テラーノベル
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💜視点
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後悔ってのは後でするもんだからさ
しないように生きようって思っても無理でしょ?
特に俺たちなんか反省会の多いグループだから、あの時こうしてれば〜なんて話も尽きない訳で
まぁ、その分、褒め称えたりもするんだけどね
バタバタと聞こえてきた足音
誰だよ、流石に苦情くるぞ
なんて思っていたらバンッと勢いよくドアが開いて、うちのメンバーかよって内心突っ込む前に驚いた
これが佐久間なら注意一択
でも阿部ちゃんなら話は別だ
番組収録中ならはしゃぎすぎてたまに突き抜ける事もあるけど、スタッフや関係者に迷惑になるような行動は取らないから、そこには何か理由があるはず
阿部ちゃんは部屋を見渡して何かを確認したように見えた
「ど、どうした?」
「佐久間と競争中!!」
「は?」
余計に分からない答えが返ってきて、隣で同じ様に驚いていた翔太と首をかしげる
阿部ちゃんに続き、少し遅れて到着の佐久間
「ず、ずるいって…」
はぁはぁしながらの抗議
阿部ちゃんはそれに笑顔だけで応えて、素早く衣装を脱ぐと衣装回収用のリネンカートに放り投げる
それを見た佐久間も慌てたように脱ぎ始めた
「お前ら本当に何なの?」
競い合うように着替える2人に呆れたように翔太が聞いた
「ちょっと用事思い出して。どうせなら競争しようってね」
「あべちゃんがズルしたけどね!!」
「いやいや、自分の足の遅さを俺のせいにしないで」
急な用事?
共通の?
今から?
お互いのスケジュールを知ってるから、仕事ではなかったはずだ
プライベートなら尚あり得ない
時間にうるさい阿部ちゃんが忘れてる訳がないから
この後どっか行こう、みたいになったなら急ぐ必要も隠す必要もない
じっと様子を伺っていて気付いた
「あれ?お前泣いた?」
顔を洗ったみたいだけど、目元が泣いた後みたいに赤い
佐久間は少し考える素振りで「うん」と頷いた
「目にゴミ入って…めっちゃ痛かった」
なんて…
分かりやすく嘘つきやかって
すぐ分かるだぞ、お前の嘘なんて
そして、佐久間が衣装脱いで上半身裸になってから気付いた
着けていたネックレスがなくなっていること
そこにはめめから貰ったと言う指輪がぶらさがっていたはずだ
2人が付き合って間もなく
自慢がてらにグループ内で付き合った場合の、うまくやるコツを聞かれた事があるから覚えてる
ネックレスの替わりにあったのは赤い痕
「…ネックレス、どうした?」
「さっき引っかけて千切れた」
目を泳がせながら答える姿に、翔太も不自然に思ったのか、顔をしかめてる
そんな俺たちに気付いて、阿部ちゃんが目配せしたのが分かった
周囲を気にしながら阿部ちゃんの口が動く
『あ、と、で』
俺と翔太は顔を見合わせてから小さく頷くと、追及をやめて「そう言えばよ」なんて他のメンバーを巻き込んで話を逸らす
佐久間と阿部ちゃんの早着替え対決は、佐久間の勝利に終わった
全てがオーバーサイズの佐久間とかっちり目な阿部ちゃん
阿部ちゃんがシャツのボタンに手間取っているうちに勝負がついた
佐久間が勝利のポーズを決めていると「おぉ!!」と何でか拍手のラウール
末っ子に気を遣わせるんじゃないよ(笑)
そんな勝者を前に「はて?」と顔を傾げた阿部ちゃんは鞄を手に取ると
「何言ってんの佐久間、ゴールはここの出口だよ」
「えっ、聞いてないけど!!」
「じゃ、皆。お疲れ様」
阿部ちゃん、それはズルいな
阿部ちゃんは佐久間の文句を無視して、こっちを見渡し手を振った
佐久間も振り返って手を振るが…
なんだよ、その寂しそうな笑顔は
「お疲れ〜」と無邪気に手を振り返すラウールと、取り敢えずと言った感じで手を振る俺ら
やっぱり照も涼太も、どっかおかしい2人に気付いていたか
ハイテンションで色々誤魔化そうとしていたけど、そりゃ無理あるよな
何年一緒にいたと思ってんだか
阿部ちゃんが『あ、と、で』と言うなら仕方ない
待つだけだ、なんて思っていたけど
その数十分後――――
めめと康二が戻ってきて、少しだけ状況が飲み込めた気がした
佐久間と同じで泣いた目をした康二と気遣いながらもどこかバツの悪そうなめめ
そう言えば…
佐久間は楽屋を出る時に言ってたんだ
『トイレついでに2人を探してくる』って
それに阿部ちゃんがついて行った
収録終わりから戻ってくるのが遅かったから
早く皆て喋りたいなって
なのに…
そう言って出て行った佐久間は戻ってくるなり、勝負という名目で阿部ちゃんに急かされるように帰っていった
何だ、この感じ?
胃の辺りに何か良くないものを食べたような違和感がある
「あれぇ、こーじくんも泣いたの?」
ラウールの何気ない質問に
「も?」
楽屋を見渡していためめが尋ねた
「佐久間くんもゴミ入ったって泣いてたみたいだから。今日、埃っぽいのかな?」
「そ、れで佐久間くんは?」
「ん?なんか急用ってバタバタしながら阿部ちゃんと帰っていったけど」
「えっ」
何も聞いてない
顔にそう書いてある
めめはすぐに自分のスマホを取り出すと、画面を確認したが、どんどんその顔が曇っていく
「てか会わなかったんだね、探しにいくって最初出てったから」
顔を上げて固まった
康二の顔もみるみる青ざめていく
「えっ、ちょっとどうしたの2人共、様子が―――」
「悪い。ちょっと電話してくるわ」
ラウールの言葉を遮って、めめはスマホを握りしめて出て行った
一方の康二は俯いたまま
「…俺、なんやちょっと具合悪いから…早よ帰るわ」
ふらふら〜と、自分の私服がかけてある方へ歩いていく
「大丈夫か?」
近付いて声をかけると顔を上げた康二は何か言いたげに口を開いたが、言葉が出ないようですぐに閉じて首を振る
「大丈夫」
今にも泣きそうな顔だったのが印象的だった
この日
楽屋の使用時間が迫って照と探しに出るまでめめは帰ってこなかった
ラウールはマネージャーが来ると次の仕事に向かい、「心配だから」と翔太と涼太の2人が康二と一緒に帰って行く
全員を見送ってから照と付近を探すと非常階段で、階段の隅に座るめめを発見した
顔色は悪く、開いたままの目は何も映していないようで、スマホを握りしめているのは楽屋を出た時と変わらない
「めめ」
声をかけて漸く瞬きをして、こちらを向いた
「もうすぐ楽屋出ないといけないんだわ」
「あ…うん。ごめん」
ふらりと立ち上がり、心ここにあらずの様相で楽屋に向かう姿を見て、照を見上げると同時に照も俺を見た
どうするか…
「ちょっと様子見とくか」
「そうね」
佐久間と阿部ちゃん、めめと康二の様子から何かおかしいのは明らかだが、すぐに追及するのはやめておいた
話せる状態には見えなかったから
何か、問題が大きくなる前に話してくれると信じて
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#snowman妄想物語
コメント
7件
物語も文章も素敵すぎて…って毎回お伝えしてすみません🙇♀️💦 めめさくはもちろんですが、瀬良さんのふっかさんが毎回イケメンすぎて…深澤ターン大好きです💓笑
めめ…自分のしでかした事に気付いたのね…そしてさっくんから連絡があったのか連絡とれたのか…めちゃめちゃ続き気になる…!