僕が世界を知る為に必要な事で、欠かしてはならない。
別に外に出るのが嫌って訳じゃないし、そいつらに虐められてる訳でもない。
でも嫌だ。
あの目が怖いんだ。
日帝さんの、全部知ってるような鋭い目。
でもそれを理由に行かなかったら、僕は外に出る機会が無くなるから…
「ナチー!行くぞ、ほら」
「、っはい!」
急に呼ばれて返事を返してしまった。
行くしかないのか…
「よう日帝!元気か?」
「…またアンタですか」
めんどくさそうに返事を返す日帝さん。
一瞬こちらに視線を移してから、また話に戻る。
「そっけないなあ〜。そうだ、身長伸びたか?んー、165くらい?」
「前と変わらず163のままですよ。貴方が縮んだか視力落ちたんじゃないんスか」
一言が鋭い…
日が沈み始めた帰り道、一人で空を見ている日帝さんに会った。
「ぁ、あの、、」
僕の小さな声に気が付いたようで、視線を変えてこっちを見てくる。
「ナチか」
「えっと、その…」
声が詰まって出てこない。
どうしよう、怒られちゃうかな…
「…」
「っん、ゎあっ?!」
急に頭を掴むように撫でられ、上擦った声が出てしまう。
そのままぐしゃぐしゃと撫でられたかと思うと、手を離してこっちを見つめてきた。
「…くふっ」
何がおかしいのか、少し表情を緩めて意地悪そうに笑うその顔は、見た事ない笑顔で、綺麗だった。
今までのイメージが掻き消されるほどの無邪気な顔に、なにか新しい感情を覚えた。分からない。これは何?どんな想い。
分かった、恋だ。
「ねえ、日帝さん」
「どうした?」
「…ぼくが男に恋したら気持ち悪い?」
言ってしまったら後戻りはできない。それを覚悟した上で聞いたんだ、どんな返事が帰ってこようと受け止めなければいけない…
「何とも思わないな。別に普通の事じゃないか?」
息を吐くようにさらりと出た返答が予想外で、何と言えばいいか分からず固まってしまう。
「ほ、本当に?」
「嘘は付かない。約束だ」
にやっと笑って肩を軽く叩かれる。
「っと、後ろで叔父さんが呼んでるぞ。じゃあな 」
「あ、プロイセン…」
歩いている内にいつの間にか置いて行ってたんだ…
背中がだんだん遠くなる。
そのまま歩いて行く影を見て、僕は決心した。
大きくなったら、絶対告白するんだ。
コメント
8件
僕僕僕僕僕僕ぺろぺろぺろぺろ
僕っていう一人称が既に大好き
これナチめっちゃ依存しそう ナチにてですよね?めっちゃ好きです!!ナチ恋するの早いなぁ…